産褥1日目のアセスメントの例は?国試に出やすい産褥の経過を学ぶポイント

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産褥(さんじょく)とは、出産から42日間までの期間を意味します。

この期間は、お母さんの心と体が妊娠前の状態に戻っていく時期なんですよ。

そして国試では、この産褥の経過に関する問題が出題されます。

なので、今回は産褥1日目のアセスメントの例を紹介していきたいと思います!

まずアセスメントとは、情報をもとに客観的に評価・分析することを意味しています。

そして看護の分野では、患者さんの情報を集め、必要な処置を見極めるという時にこの言葉が使われています。

なので、患者さんの状態や血圧、体温などの情報を集めます。

そしてそれに基づき分析して、看護計画を実施することが『看護におけるアセスメント』ということになりますね。

産褥1日目のアセスメントの例①バイタルサイン
産褥1日目のバイタルサインは、次のとおりです。

  • 体温:36.5℃~37.5℃
  • 脈拍:60~80回/分
  • 呼吸数:16~20回/分
  • 血圧:110/70mmHg~120/80mmHg

ちなみに「バイタルサイン」というのは、生命の維持の可否のサインのことです。

また、バイタルサインは、生命徴候(せいめいちょうこう)ともいいます。

  • 脈拍
  • 呼吸
  • 体温
  • 血圧
  • 意識レベル
この5つがバイタルサインの基本となります。

産褥1日目のアセスメントの例②子宮復古(しきゅうふっこ)
子宮復古とは、出産直後から子宮が強く収縮し、妊娠前の大きさに戻ろうとすることをいいます。

産褥1日目の子宮復古は、

  • 子宮底の高さ:臍高(さいこう)~臍上1横指(さいじょういちおうし)
  • 子宮の硬さ:やや硬い
が正常だとされています。

産褥1日目のアセスメントの例③悪露(おろ)
産褥1日目の悪露は、
  • 量:多量
  • 色:血性
  • 臭い:臭いがある
であれば正常の範囲内です。

産褥1日目のアセスメントの例④会陰(えいん)
産褥1日目の会陰は、
  • 痛み:強い痛みがある
  • 出血:少量~多量
  • 腫れ:ある程度の腫れがある
といった感じであれば大きな問題はありません。

産褥1日目のアセスメントの例⑤その他のアセスメント項目
産褥1日目のアセスメント項目には、
  • 尿量
  • 排便
  • 乳房
  • 母乳分泌
  • 食欲
  • 睡眠
  • 精神状態
といったものもあります。

産褥1日目の観察項目は?レビューブックに基づいた情報!

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産褥1日目の観察項目をまとめると、

  • バイタルサイン:体温、脈拍、呼吸数、血圧
  • 子宮復古:子宮底長、子宮の硬さ、子宮の圧痛
  • 悪露:量、色、臭い
  • 出血:出血量、出血の色、出血の臭い
  • 排泄:排尿量、排便の回数、排便の状態
  • 栄養:食欲、摂取量、排便の状態
  • 授乳:母乳の出具合、授乳姿勢
  • 精神状態:不安、疲労感、不眠
となります。

これらの項目を、1日3回程度、観察します。

では、それぞれの観察項目について詳しく見ていきましょう。

産褥1日目の観察項目①バイタルサイン

バイタルサインは、産褥期の合併症の早期発見に役立ちます。

体温が38℃以上になった場合は、産褥熱を疑いましょう。

また、

  • 脈拍が100回/分以上
  • 呼吸数が20回/分以上
  • 血圧が140/90mmHg以上
になった場合は、産褥ショックを疑ってください。

産褥1日目の観察項目②子宮復古

子宮復古は、産褥期の最も重要な経過です。

子宮底長が、

  • 産後24時間で10cm以下
  • 産後48時間で5cm以下
  • 産後72時間で3cm以下
になるように経過観察します。

子宮の硬さは、産後24時間で軟らかくなってくるはずです。

また、子宮に圧痛(あっつう)がある場合は、子宮内感染を疑います。

圧痛とは?

