寒くなると空気が乾燥するため、多くのご家庭では加湿器を使う機会が増えてきますよね。
その結果、窓にはびっしりと結露ができてしまい、朝起きてカーテンを開けるたびに驚くことも。
毎日こまめに拭いているつもりでも、いつの間にか窓枠の隅に黒カビが発生してしまっていた…なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。
カビは放っておくとどんどん広がってしまい、見た目が悪くなるだけじゃなく、アレルギーや健康への影響も心配になります。
カビ取りといえば、強力な薬剤を使って一気に落とすイメージがあるかもしれません。
でも、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、できるだけ体に優しいもので掃除したいと思う方も多いですよね。
そこでおすすめなのが、自然由来の成分で安心して使える「重曹」です。
重曹はキッチン掃除や消臭などでもおなじみですが、実はカビ掃除にも大活躍するんです。
今回は、そんな重曹を使って安全かつ効果的に窓枠のカビを掃除する方法をご紹介します。
さらに、どうしても落ちない頑固なカビに効く他の方法や、掃除後にカビを予防するためのポイントについても詳しく解説します。
窓枠のカビはなぜできる?原因と対策の基本
冬にカビが増えるのは「結露」が原因
冬の時期は、室内を暖かく保とうと暖房を使いがちですが、その一方で外気はとても冷たくなっています。
この大きな温度差が、窓ガラスに水滴(=結露)を発生させる大きな原因になります。
結露は窓の表面だけでなく、窓枠にもどんどん流れていってしまい、そこに湿気がたまり続けることで、カビが生えやすくなるんですね。
特に注意したいのが、寝室や子ども部屋などの閉め切った空間です。
就寝中に人の呼吸で湿気がこもるうえに、加湿器を使うご家庭も多いため、窓ガラスやその周辺に結露が発生しやすくなります。
毎朝窓に水滴がついていたり、サッシに水たまりができていたりする場合は、まさにカビの温床になっている可能性があるんです。
放置していると、窓枠のすみやゴムパッキン部分に黒っぽいカビが広がってしまい、見た目も気になりますし、アレルギーや体調不良の原因になることもあるので要注意です。
皮脂やほこりもカビの栄養源に
結露だけが原因というわけではなく、実は目に見えない皮脂汚れや空気中のほこりも、カビにとっては栄養になります。
窓のそばは手で触れることも多いですし、風の流れでほこりが集まりやすい場所でもあるため、意外と汚れがたまりやすいんですね。
このような汚れと湿気がセットになると、カビは一気に繁殖してしまいます。
だからこそ、こまめな掃除がとっても大切なんです。
気づいたときにさっとひと拭きするだけでも、カビの発生リスクをぐっと減らすことができますよ。
窓枠のカビ掃除に「重曹」は使える?
重曹は人にも環境にもやさしい
重曹の成分は「炭酸水素ナトリウム」と呼ばれ、食品の膨張剤や入浴剤としても使われているほど、私たちの生活にとても身近で安全性の高い素材です。
そのため、小さなお子さんがいるご家庭や、ペットを飼っている家庭でも安心して使えるのが大きなメリットです。
市販のカビ取り剤には刺激が強い成分が含まれていることが多く、掃除中にニオイがきつかったり、皮膚に触れるとヒリヒリしたりすることがありますよね。
その点、重曹はそういった刺激が少ないので、手袋をしなくても扱いやすいという安心感があります。
また、重曹はアルカリ性なので、酸性の汚れやカビに対して効果的に働いてくれる性質もあります。
ただし、漂白力はそれほど強くないため、ナチュラル志向のお掃除に向いていると考えるといいでしょう。
環境にもやさしく、排水に流しても問題がないという点も、重曹を使ううえでの大きな魅力ですね。
重曹だけで落ちないカビもある?
