小さい頃から当たり前のように箸の持ち方を教わったり、直されたりしましたよね。
そもそも誰がその持ち方を考えたのか、正しいマナーとして決めたのかについて調査してみました。
箸で食べる文化の国って、考えると少ないですよね。
日本は当然ですが、あとは韓国と中国、ベトナムくらいでしょうか・・・
ベトナムは「フォー」といううどんみたいな麺がありますもんね。
これを食べる時は箸ですが、それ以外の食べ物の時はスプーンなどが多いようです。
ベトナム人が日本に働きにやってくるのは、こういった似通った食文化になじみがあるからかもしれませんね。
となると東アジアのどこかが発祥の地と言えましょう。
日本の文化はだいたい中国から渡ってきているので、たぶん箸の持ち方も中国なんじゃないかと予想してみます。
自分で書いておいてなんですが、正解は中国です(笑)。
約3600年前の黄河発祥ということでした。
当時、箸は食べるためのものではなく、祭事などの時に神様に供えるものをつかむために考えられたトングのようなものでした。
じゃあ人間はどうやって食べていたかと言えば、道具がないので手づかみなわけです。
箸文化を日本に持ってきたのは、遣唐使で有名な小野妹子なわけですが。
みんな歴史の教科書で名前は知ってますけど、何した人っていうと中国に派遣された人って知識ですよね。
中国に渡って色々な文化を持ち帰ってきてくれたからこそ、今の日本文化があるのだなと思うと感慨深いです。
日本に箸が広まったのは飛鳥時代ということになりますが、当時はみな自己流の持ち方で食べていました。
箸の持ち方の悪い例は?マナー違反とされる持ち方を紹介
箸の持ち方を特に教わらないまま、訂正されないまま大人になってしまうこともあります。
それは、親もまた正しい箸の持ち方を教わってないということもありますので、それはそれで仕方のないことですが・・・
箸の持ち方の悪い例をご紹介しますので、もし自分の持ち方が当てはまっているなと思ったら、なるべく直す努力をした方がいいですよ。
箸の持ち方の悪い例①鉛筆持ち
箸2本を鉛筆のように持つこと。
ぱっと見正しそうに見えるんですが、中指が間に入っていないので、箸を上下に動かしたりはさんだりすることができない。
箸の持ち方の悪い例②クロス持ち
箸がバッテンのようになってしまう持ち方。
箸先が安定していないので、食べ物をつかみにくいから食べている途中で落としやすい。
箸の持ち方の悪い例③握り持ち
スプーンを持つように握る。これだと刺して食べる以外できないので、かなり不便。
幼児が食べるみたいに見えるので見た目としては一番悪い。
箸の持ち方の悪い例④平行箸
見た目でいうと正しく使えているように感じるが、中指をうまく使えていないためずっと平行。
小さい物はつかめない。
一見正しそうに見える持ち方から、はっきりとおかしいと感じる持ち方までありますが。
どれも箸と箸の間に中指を入れて箸を動かすという動作ができていません。
平行箸の人はもうひと頑張りすれば正しい持ち方ができるようになりそうですので、がんばってください。
箸の持ち方は誰が決めた?なぜ持ち方を決める必要があるの?
今の正しい箸の持ち方として広まっているものは、室町時代の将軍足利義満が礼儀作法として定めたとのことです。
飛鳥時代に箸が日本に取り入れられました。
飛鳥時代から平安時代に定着し、室町時代あたりまでの長い歴史の中で生まれた、最も美しくそしてきれいに食べられる持ち方が今の箸の持ち方となります。
正しい箸の持ち方のメリット①細かい物がつかめる
箸を正しい持ち方で使えれば、とても細かい物もつかめますよね。
細かい動きができるということは、焼き魚などを食べる上でも重宝します。
小骨を取ったり皮をむいたりもできますし。
箸がバッテンみたいになっている持ち方をすると、大きなものはつかめるかもしれません。
ですが、小さいものは無理なので、食べるのをあきらめるしかありません。
それはとても残念ですし、手づかみで食べるわけにはいきませんからね。
正しい箸の持ち方のメリット②品がよくスムーズに口に運べる
きちんとした箸の持ち方ができれば、どんなものでも美しくそして素早く口に入れることができるので、直した方が得ですよ。
せっかく美味しそうなものが目の前にあるのに、口に運べないなんて悲しいですから。
茶碗を、お皿を口につけて箸で流し込んでしまえば食べられる!なんて思うかもしれないけれど。
自宅ならいいとしてもそれを仕事関係の接待などでできますか?
