赤ちゃんに母乳をあげたあと、
「ゲップって必要なの?」
「出なかったらどうすればいいの?」
と不安に感じたことはありませんか?とくに初めての育児では、ちょっとしたことでも心配になってしまいますよね。
結論から言うと、母乳育児でも基本的には授乳後にゲップをさせたほうが安心です。
というのも、赤ちゃんは授乳中にどうしても空気を一緒に飲み込んでしまうからです。
この空気が体の中に残ったままだと、胃の中の母乳が逆流して吐き戻しの原因になることがあるんです。
とくに寝かせた直後に吐き戻してしまうと、鼻や気管に母乳が入り込んでしまい、窒息などの思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
だからこそ、ゲップは赤ちゃんの安全のためにとても大切なケアのひとつなんですね。
とはいえ、毎回きれいにゲップが出るわけではなく、「なかなか出てくれない…」と悩むママやパパも多いもの。
そこでこの記事では、母乳でもゲップが必要な理由をはじめ、出ないときの対処法や、ゲップが出なくても安全に寝かせるための工夫などを、やさしくわかりやすく解説していきます。
赤ちゃんの快適さとママの安心のために、ぜひ最後まで参考にしてみてくださいね。
母乳のあとにゲップは必要?その理由とは
ゲップをさせるのは「吐き戻し」防止のため
赤ちゃんが母乳を飲んだあとにゲップをさせるのは、ただの習慣ではなく、とても大事なケアのひとつなんです。
見た目には落ち着いていても、実は赤ちゃんの胃の中には授乳中に一緒に飲み込んだ空気が溜まっていることがあります。
この空気が体の中に残ったままだと、飲んだ母乳や空気が逆流して、吐き戻してしまうこともあるんですね。
特に新生児期は胃の入り口が未発達でゆるいため、ちょっとした刺激で簡単に逆流しやすい状態にあります。
吐き戻したものが鼻に入り込んだり、気管に流れ込んでしまうと、赤ちゃんがむせてしまったり、ひどいときには呼吸がしづらくなってしまう心配もあります。
だからこそ、授乳のあとにできるだけゲップを出してあげることが、赤ちゃんの快適さと安全につながるんです。
母乳でも空気を飲み込むのはなぜ?
母乳育児をしていると、「哺乳瓶じゃないし、そんなに空気を飲まないんじゃない?」と思うママも多いかもしれません。
でも実際は、
- 赤ちゃんの飲み方や口の動き
- ママの授乳時の姿勢
特に、赤ちゃんが浅くくわえていたり、ちょっと角度がずれていたりすると、どうしても口の隙間から空気が入りやすくなってしまいます。
また、授乳時に赤ちゃんが泣いていたり、焦って勢いよく吸い付いているときも、空気をたくさん飲んでしまいやすいんですね。
なので、母乳でもゲップは必要なんだと知っておくと安心です。
ゲップは赤ちゃんが自分でできるようになるまでサポートが必要
赤ちゃんも月齢が進んでいくと、だんだんと体の機能が発達してきて、自然にゲップができるようになっていきます。
でも、新生児や生後数か月のうちは、まだ自分でうまく空気を外に出すことができません。
そのため、ママやパパがやさしくサポートしてあげることが必要になります。
ゲップは毎回必ず出るものではありませんが、それでも背中をトントンしたり、しばらく縦抱きにしてあげるだけでも効果がありますよ。
ほんの少しの工夫や心がけで、赤ちゃんの体の負担をぐんと減らせるので、できる範囲でゲップのお手伝いをしてあげましょう。
ゲップが出ないときはどうしたらいい?