とはいえ、すべてのカビに対して万能というわけではありません。
特に、長い間放置して根を深く張ってしまった黒カビなどは、重曹だけでは完全に落とすのが難しいこともあります。
表面の汚れは軽くなったとしても、奥に残った菌がまた繁殖してしまうこともあるんです。
そんなときは、あとでご紹介する「オキシクリーン」などの酸素系漂白剤と組み合わせることで、より高い洗浄効果が期待できます。
また、重曹とクエン酸を合わせることで発泡反応を利用して汚れを浮かせる方法も有効です。
状況に応じて使い分けていくことで、安全かつ効果的にカビ掃除ができるようになりますよ。
重曹+クエン酸でできる!カビ掃除の手順
スプレーの作り方と使い方
重曹だけでなく「クエン酸」と合わせることで、より強力な洗浄力が得られます。
クエン酸は酸性、重曹は弱アルカリ性なので、組み合わせるとシュワシュワと発泡反応が起きます。
この泡の力がカビや汚れを浮かせてくれるので、とっても効果的なんですね。
作り方はとても簡単。
重曹とクエン酸を1:1の割合で空のスプレーボトルに入れます。
たとえば小さじ1ずつなど、同じ分量にするのがポイントです。
そこに40~50℃くらいのぬるま湯を注ぎます。
熱すぎるとボトルが変形してしまうこともあるので注意しましょう。
すぐに炭酸の泡が立ってくるので、キャップを閉めてすぐ使える状態にしておくと便利ですよ。
掃除の前には、窓枠の汚れをざっと拭き取っておくと効果が高まります。
スプレーは使う直前に作るのがベストで、時間が経つと発泡効果が弱まってしまうので注意してくださいね。
パック&放置→こすって拭き取りが基本
作ったスプレーをキッチンペーパーにたっぷり吹きかけ、それをカビが気になる部分にぺたっと貼り付けます。
窓枠の角やゴムパッキンの部分など、細かい場所にも貼りやすいので便利です。
そのうえからさらにスプレーを重ね、乾燥を防ぐためにラップをふんわりとかけておきます。
このラップが保湿効果を高めてくれるので、成分がじっくりと浸透しやすくなるんですね。
だいたい30分ほど放置したら、ラップとペーパーをそっと外してみましょう。
歯ブラシや古布を使ってカビ部分をやさしくこすり、浮いてきた汚れをふき取ります。
拭き取りには水に浸して固く絞った雑巾を使うと、成分もきれいに落とせますよ。
一度で落ちきらない場合は、同じ工程をもう一度繰り返してみてくださいね。
繰り返すことで少しずつきれいになっていきます。
重曹で落ちないときは?オキシクリーンで強力洗浄
オキシクリーンの成分と効果
重曹で落としきれなかった頑固なカビには、いよいよ「オキシクリーン」の出番です。
オキシクリーンは主成分が「過炭酸ナトリウム」という酸素系漂白剤で、
- 漂白
- 除菌
- 消臭
水に溶かすと酸素の泡が発生し、その泡の力でカビの根元にまで浸透して分解してくれるので、見た目だけでなく、内部の菌にもアプローチできるのが大きな特徴です。
家庭用洗剤の中でも比較的やさしい成分ではありますが、洗浄力はかなりしっかりしています。
また、オキシクリーンには「日本版」と「アメリカ版」があり、違いは界面活性剤の有無です。
アメリカ製は洗浄力が強い反面、ぬるぬる感が残ることがあるので、窓枠の掃除には界面活性剤なしの日本製を使う方が手間も少なくおすすめです。
窓枠カビをしっかり落とす掃除方法
オキシクリーンを使って窓枠のカビをしっかり落とすには、まずバケツを2つ用意しましょう。
1つはオキシクリーンを溶かすため、もう1つは拭き取り用の清潔な水を用意するためです。
バケツに40~60℃程度のお湯を入れ、付属のスプーン1杯分(約30g程度)をしっかり溶かしてオキシ溶液を作ります。
この温度が低すぎると効果が出にくくなるので、熱すぎない程度の高めの温度を保つのがコツです。
できあがった溶液に雑巾を浸し、しっかり絞ってからカビの気になる窓枠を拭いていきます。
しつこい汚れには、割り箸の先に布を巻いたものを使って細かい溝まで届くようにこすってみましょう。
汚れを落としたあとは、もうひとつのバケツの水で濡らした雑巾でしっかり水拭きをして、成分を残さないようにします。
掃除の後には乾いた布でしっかり水気をふき取ることで、再発防止にもつながりますよ。
パッキンには「オキシ+重曹ペースト」が効く!
