1歳を過ぎた頃になると、夜中に寝ているはずの子どもがゴロゴロと転がったり、気づけば布団からすっかりはみ出していたりして、
「このままで大丈夫なの?」
と心配になることが多いですよね。
特に初めての育児をしていると、寝相が悪いこと自体が問題に思えてしまい、不安がつのることもあるかと思います。
でも実は、1歳ごろの子どもにとって寝相が悪いのはとてもよくあることなんです。
この時期は、運動能力や脳の発達が急速に進む大切な時期で。
寝ている間に体を自由に動かしたり、寝返りをたくさん打つことで身体のバランス感覚や筋肉が鍛えられていくといわれています。
つまり、寝相の悪さは健康に育っている証拠でもあるんですね。
とはいえ、毎晩のように布団から出てしまう様子を見ていると、風邪を引かないか、どこかにぶつけないかなど、どうしても心配になってしまうのが親心です。
そこで今回は、1歳児の寝相が悪くなる理由や、夜ぐっすり眠れるための環境づくり、季節に合わせた対策まで、安心して見守るためのポイントを丁寧にご紹介していきます。
寝相が悪いのはなぜ?1歳児に見られる特徴とは
睡眠サイクルの違いと運動機能の発達によるもの
大人と比べて、子どもの睡眠サイクルはとても短く、深い眠りと浅い眠りを繰り返すリズムもずっと速いのが特徴です。
特に1歳前後の時期は、まだまだ睡眠が安定しきっていないため、
- 眠りが浅くなるとすぐに寝返りをうったり
- 手足をバタバタさせたり
- 体の向きを変えてしまったり
そうした動きが重なることで、結果として「寝相が悪い」と感じるようになるんですね。
この動きは、眠っている間の無意識なものなので、親が注意していても完全に防ぐことはむずかしいですし、実はその動きこそが大切な発達の一環でもあるのです。
さらに、1歳児は運動機能がどんどん発達してくる時期で、昼間に覚えた動きや体の感覚を、寝ている間にも脳が整理しようとする働きがあります。
そのため、無意識のうちに寝返りをしたり、布団の中で移動してしまったりするのは、ごく自然なことなんです。
「動いてみたい」「これをやってみたい」という気持ちが、日中だけでなく眠っている間にも影響を及ぼしていると考えられています。
こういった行動は、好奇心や発達の証としてあたたかく見守ってあげるのがいちばん。
無理に寝相を直そうとしたり、動きを制限したりする必要はまったくありませんよ。
布団から出てしまうときの対策は?安全に眠るための工夫
スリーパーや滑りにくい敷き布団で安心して眠れる環境に
1歳児は布団をかけてもすぐに蹴飛ばしてしまうことが本当に多く、朝起きてみたら布団が足元に丸まっていたり、布団の外に転がっていたりすることもよくあります。
そんなときにおすすめしたいのが「着る寝具」、つまりスリーパータイプのパジャマです。
これは、布団のように寝ているあいだにズレたりはがれたりする心配がなく、どんなに寝返りをうってもお腹や背中が冷えにくく、安心して眠らせることができますよ。
スリーパーを選ぶときは、通気性がよくて汗を吸収しやすく、なおかつ体温を適度に保ってくれる素材を選ぶのがポイントです。
とくに綿やガーゼ素材は、汗をしっかり吸ってくれるのに加えて肌ざわりもやさしく、敏感肌の子どもにもぴったりです。
春夏は薄手、秋冬は厚手など、季節によって素材や厚みを変えてあげると、より快適な眠りにつながりますよ。
さらに、布団やマットレスの種類によっては、表面が滑りやすくて寝ている間にどんどん体が動いてしまうこともあります。
そうしたときは、なるべく滑りにくい素材の敷き布団や、表面がふわっとしたパイル地のシーツを選ぶといいでしょう。
摩擦があることで体の位置が安定しやすくなり、自然と大きく転がるような寝相が減って、子どももぐっすり眠れるようになります。
ちょっとした寝具選びの工夫で、毎晩の安心感がぐんとアップしますよ。
季節ごとに変わる!寝相対策のポイント
夏は汗対策、冬は冷え対策をしっかりと
夏は汗をかきやすく、室温や湿度によってはかなり寝苦しく感じてしまうことがあります。
とくに寝入りばなの室温が高かったり、寝具の素材が合っていなかったりすると、子どもは汗をたくさんかいてしまい、不快感から何度も寝返りをうってしまいます。
その結果として寝相が悪く見えることも多くなります。
こういったときには、
- 通気性がよくて汗を素早く吸い取ってくれる素材のパジャマ
- 吸水性と通気性に優れたタオルケット
特に綿やガーゼ素材のものは、肌触りもやさしく、汗の吸収力にも優れているので、子どものデリケートな肌にもぴったりなんです。
また、汗をかいたまま寝続けると風邪の原因にもなるので、こまめに着替えたり、背中に汗取りパッドを入れてあげたりするのも効果的ですよ。
加えて、エアコンを使う場合は冷やしすぎに注意が必要です。
設定温度は26~28度くらいを目安にして、直接風が子どもに当たらないように風向きを調整してあげましょう。
冷気が直接あたってしまうと、寝冷えしてしまう可能性もあるので、タイマー機能やサーキュレーターの併用などで空気を循環させると安心ですね。
一方で、冬の時期はどうしても冷えが気になりますよね。
特に1歳児は寝相が悪くて布団から出てしまいやすいため、気づいたら布団から全身が出てしまっていた…なんてこともよくあるはずです。
