同じ場所を何度も噛んでしまうのは、
「ほっぺの内側がちょっと腫れていたり」
「歯並びや噛み合わせが少しズレていたり」
「ストレスや疲れがたまって無意識に力が入ってしまったり」
…と、いろんな原因が重なって起こることが多いんですね。
たまたま噛んでしまっただけと思って放っておくと、その部分が腫れてさらに噛みやすくなってしまう…というような悪循環に入ってしまうこともあります。
しかも、何度も同じ場所を傷つけることで、なかなか治らなかったり、痛みが強くなったりしてしまうこともあるんです。
だからこそ、「また噛んじゃったな」と感じたときは、できるだけ早めにその原因を探してあげることが大切です。
食べ方や口の動かし方をちょっと見直してみたり、疲れをため込まないように意識してみたり、それでも気になるときは歯科で相談してみると安心ですよ。
口の中の同じ場所ばかり噛むのはなぜ?
噛みやすい場所に共通する特徴とは
気づかないうちに、口の中の同じ場所を何度も噛んでしまった経験、ありませんか?
実はこれ、ほっぺの内側や唇などのやわらかい部分が、歯に近い位置にあることで起こりやすいんです。
特に、食事中に会話をしていたり、急いで食べていたりすると、ちょっとしたズレで噛んでしまうこともあります。
たとえば、普段あまり噛まない側の歯を使って食べたときや、寝起きで口の中が乾燥しているときなども、粘膜の動きがいつもと違って噛みやすくなることがあります。
口の中はとても繊細なので、ちょっとした変化でも影響を受けやすいんですね。
また、頬の内側の粘膜がちょっとだけ出っ張っていたり、歯のかみ合わせが少しズレていたりすると、何気ない動きでパクッと噛んでしまいやすくなってしまうんですね。
さらに、歯の表面にちょっとしたギザギザがあるだけでも、粘膜が引っかかりやすくなって、噛みやすい状態をつくってしまうこともあるんです。
こういったちょっとしたことの積み重ねが、同じ場所を繰り返し噛む原因につながっていることも多いです。
なので、「なんでまたここを噛んじゃうんだろう?」と思ったときは、日常の癖やちょっとした変化を思い出してみるとヒントになるかもしれませんよ。
一度噛むとクセになる?腫れによる悪循環
一度噛んでしまうと、そこがぷっくり腫れてしまって、今度はますます噛みやすくなってしまうという悪循環が生まれます。
しかも、その腫れた部分がちょっと出っ張るようになって、日常の会話やちょっとした口の動きだけでも歯に当たりやすくなってしまうんです。
さらに、噛んだ部分が繰り返し傷つくことで、炎症がひどくなったり、出血してしまったりすることもあります。
そうすると痛みも強くなるし、食べ物や飲み物がしみたりして、食事が億劫になってしまうこともあるでしょう。
また、寝ている間に無意識でその部分を噛んでしまうこともあって、朝起きたときに「また噛んでた…」とがっかりする方も多いです。
このように、腫れた場所が刺激を受けやすくなると、常に注意して生活する必要が出てきて、ストレスも増えてしまいますよね。
この繰り返しが続くと、なかなか治らないだけじゃなくて、痛みや違和感がずっと残ってしまうこともあるので、できるだけ早く原因に気づいて対処することが大切です。
早めに腫れを抑えるケアをしたり、食べ方を変えたりするだけでも、悪循環から抜け出すきっかけになるかもしれませんよ。
ストレスや疲れが引き金になることも
意外に思われるかもしれませんが、ストレスや疲れがたまっているときに、無意識に口の中を噛んでしまう人も多いです。
たとえば、仕事や家事で集中しているときや、緊張している場面で、ふと気がつくと唇や頬の内側を噛んでしまっていた…なんてことも。
このようなとき、体は無意識のうちに力が入っていて、歯をぎゅっとかみしめたり、口の中の筋肉が硬くなっていたりすることがあります。
その影響で、いつもと違う動きになって粘膜を噛んでしまうことがあるんですね。
また、ストレスが続くと睡眠の質が下がってしまうこともあります。
眠りが浅いと、夜中に歯ぎしりをしたり、無意識に歯をくいしばったりすることが増えてしまいます。
そうすると、ほっぺの内側が歯に当たりやすくなって、寝ている間にも噛んでしまいやすくなるんです。
これは「ブラキシズム」といって、無意識のうちに歯をくいしばるクセの一種として起きることがあるんです。