カビが特に残りやすいのが、ゴムパッキンの部分です。
ここは凹凸があるうえ、素材的にもカビが根を張りやすく、普通の拭き掃除ではなかなか取れません。
そんなときにおすすめなのが「オキシペースト」です。
作り方はとてもシンプルで、オキシクリーンと重曹を同じ量ずつ混ぜ、そこに少しずつ40~50℃程度のお湯を加えてペースト状になるまで混ぜます。
たとえば各40gずつを基準にすると扱いやすいです。
できあがったペーストをゴムパッキン部分にしっかり塗りつけ、ラップをかけて密着させてから5分ほど放置します。
その後、雑巾や古布でしっかり拭き取ると、しぶとい黒カビもかなりスッキリ落ちるはずです。
もしそれでも落ちにくいと感じたら、もう一度繰り返すか、より強力な専用洗剤を検討するのもひとつの手ですよ。
掃除のあとは「予防」が大事!カビを防ぐ方法
重曹スプレーでナチュラルにカビ予防
掃除が終わったあとの仕上げにおすすめなのが、重曹を使った「重曹スプレー」です。
作り方はとてもシンプルで、水200mlに対して小さじ1程度の重曹を加えてよく混ぜるだけ。
重曹は水に溶けにくい性質があるので、できればぬるま湯を使うとスムーズに溶けやすくなります。
このスプレーを、カビが生えやすい窓枠やサッシのすき間にまんべんなく吹きかけておくだけでOK。
アルカリ性の重曹は、カビの原因となる酸性の汚れや湿気に反応して、発生をおさえてくれる働きがあるんです。
また、香料や添加物も入っていないため、小さなお子さんがいるご家庭でも安心して使えるのがうれしいポイント。
スプレー後に乾いた布で軽く拭き取っておくと、白く粉が残るのも防げて見た目もきれいに保てます。
こまめな水滴のふき取りとアルコール活用
どんなに掃除しても、毎日窓に結露がついてしまえば、またカビが生えてしまう原因になります。
そこで大切なのが、毎朝の「水滴ふき取り」。
窓についた水滴をそのままにせず、乾いた布やワイパーでこまめに取り除くことで、カビの予防につながりますよ。
さらにおすすめなのが、アルコールスプレーを使ったふき取り。
アルコールには除菌・消毒効果があるので、目に見えないカビ菌までしっかり除去してくれるんです。
市販のアルコール除菌スプレーや無水エタノールを水で薄めたものをスプレーボトルに入れて使うのも◎。
忙しい朝は毎日は難しいかもしれませんが、週に数回でも続けることでカビの発生をグッと抑えられます。
家族の健康を守るためにも、ちょっとしたひと手間を習慣にしてみてくださいね。
まとめ:安心・安全に窓枠のカビを掃除しよう
窓枠のカビ掃除を始めるときは、まずは手軽に試せる「重曹とクエン酸」を使ったナチュラル掃除からスタートしてみるのがおすすめです。
これらはどちらも自然由来の成分で、体にやさしく扱いやすいため、子どもやペットがいるご家庭でも安心して使えるのがうれしいポイントです。
重曹とクエン酸の組み合わせによる発泡作用で、カビや汚れを浮かせて落とすことができるので、軽めの黒ずみや初期のカビには特に効果的。
ただし、すでに根を張って頑固になっている黒カビには、重曹だけでは物足りないこともあります。
そんなときは、次のステップとして「オキシクリーン」や「オキシ+重曹ペースト」の出番。
酸素系漂白剤の力を借りて、見た目の黒ずみだけでなく、奥の菌までしっかり除去していくことができます。
掃除のあとは、仕上げに重曹スプレーをひと吹きしておくことで、アルカリの性質を利用したカビの再発予防にもつながりますよ。
毎日の掃除に少しだけ時間をプラスするだけで、清潔で快適な窓まわりを保てます。
ナチュラルクリーニングを上手に取り入れて、家族が安心して過ごせる空間づくりをしていきましょう。