とても品がなくてマナーの悪い行為にしか見えないですよね。
会社の人も、このような食事をするあなたをもう二度と接待の席には呼ばない、と思うことでしょう。
それもまたとても残念なことです。
あぁ、正しい箸の持ち方を覚えておいたらこんなことにならなかったのに・・・なんて後悔をしてももう手遅れ。
そうならないために、今後の為に正しい箸の持ち方を身に付けておきましょう。
箸の持ち方が汚いとどんなデメリットがある?
正しい箸の持ち方をした時のメリットは紹介しました。
では実際に「箸の持ち方が汚い」と、どんなデメリットがあるのでしょうか。
「べつに箸の持ち方が汚くても、誰かに迷惑かけることはないし」と思われるのではないでしょうか?
実はお箸の持ち方は、最低限のマナーというのが常識です。
なので、持ち方が汚いことで、「躾(しつけ)のできない親だ」と思われる可能性が高いです。
それだけではなく、結婚していれば奥さんや旦那さんなど配偶者のイメージもダウンします。
特に結婚式やお葬式など「親族」という括りがはっきりしやすいタイミングでは、箸の持ち方が汚いことで印象が悪くなりがちです。
「そんな見た目だけで決めないでほしい!」と思いますよね。
でも初対面の時見た目や言動などからその人のことを判断しがちです。
ビジネスでの会食の際やなどは特に食べ方にも気をつけた方がいいですね。
初対面のイメージがマイナスからスタートだと挽回も大変です。
また箸の持ち方が汚い人に多いのが、指摘されると腹を立てる人。
「箸の持ち方くらい突っ込まなくていいじゃん」
「持ち方が綺麗って自慢したいの!?」
とイラッとくる人も多いです。
箸の持ち方を指摘されて腹が立つということは、「箸の持ち方が汚い」ということがコンプレックスになっているともいえます。
箸の持ち方の矯正はいつでもできるので、この機会に「正しい持ち方」を意識してみませんか?
箸の持ち方が悪いだけで人格否定するってどうなの?そんなにみっともないこと?
箸の持ち方が汚いことで印象が悪くなる可能性はあると話しましたが、お箸の持ち方が「その人の全て」をあらわしている訳ではありません。
持ち方の汚さで損することはあっても、人格否定までされるほどではありません。
- 箸の持ち方で育ちがわかる
- お里が知れる
正直、箸の持ち方を指摘するのは、かなりデリケートな話題です。
小学生前後の子供に指摘をするなら「食事のマナー」といった意味合いで教えることが大切だと思います。
しかし大人に箸の持ち方を指摘するとなると、ちょっとしたリスクのあることです。
様々な家庭環境があるのは誰でも知っていることです。
育児放棄や虐待などを切り抜けて生きてきた人、ヤングケアラーとして家族のケアに集中しないといけなかった人、などなど様々な背景があります。
もしかしたら…と考えず、
- 相手のことを考えずに軽い気持ちで指摘したり
- 育ちが悪いと決めつけたり
- 人格否定までしたり
箸の持ち方一つで人格否定するような人は、自分は良識がないですよといっているようなものです。
人の良くない部分を見つけて、それを声高にいうのは「人としてちょっと…」ですよね。
それこそ、箸の持ち方くらいでその人のことを全部知ったつもりになるのは、視野が狭すぎるというものです。
自分自身が、無意識にそういった「無神経な指摘」をしないように気を付けたいものですね。
箸の持ち方はなぜ大事?のまとめ
正しい持ち方をすれば、見た目も美しいですし、なにより食べやすいです。
間違った持ち方をしている人は、このメニューは食べにくいなって感じるものが色々あるんじゃないですか?
持ち方を直すと、細かい物もつかめるし食べにくいと感じていたものも、スムーズに食べられるようになります。
人によっては箸の持ち方で人間性まで見る人もいますから、とても大事なことですよ。