そして、このクセが続くと顎の筋肉も疲れてしまい、噛み合わせにも影響が出てくることがあるので、体全体にも負担がかかってしまうんですね。
こういったストレスや疲れからくるクセは、気づきにくいけれど、実はとてもよくある原因のひとつです。
日常の中でちょっとした違和感に気づいたら、まずはゆっくり深呼吸をして、リラックスする時間を意識して取ってみるといいですよ。
歯並びや噛み合わせのズレにも要注意
歯並びがガタガタしていたり、片側だけで噛むクセがあったりすると、特定の場所が当たりやすくなってしまいます。
そのせいで、噛みやすい場所ができてしまい、何度も同じところを傷つけてしまうんですね。
繰り返し同じ場所を噛んでしまうと、その部分が腫れて悪循環になりやすくなります。
さらに、顎の左右のバランスが崩れている場合も、片側に力が偏りやすくなって、結果として同じ場所を噛んでしまうリスクが高くなります。
普段から一方の歯ばかりで物を噛むクセがある方は、注意が必要です。
また、親知らずが斜めに生えていたり、詰め物や被せ物が合っていないと、ちょっとしたズレが原因で頻繁に噛んでしまうこともあります。
高さが合っていない被せ物や、欠けてしまった歯の尖りなども、噛みやすさに関係しています。
こういった噛み合わせのズレや歯のトラブルは、自分では気づきにくいことが多いので、気になる場合は歯科で一度診てもらうと安心ですよ。
繰り返し噛むのは病気のサインかも?
粘膜の病気「口腔扁平苔癬」に要注意
もし同じところを噛みやすいだけじゃなくて、白っぽくなっていたり、赤くただれているような症状がある場合は、「口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)」という粘膜の病気かもしれません。
これは、慢性的な炎症が続くことで起こる病気のひとつで、頬の内側や舌、歯ぐきなどの粘膜に現れやすいといわれています。
初期の段階では軽い違和感しかないこともありますが、だんだんと白っぽい線状の模様や、赤くただれたような部分が目立つようになり、ヒリヒリとした痛みを感じる方もいます。
特に、辛いものや熱い食べ物がしみるようになったときは、粘膜の状態を注意して見てみてくださいね。
また、粘膜が変色しているのを「ただの口内炎かな?」と自己判断してしまい、長い間放っておくと、悪化したり別の病気につながってしまう可能性もあるんです。
自己判断せずに、早めに歯科や口腔外科を受診してみてくださいね。
症状の早期発見と早めの治療が、スムーズな回復につながりますよ。
繰り返す噛み傷が口腔がんの前兆のことも
まれではあるけれど、長期間にわたって同じ場所が腫れたり、硬くしこりのようになったりしている場合は、口腔がんの初期症状である可能性もあるんですね。
とくに、痛みがなくても腫れが続いている、色が変わってきた、しこりが大きくなっている…といった変化がある場合には注意が必要です。
口腔がんは初期のうちに見つけることができれば、比較的治療しやすいとされていますが、進行すると周囲の組織に広がったり、治療が難しくなってしまうこともあります。
そのため「なんとなく気になる」「いつもと違う感じがする」といった違和感があれば、迷わず受診することがとても大切です。
また、過去に同じ場所を何度も噛んでいた経験がある場合、繰り返しの刺激が原因で粘膜が傷つき、がんのリスクが高くなる可能性も指摘されています。
体の小さなサインを見逃さず、違和感に早く気づいてあげることが予防にもつながりますよ。
「ちょっといつもと違うかも」と感じたときは、念のために専門の先生に相談してみてください。
痛みや見た目に違和感があるときは歯科へ
腫れがなかなか引かないとか、口内炎が治ってもすぐまた同じところにできる…そんな場合は、歯科でのチェックがおすすめです。
特に、何度も同じ場所を噛んでいるうちに粘膜が分厚くなってきた、色が他の部分と違って見える、しこりのような感触があるといった場合には、早めの対応が大切になってきます。
歯科では、見た目や触診だけでなく、必要に応じてレントゲンや組織の検査などを行って、より詳しく状態を調べてくれます。
放っておいても自然に治ることもありますが、それが実は別の病気だった…ということもあるので、不安を感じたらできるだけ早く専門家に見てもらうと安心ですよ。