まずは無理に出そうとしすぎないでOK
「出ない!」と焦ってしまう気持ち、とてもよくわかりますよね。
私自身も、最初の頃は毎回ゲップが出ないと「大丈夫かな…」と不安になっていました。
でも、赤ちゃんの体調や気分によって、どうしてもゲップが出にくい日やタイミングってあるんです。
そんなときに、ずっと背中をトントンし続けてしまうと、赤ちゃんにとっても負担になってしまいますし、ママやパパも疲れてしまいます。
実は、ゲップって必ずしも出さなければいけないものではないんですね。
もちろん、出せるに越したことはないけれど、出なかったからといってすぐに何か問題が起きるわけでもない場合もあります。
だからこそ、出ないときは「出なかったね~」と軽く受け止めて、一度落ち着いてから次の行動にうつるくらいの気持ちで大丈夫。
赤ちゃんの様子を見ながら、苦しそうでなければあまり神経質にならなくていいんです。
出ないときの正しい寝かせ方(横向き・タオル活用)
もしゲップが出ないまま寝かせることになったら、ちょっとした工夫で吐き戻しのリスクを減らすことができますよ。
一番おすすめなのが、赤ちゃんを横向きにして寝かせる方法です。
このとき、赤ちゃんの背中側にくるっと丸めたタオルやガーゼなどを軽く添えてあげると、体勢が安定して、寝返りしにくくなります。
この姿勢にしておくと、万が一吐き戻したとしても、ミルクや母乳が鼻や喉に流れ込んでしまうリスクを減らすことができます。
特に新生児期は体の動きも不安定なので、ちょっとの傾きで体勢が変わってしまうこともあるんです。
タオルを使った支えは、簡単だけどとても安心できる対策ですよ。
10分程度の縦抱っこが安心の目安
ゲップが出なかった場合、すぐに寝かせてしまうのは少し心配…
そんなときは、10分程度縦抱っこをして過ごすのが目安になります。
赤ちゃんを縦に抱いているだけで、重力の助けもあって、飲んだ母乳がしっかりと胃の方におさまってくれるんですね。
縦抱きで過ごしている間に自然とゲップが出ることもありますし、出なくても10分くらい経てば吐き戻しの心配も減ってきます。
もちろん個人差はありますが、この「10分」という時間をひとつの目安にしてみてください。
何より大切なのは、ママやパパが安心して対応できること。
赤ちゃんにとっても、それが一番の安心材料になりますよ。
ゲップを出しやすくする方法を知っておこう
縦抱きで肩に顎を乗せて背中トントン
一番よく使われる方法は「縦抱きで肩に顎を乗せてトントン」です。
この方法はとてもシンプルで、なおかつ多くの赤ちゃんにとって安心できる体勢なんです。
ママやパパの肩に赤ちゃんの顔がくるように、そっと抱っこして、赤ちゃんの顎を肩の上にのせます。
このとき、ママやパパの肩のあたりが柔らかい布やタオルで覆われていると、赤ちゃんの顔も心地よく感じられますよ。
そして、赤ちゃんの背中を優しくトントンと叩いたり、さすってあげると、空気が上手に上がってきやすくなります。
赤ちゃんがリラックスしているときの方が、スムーズにゲップが出やすい傾向があるので、焦らずやさしく声をかけながら行うのがポイントです。
ときには赤ちゃんがウトウトしてしまうこともありますが、それくらい安心できる姿勢なんですね。
ゲップが出たときの「ふぅ~」という感じの表情も、見ているこちらまでほっこりしてしまいます。
膝に座らせてトントン・うつ伏せも有効
縦抱きでうまくいかないときや、ママやパパの肩に乗せるのが少し難しいときは、赤ちゃんを膝に座らせる方法もあります。
このときは、赤ちゃんを少し前かがみに座らせるようにして、ママやパパの片手で顎や胸元を軽く支えながら、もう片方の手で背中をトントンしてみましょう。
この方法も赤ちゃんによってはとても効果的で、体の向きや圧が変わることで、ゲップが出やすくなることがあります。
それでも出ない場合には、膝の上で赤ちゃんをうつ伏せに寝かせるような体勢にして、背中をさすってあげるのもおすすめです。
うつ伏せの状態は、胃の位置的に空気が上にあがりやすくなるため、ゲップを促しやすいんですね。
赤ちゃんの表情を見ながら、無理のない範囲でいろんな方法を試してみてください。
授乳時の姿勢やくわえ方も工夫のポイント
実は、ゲップが出やすいかどうかは、授乳中の姿勢や赤ちゃんのくわえ方にも大きく関係しているんです。
赤ちゃんの口とママの乳首の位置がしっかり合っていないと、どうしても空気が入りやすくなってしまいます。
授乳枕やクッションを使って、赤ちゃんの頭と胸がママの胸と水平になるように調整してあげると、赤ちゃんも飲みやすくなり、空気の飲み込みも減ります。
また、浅くくわえさせてしまうと空気が入りやすくなるので、深くしっかりとくわえさせることがとても大事です。
赤ちゃんが口を大きく開けたタイミングで、後頭部をやさしく支えて乳首を深く含ませるようにしてみてくださいね。
授乳の姿勢を見直すだけで、授乳そのものがぐっと楽になることもありますし、ゲップの出やすさにもつながっていきますよ。
授乳中に空気を飲ませにくくするコツ
赤ちゃんの口の高さと乳首を合わせる
授乳中にできるだけ空気を飲ませないためには、まず赤ちゃんの口の高さと乳首の位置をしっかり合わせることが大切です。
この高さがズレてしまうと、赤ちゃんの口にすき間ができてしまい、そこから空気を吸い込んでしまいやすくなるんですね。
ママの腕の位置を少し変えてみたり、授乳クッションを使って高さを調整してみると、ぐっと飲みやすくなりますよ。
赤ちゃんの顔が乳首と同じ高さ、もしくは少し上向きになるようにすると、自然に深くくわえやすくなる姿勢になります。
授乳中、ママが前かがみになってしまうと、赤ちゃんとの角度が合いづらくなることがあるので、ママ自身も背筋を伸ばして、リラックスして授乳にのぞんでみてくださいね。
乳首を深くくわえさせるには?
