障害者手帳を取得したら会社に報告する義務があると言われていますが、実際はそんな義務はありません。
障害者手帳があると、公的に受けられるサービスが出てきます。
例えばですが、障害者手帳を見せると無料で入れるとか待ち時間がないとか?そんな感じでしょうか。
個人が得をするメリットなどはありますが、障害者手帳を会社に見せることはどちらかというとデメリットになるかもしれませんね。
ただ、うつ病などがひどくて仕事に支障がでてしまうほどだと、会社には言わないと自分がしんどいです。
周りにも仕事が遅れたり休んだりで迷惑をかけることになるので、そこまでいってしまったら報告しないといけません。
会社側のメリットというのは、企業は社員の人数に対して何人障害者を雇わないといけないという決まりがあるのです。
100人従業員がいたら、1人は雇わないとなど。
そしてそれを守らないと30万円以下の罰金を払わないといけないのです。
もし、自分の働いている会社に障害者の応募がなくて困っている時に、働いている社員がうつ病になって障害者手帳を取得したと知ったらどうすると思いますか?
その人を障害者枠の従業員として雇いたいと思いますよね。
そうなると給料はとても下がりますし、正社員ではいられなくなるので家族がいる場合は困ってしまいます。
現状なんとか仕事ができているのならば障害者手帳のことは伝えないほうが無難ですね。
休職しないといけないレベルの重いうつ病の場合は、もう隠しようがないですよね。
なので、一度障害者枠で働いて、体調が回復したらまた戻してもらうという方法もあるかもしれません。
戻してくれるかどうかは会社次第ですが・・・
障害者手帳を会社に提出することのメリットとデメリットを解説
障害者手帳を会社に提出することのメリットとデメリットを解説したいと思います。
障害者手帳を会社に提出するメリット
うつ病などになった場合、会社に報告しておけば体調が悪い時などに配慮してもらえるというのがメリットですかね。
やはり調子が悪いのを隠して仕事をするということは、場合によっては周りに迷惑をかけたりすることもあるので・・・
会社側が知らない場合、さぼっているとか手を抜いていると勘違いされる可能性があります。
強い口調などで批難などされたらさらに病気が悪化する可能性がありますし。
それに、年末調整の源泉徴収の時に障害者控除を受けることができます。
1人に対し27万円の控除が受けられるので、それは助かりますね。
それにうつ病と診断されたら会社を休業することもできますし、休業手当をもらうこともできます。
この場合は障害者手帳でなくても、医者の診断書があればいいわけですが・・・
ずっと隠しておくのも精神的によくないので、本当にしんどいなって言うときは伝えた方が心にもいいと思います。
障害者手帳を会社に提出するデメリット
次にデメリットですが、うつ病というのは怪我などとは違ってあと何か月で治るというような推測はできません。
そうなるとずっと休業するわけにもいかないですし、会社としても障害者枠で雇うという方向にシフトするかもしれません。
企業は、国から障害者を雇用しないといけないと言われているので、積極的に障害者を雇っています。
今まで正社員で働いていたのが、障害者枠で採用になると給料は激減します。
もちろんどれくらいできるかにより給料に差はあると思いますが、今までのようにはもらえません。
だから障害者手帳を取得したことを隠す人が多いのですよね。
給料が減ってしまうと生活が成り立たなくなってしまうから・・・
社員が障害者になったら企業が助成金を受け取れる?どんな条件があるの?
社員が障害者になったら、正社員から障害者枠にシフトすることがあります。
体の状態が悪くて働けないとなったらそれはしかたのないことかもしれませんが・・・
企業は従業員の人数に応じて障害者を雇用しなければいけない枠が決まっており、大企業ほど多くの障害者を雇わないといけないという決まりがあります。
そして障害者を雇用する代わりに助成金が国からでます。
どんな時に国から助成金がでるのか、簡単に説明していきますね。
国から助成金がもらえる時①雇用する時
障害者を雇用した時に企業がもらえます。
雇用したときや、法定人数以上の障害者を雇用した時などに50万円~120万円を企業がうけとることができます。
国から助成金がもらえる時②施設などの整備をしたり適切な雇用管理を行った時
障害者の人が働ける環境を整えるための費用の一部を助成してくれます。
例えば、
- 車椅子の人を雇う時に出入口を広げる
- 段差をなくす
- 多目的トイレに改装する
国から助成金がもらえる時③職業能力開発をした時
職業能力開発をしたのが障害者の場合は、その障害者に対して助成金がでます。
企業が職業能力開発訓練事業のために設備を整えたりした場合は、企業が助成金をもらうことができます。
国から助成金がもらえる時④職場定着のための措置を行った時
障害者がその企業で安定して働き続けるために、企業側が障害者職場定着支援の努力をした場合には助成金は支払われます。
例えば、
- 勤務時間や休暇など本人の希望に合わせる
- 支援員の配置・職場復帰の支援
障害者手帳取得を報告したら給料が下がるという噂の真相を解説!
障害手帳を取得し、勤務先にそのことを報告すると障害者雇用枠で働くことができます。
よく聞くのが「障害者雇用枠だと給料が下がる」という噂です。
この噂が本当だとすると、障害者雇用枠で働くことをためらってしまいますよね。
でも、実はこの噂は正しくありません。
「障害者雇用促進法」という制度があり、障害者であるという理由だけで給料を低くすることは禁止されているのです。
なので、障害者手帳を取得しても、それを理由に給料が下がることは決してありません。
ただ、実際には障害者雇用枠の給料は一般の雇用よりも低くなっていることが多いです。
その理由は、次の通りです。
障害者雇用枠の給料が低い理由①時短勤務をしている
フルタイムで勤務すると体調やメンタルが崩れてしまうという人は、合理的配慮として短時間勤務ができます。
その場合、フルタイムの人より勤務時間が短いということで、給料が低くなるのです。
障害者雇用枠の給料が低い理由②非正規雇用
障害者雇用の実態調査では、正規職員として勤務している障害者は、
- 身体障碍者で約50%
- 知的障碍者・精神障碍者・発達障碍者だと約20%
多くの障害者が非正規雇用での勤務となるので、正規職員よりも給料が低くなるわけです。
障害者雇用枠の給料が低い理由③特例で最低賃金が減額されている
国で定められている最低賃金は、一般雇用でも障害者雇用でも同額です。
しかし、障害により著しく労働能力が低い場合は、特例で最低賃金が減額されることがあるのです。
これらの理由で障害者雇用の給料が低くなるのです。
しかし、逆に言えば障害者手帳を取得したことを会社に報告しても、これらの理由に当てはまらなければ給料が低くなることはありません。
障害者手帳を取得したら会社に報告する義務がある!?のまとめ
障害者手帳を取得しても、会社には報告する義務はないので、どうしてもいいたくない場合は言わない自由もあります。
だけど、仕事に支障が出るほど調子が悪い場合は。
さぼってると思われて居心地が悪くなる可能性があるので、ずっと隠してるのも信頼関係がなくなりそうで怖いですね。
うつ病になったら一時的に休業することで体調の回復を目指すのが一番いいかなと思います。
長期の療養になりそうなときは、障害者枠で復帰して体調が戻ったら元の職場に復帰するというのもいいんじゃないでしょうか。