初盆の香典の表書きは薄墨で書くものというマナーがあるらしいですが、本来の意味で言うと間違いです。
不祝儀袋に薄墨で書くというマナー自体はあるのですが、これは告別式や葬儀の時のマナーでした。
そもそもなんで薄墨なの?って思いますよね。
めでたくないことだから薄く書くとか?なんて考えたこともありますが、ちゃんとした理由がありました。
今の若い人は学校で習字を習う時、墨汁のボトルを使っていますよね。
だけど昔は墨といえば細長い固形で、硯(すずり)に水を入れて硬い墨をすっていました。
習字で使うくらいまで濃くするには時間がかかります。
不祝儀袋の文字が薄墨なのは、突然の不幸で墨をする時間もなくかけつけたので薄くなってしまいましたということなのだそうです。
また、悲しみの涙で墨も薄くなってしまった、などの意味合いも含まれています。
そのことを踏まえて考えると。
初盆というのは初めてのお盆で盛大ではありますが、日にち自体はわかっていることなので、薄墨にする必要はないのです。
特に理由もわからず、葬儀や法事では薄墨と思っている人もいますが、そうではないのです。
ちなみに、100均に薄墨用の筆ペンも売っていますので、今後は薄墨で書いていこうと思うという方は買ってみてください。
とはいえ、墨をする時代でもないですし、筆ペンところかボールペンで書いている人もいますから、あまりうるさくいう人も減ってきたように思います。
初盆の香典袋の表書きの書き方は?水引はどの種類がいい?
初盆の香典袋の表書きの書き方をご紹介したいと思います。
葬儀などの場合は、会社だったり役職だったり連名だったりの香典もあるので、書き方が色々あります。
ですが、初盆は親族のみなので基本的には個人名を真ん中に書けばいいです。
夫婦で香典袋に名前を書きたい場合には、香典袋の真ん中に夫の名前を書いて、その左隣に並べて妻の名前を書きます。
といってもだいたいは夫の名前だけの人が多いですけどね。
初盆の香典袋の表書きは?
初盆で注意したいのは香典袋の上の部分です。
よくある迷いとして初盆で使う香典袋は「御霊前」か「御仏前」かというものです。
私は昔コンビニでバイトをしていましたが、結構な頻度でこの二つのどっちですかね?って聞かれました。
そこで私が店長に教わったのは
「亡くなった人は四十九日で仏様になる。初盆は四十九日を過ぎないとできない。だから初盆は御仏前を使う」
ということでした。
中には亡くなったのが四十九日前後で判断が難しいなんてこともありますが、亡くなった日から数えるのであって葬儀の日からではありません。
だけどそれはそれで四十九日法要というのもありますよね。
なので、初盆とかぶるのも忙しすぎるっていうことで、翌年に初盆をすることにしたという人もいたりします。
そのへんは僧侶と相談になりますね。
初盆の香典袋の水引の種類は?
水引は「結び切り」「あわじ結び」じゃないとマナー違反です。
これは薄墨の文字などよりも大事なことですからね。
結び切りを使う時は「二度目はない方がいいもの」です。
結婚式などもこれを使います。
似たような水引に「蝶結び」がありますが、これは何度あってもいいめでたいことに使います。
だから白黒の香典袋には蝶結びのものはあるのかな?たぶん存在しないんじゃないかと思いますよ。
初盆で香典袋へのお札の入れ方は?渡すタイミングはいつ?
初盆で香典袋へのお札の入れ方は、香典袋を開いた時にお札の裏側が見えるように入れてください。
お札の表には肖像画が描かれていますが、その顔が下にくるように入れましょう。
逆に、結婚式などのご祝儀袋にはお札の表が見えるように入れます。
香典袋にはなぜ肖像画を裏にして入れるのかですが、悲しみから顔を背けるなどの意味合いがあるようです。
そうなると、表をむけるご祝儀袋は幸せそうな顔を見たいから、みたいな感じですかね。
香典袋も種類によっては、中に封筒が入っているタイプもありますよね。
その場合は、封筒の表側にお札の裏面がくるように入れて、外袋を開いたときに封筒の表が見えるようにしてください。
初盆で香典を渡すタイミングは?直接手渡しするのはマナー違反?!
香典を渡すタイミングですが、葬儀などの時は受付の人がいるのでわかりやすいですが、初盆だと自宅になりますよね。
初盆だと祭壇があり、そこに遺影と位牌が祭られていますので、部屋に入ったらまず香典をそこにお供えして、線香をあげます。
香典は亡くなった人に対してのお供えなので、遺族に直接手渡しするのはマナー違反です。
合同法要にする場合、親族が直接お寺に集合したりなんてこともあるかもしれないですが、ここでは僧侶に対してのお布施を渡すだけになります。
香典は自宅に行って祭壇にお供えしてくださいね。
初盆の香典の表書きは薄墨で書くもの?のまとめ
薄墨を使うのは、お通夜や告別式の時だけで、前から予定のわかっている初盆などの法事では普通の墨で問題ありません。
薄墨の筆ペンは100均などにも売っていますので、突然やってくる連絡にも対応できるように家に置いておくといいですね。
初盆の香典袋に入れるお札は裏側が表にくるように入れましょう。
香典を渡すタイミングは、祭壇へのお線香あげをするときに香典を置きましょう。
遺族に直接手渡しはマナー違反なので、そこは忘れずに。
そしてそれ以外にも、初盆には「やってはいけないこと」がまだまだあります。
「初盆にやってはいけないこと!服装はどんなことに気を付ければいいの?」
の記事には、そんな「意義と知らない初盆のタブー」について、詳しくまとめています。
「失敗した」
「そんなの知らなかった。。。」
なんてことにならない為にも、ぜひ一度確認しておいてくださいね。