赤ちゃんがしっかりと母乳を飲めるようにするには、深くくわえさせることがとても大事なんです。
授乳中に浅くくわえていると、乳首が赤ちゃんの口の前の方にしか届かず、そこに隙間ができて空気をたくさん飲んでしまう原因になりますし、飲み込みもスムーズにいきません。
赤ちゃんの口が大きく開いたタイミングを見計らって、後頭部や首のあたりをそっと支えてあげながら、乳首をしっかりと口の奥にくわえさせてあげましょう。
くわえたときに赤ちゃんの唇が外側にめくれて「アヒル口」になっていれば、上手にくわえられているサインです。
しっかり吸いついてくれることで、授乳中の空気の飲み込みも少なくなり、ゲップが出やすくなることにもつながりますよ。
乳首が硬い・くわえにくいときのほぐし方(ワセリン活用)
「乳首が硬くて赤ちゃんが上手にくわえられない気がする…」そんなお悩みもよくありますよね。
特に授乳初期のママに多いのが、乳首がまだ柔らかくなっておらず、赤ちゃんが吸いつきにくくなってしまうというケースです。
そんなときには、授乳前に乳首を少しほぐしておくのがおすすめです。
指先で優しくマッサージしたり、ワセリンや乳頭ケアクリームなどを使って潤いを与えながら、やわらかくしておくと、赤ちゃんもくわえやすくなります。
ただし、強く押しすぎたり無理な力を加えてしまうと、逆に乳首に痛みが出てしまうこともあるので要注意。
痛みがあるときは無理をせず、助産師さんや母乳外来の専門スタッフに相談して、自分に合った方法を見つけていくのが安心ですよ。
少しずつ慣れてくると、赤ちゃんもママもより楽しく授乳の時間を過ごせるようになります。
まとめ|出ないときは焦らず対策を!赤ちゃんの様子を見守ろう
出なくても元気で苦しそうでなければOKな場合も
赤ちゃんにゲップをさせることは大切ですが、毎回必ず出なければならないわけではないんです。
たとえば、赤ちゃんがご機嫌でニコニコしていたり、すやすや気持ちよさそうに眠っていたりする場合には、ゲップが出なくてもそれほど心配しなくて大丈夫です。
実際、吐き戻ししやすいタイプの子もいれば、まったく吐かずに平気でいる子もいて、赤ちゃんによって個人差がかなり大きいんですね。
うちの子もそうでしたが、いつも必ずゲップが出るわけではなく、それでも問題なく過ごせていました。
もちろん、少し様子を見て、苦しそうにしたりお腹を張っているような仕草が見られる場合には気をつけてあげることが大切です。
でもそうでなければ、赤ちゃんの自然なペースに合わせて見守ってあげるくらいの気持ちで大丈夫ですよ。
苦しくならないような寝かせ方でリスク軽減
ゲップが出ないまま赤ちゃんを寝かせるときには、万が一の吐き戻しに備えて、体勢を工夫することがとても大切です。
一番手軽で効果的なのが、赤ちゃんを少し横向きにして寝かせること。
このとき、背中側にくるっと丸めたフェイスタオルや小さなクッションを軽くあてておくと、姿勢が安定して安心です。
また、頭の位置をほんの少しだけ高くすることで、吐き戻しがあったとしても鼻や気道に流れ込みにくくなります。
これだけでも、赤ちゃんの呼吸が妨げられるリスクを大きく減らすことができるんです。
夜間の授乳後やお昼寝のときなど、寝かせるタイミングが多い新生児期こそ、こうしたちょっとした工夫が役に立ちますよ。
ママが疲れすぎないことも大切です
毎回「ちゃんとゲップを出さなきゃ」と思い詰めてしまうと、ママ自身が精神的にも身体的にも疲れてしまいますよね。
とくに育児は毎日のことですし、赤ちゃんの授乳は1日に何回もあるものだから、完璧を目指しすぎると本当に大変です。
赤ちゃんも日によって違いがあるように、ママだって体調や気分が違って当然。
がんばりすぎずに「今日はこれでいいか」と肩の力を抜いて過ごせる時間があっていいんです。
赤ちゃんが元気にしていて、苦しそうに見えないなら、それで十分ですし、ママが笑顔でいられることのほうが赤ちゃんにとっても何よりの安心材料になります。
ゲップが出なくて不安なときは、同じような経験をした先輩ママの声を聞いてみたり、助産師さんに相談してみるのも心強い方法です。
育児はひとりでがんばらなくていいんですよ。