そんなときには、スリーパーを着せてあげるのがおすすめです。
スリーパーは腕や足が動かしやすく、寝返りをしても布団のようにずれてしまう心配がないので、しっかりと体を保温してくれます。
さらに、寒さ対策として厚手の腹巻きを併用すれば、お腹まわりをしっかり守ってくれるので安心感がぐっと増します。
最近では、パジャマと腹巻きが一体型になっている便利なアイテムも多く販売されているので、そういったグッズも取り入れてみるとよいでしょう。
冬は特に寝具の素材や重ね方、部屋の暖房管理にも気を配って、子どもが快適に眠れる環境を整えてあげるといいですね。
そうすることで、親御さんも安心して夜を過ごせるようになりますよ。
ベビーベッドと布団、どっちがいいの?寝相に合わせた選び方
安全に動ける空間づくりを意識して選ぼう
1歳児の寝相の悪さを考えたとき、ベビーベッドを使えば「高い柵があるから落ちる心配がなくて安心」と考える親御さんも多いと思います。
特に夜中に何度も様子を見に行くのが大変なときや、まだ動きが少ない時期にはベビーベッドの安全性がとても魅力的に感じられますよね。
ただ、1歳前後になると子どもの運動量がぐんと増えてきて、寝返りや足を使っての移動などが活発になってきます。
そのため、ベビーベッドの限られたスペースでは動きたい欲求を満たせず、知らず知らずのうちにストレスを感じてしまうことがあるんです。
柵にぶつかって泣いてしまったり、寝ながら体をよじってしまって不快感を覚える子もいるかもしれません。
一方で、布団を使って床に寝かせる方法は、スペースが広く自由に動けるので、寝返りを打っても圧迫感が少なく、リラックスした状態で眠れる子も多いです。
ただし、動きが活発な分、布団からはみ出してしまったり、周囲にぶつかったりする心配もあります。
そのため、まわりにベッドガードを設置したり、厚手のクッションやマットを敷いたりして、万が一の転倒や衝突を防げるような環境を整えることが大切です。
床に近い環境の方が転落のリスクは少なく、また親も夜中に様子を確認しやすいというメリットがあります。
お子さんの性格や動きのタイプ、家庭の生活スタイルに合わせて、どちらの寝かせ方がより安心できるかを考えて選んでみてくださいね。
夜中の寝相の悪さが気になるときは?親の対応ポイント
無理に直さず、そっと見守ることが大切
寝相が悪いからといって、子どもが寝ているたびに何度も布団をかけ直したり、体の向きを戻したりしてしまうと、実は逆効果になることがあります。
とくに浅い眠りのタイミングで身体に触れると、その刺激によってパッと目を覚ましてしまうことがあり、せっかく眠れていたのにリズムが乱れてしまう可能性もあるんですね。
また、無理に姿勢を直そうとすると子どもが不快に感じて、眠りそのものが浅くなってしまうこともあります。
夜中に何度も目を覚まさないようにするには、まずは親が落ち着いて「そっと見守る」ことが大事です。
ついつい気になって何かしてあげたくなりますが、実際はそれが逆に眠りを妨げる原因になってしまうこともあるんです。
夜の間は、寒くないか、体が冷えていないか、呼吸がスムーズにできているかなど、基本的な安全面だけを確認するようにしましょう。
必要以上に体に触れたり声をかけたりすることは、控えるようにしたいですね。
もし体が冷えやすいタイプのお子さんであれば、スリーパーやあったか素材のパジャマなど、着るタイプの寝具を取り入れてみるのがおすすめです。
これなら、たとえ布団から出てしまっても体温が保たれるので、何度も布団をかけ直す必要がなくなります。
さらに最近では、静電気防止加工や柔らかくてチクチクしにくい生地のスリーパーもあるので、肌に優しくて安心ですよ。
こうした工夫をすることで、子ども自身がより快適に眠れるようになりますし、親にとっても「また布団が外れてる!」と夜中に起きるストレスが軽減されます。
結果的に、親子ともに質の良い睡眠をとれるようになるので、無理に寝姿勢を直そうとせず、できるだけ自然な眠りを見守ってあげてくださいね。
まとめ|1歳児の寝相が悪いのは元気な証拠!あたたかく見守って
1歳児の寝相が悪いのは、体の成長や睡眠のリズムによる自然な変化からくるものです。
この時期の子どもは、脳や身体が急速に発達している最中で、寝ているあいだにもたくさんの刺激を整理しようとしています。
その結果として、寝返りをたくさん打ったり、布団からはみ出してしまったりといった動きが増えるのはとても自然なことなんですね。
だからこそ、無理に直そうとする必要はありません。
大切なのは、どれだけ安心して自由に動ける環境を整えてあげられるかということです。
たとえば、布団やスリーパーの工夫、ベッドガードの活用など、少しの工夫で子どもも親も安心して夜を過ごすことができるようになります。
また、季節に応じた対策もとても大事です。
暑い季節には汗を吸いやすい素材の寝具を選んで蒸れを防いだり、寒い時期にはスリーパーや腹巻きなどで体が冷えないようにしたりすることで、より快適な睡眠環境を作ってあげることができますよ。
寝相の悪さは、「元気に成長している証拠」だと前向きに受け止めて、焦らずあたたかく見守る気持ちを持つことがいちばん大切です。
子どもが安心して眠れるよう、やさしくサポートしてあげてくださいね。