圧痛とは、強く押した時に痛みを感じることです。

なので、痛みのある部分を抑えて力を加えた時にさらに痛みを強く感じる場合は、圧痛があると言えます。

産褥1日目の観察項目③悪露(おろ)

悪露は、産後の子宮内から排出される分泌物のことです。

  • 産後24時間は血性悪露
  • 産後3~4日目は血性粘液性悪露
  • 産後5~7日目は粘液性悪露
  • 産後8~10日目は褐色悪露
  • 産後11~14日目は黄色悪露
  • 産後15日目以降は白色悪露
になります。

また、悪露の量は、

  • 産後1週間で約800~1000ml
  • 産後2週間で約300~400ml
が基準となります。

加えて、悪露に臭いがある場合は、子宮内感染を疑ってください。

産褥1日目の観察項目④出血

出血は、

  • 産後24時間で500ml以下
  • 産後48時間で200ml以下
  • 産後72時間で100ml以下
になるように観察します。

基準値より出血量が多い場合は、産褥出血を疑います。

産褥1日目の観察項目⑤排泄

排尿量は、

  • 産後24時間で300~500ml
  • 産後48時間で500~1000ml
  • 産後72時間で1000~1500ml
になるように観察します。

正常範囲より排尿量が少ない場合は、尿閉(にょうへい)を疑います。

産褥1日目の観察項目⑥栄養

産褥期は、母乳を出すためにも、十分な栄養を摂ることが大切です。

食欲が落ちている場合は、栄養補給の必要性を考えてください。

産褥1日目の観察項目⑦授乳

授乳は、母乳育児を成功させるためにも、重要なポイントになってきます。

なので、母乳の出具合や授乳姿勢に問題がないか、観察しケアしてあげましょう。

産褥1日目の観察項目⑧精神状態

産後には、『ホルモンバランスの変化』や『育児への不安』などから、精神的な不安定さを感じる人が多くいます。

そのため、不安や疲労感などがある場合は、適切なサポートが必要となります。

なので、その人やその時に合わせた方法を判断してサポートしてあげましょう。


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産褥2日目の観察項目は?レビューブックに基づいた情報!

産褥2日目になると、産褥1日目よりも体調は安定してきます。

しかし、それでもまだ注意が必要な項目があります。

産褥2日目の観察項目をまとめると

  • バイタルサイン:体温、脈拍、呼吸数、血圧
  • 子宮復古:子宮の収縮状態、大きさ、位置、圧痛の有無
  • 悪露:量、性状、悪臭の有無
  • 乳房:乳汁の分泌量、乳頭の状態、乳房の腫れや痛みの有無
  • 尿路:排尿の回数、量、尿の色や臭い
  • 排便:排便の回数、量、便の性状
  • 精神状態:意識状態、気分、不安や不眠の有無
となります。

では、産褥2日目の観察項目についても詳しく見ていきましょう。

産褥2日目の観察項目①子宮復古

子宮復古は、産褥期の最も重要な観察項目です。

子宮が正常に戻っていないと、『産褥熱』や『産褥感染症』などの合併症を引き起こす可能性があります。

産褥2日目には、子宮が子宮底部で約30cmの高さにあるのが正常です。

また、子宮の硬さは軟らかくなり、圧痛もありません。

産褥2日目の観察項目②悪露

悪露は、分娩時に出血した血液や子宮内膜の残骸が排出されるものです。

産褥2日目には、悪露の量は減り、色は赤褐色から赤色になります。

また、悪臭はありません。

産褥2日目の観察項目③乳房

産褥2日目になると、乳汁(にゅうじゅう)の分泌が始まります。

この乳汁がでる量は、人によって差があります。

また、乳頭が赤く腫れたり、痛みを感じたりする人もいます。

産褥2日目の観察項目④尿路

産褥2日目には、排尿の回数は1日5~7回程度になります。

また、尿の量は、1日1.5~2Lくらいです。

産褥2日目の観察項目⑤排便

産褥2日目には、排便の回数は1日1~2回程度になります。

便の状態は、少し柔らかい状態から固形便になります。

産褥2日目の観察項目⑥精神状態

産褥2日目になると、お母さんは疲労感や不安感を感じやすくなります。

また、赤ちゃんのお世話に慣れてくると、自信や達成感を感じるようになります。

産褥2日目の観察項目の注意点

と、このように産褥2日目の観察項目は、産褥1日目とほぼ同じです。

しかし、

  • 子宮復古
  • 悪露の量や性状
  • 乳汁の分泌量
  • 乳頭の状態
など、気を付けて観察していないといけない点がいくつかあります。

産褥期の観察は、お母さんと赤ちゃんの健康を守るためにとても重要なことです。

正しい知識を身につけて、安全な産褥期を過ごしましょう!

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産褥1日目のアセスメントの例のまとめ

産褥1日目のアセスメントでは、

  • バイタルサイン
  • 子宮復古
  • 悪露
  • 会陰
などの項目を観察します。

これらの項目を観察することで、お母さんの産褥経過を把握します。

そして、情報や状況を理解することで、異常の早期発見と早期治療につなげることができます。

重要なテーマなので、国試では産褥の経過に関する問題が出題されます。

そのため、産褥1日目のアセスメントの例を参考にして、産褥の経過を学んでおきましょう!