見た目の変化や痛みの違和感があるときは、無理に我慢せずに相談してみましょう。
ほんのちょっとの異変でも「念のため」で行動してみると、体からのサインを見逃さずに済むかもしれませんね。
同じところを噛まないための予防と対策
腫れた場所を守る食べ方の工夫
まずは、腫れてしまった場所をなるべく保護して、傷が治るまで刺激を与えないようにするのが大事です。
食べ物はやわらかいものを選んだり、反対側でゆっくり噛んで食べたりするといいですよ。
温かいおかゆや煮込みうどん、スープなどの刺激が少ない食事は、傷口にやさしくておすすめです。
冷たいものや辛いもの、硬いスナック菓子などは、傷を刺激してしまう可能性があるので、なるべく避けるようにしましょう。
飲み物も、炭酸やアルコールはしみることがあるので、水やぬるめのお茶などを選ぶと安心です。
また、頬を思いきりふくらませて口を動かすような話し方や、早食いも控えてみてくださいね。
話すときも、口を大きく開けすぎず、ゆっくり動かすことで、患部への負担を減らすことができます。
さらに、食後には軽くうがいをして、口の中を清潔に保つことも大切です。
刺激を抑えつつ、なるべく自然に治る環境を整えてあげることで、噛みグセの悪循環を断ち切る助けになりますよ。
ストレスを溜めすぎない毎日を心がけて
ストレスや疲れがたまっていると、無意識に噛んでしまうクセが出やすくなるので、気持ちと体をリラックスさせることも大切です。
しっかり睡眠をとったり、好きな音楽や香りでリラックスする時間を作ったりするのもおすすめですよ。
たとえば、お風呂にゆっくりつかる時間を持ったり、朝の散歩で太陽の光を浴びたりするだけでも、気持ちが落ち着くことがあります。
気づかないうちに力が入ってしまっている人は、日中に何度か深呼吸をする習慣をつけてみるのもいいかもしれません。
心と体の緊張がゆるむことで、自然と噛みグセも減っていくことがありますよ。
マウスピースで歯への負担を軽減
歯ぎしりやくいしばりがある人は、歯科でマウスピースを作ってもらうと、寝ている間のクセをやわらげてくれます。
特に、寝ている間の無意識の歯ぎしりは自分では気づきにくく、毎晩のように歯や口の中に大きな負担をかけてしまうことがあります。
マウスピースを使うことで、歯と粘膜の間に緩衝材のような役割を果たし、摩擦や圧力を軽減してくれるんですね。
マウスピースは市販のものもありますが、自分の歯にぴったり合ったものを作るには歯科医院でのオーダーメイドが安心です。
型取りをして、使いやすく違和感の少ないものを作ってもらえるので、快適に続けられますよ。
また、歯並びやかみ合わせに不安がある人は、歯科で相談するとぴったりの対策を提案してくれるはずです。
マウスピースを使うことで、日常生活でのかみ合わせの偏りを減らし、同じ場所を噛んでしまうクセも少しずつ緩和できるかもしれません。
歯科でかみ合わせや口内をチェック
何度も繰り返す場合は、やっぱり歯医者さんで一度見てもらうのが安心です。
歯並びや噛み合わせのズレは、自分ではなかなか気づけないことが多く、専門家の目でチェックしてもらうことで思わぬ原因が見つかることもあります。
たとえば、古い詰め物や被せ物が少し浮いていたり、片側の歯だけが高くなっていたりすることで、粘膜との当たり方に偏りができてしまうことがあります。
そういったわずかな差が、繰り返し同じ場所を噛んでしまう原因になっているかもしれません。
口の中の状態や歯のかみ合わせ、詰め物の高さなどをチェックしてもらうことで、繰り返す原因がはっきりすることがありますよ。
自分ではわからないクセや問題点に気づけるきっかけにもなるので、「ちょっと気になるかも」と思ったら、気軽に相談してみてくださいね。
まとめ:繰り返す噛みグセは早めの対策を
そのままにせず早めのケアが大切
「たまたま噛んじゃっただけ」と思って放っておくと、同じところを繰り返し傷つけることで、治りにくくなったり、口内トラブルにつながったりすることがあります。
最初は小さな傷でも、何度も同じ場所を刺激してしまうと、炎症がひどくなったり、しこりができてしまうこともあるんですね。
特に、腫れが長引いたり、違和感が消えないときは、傷口が治らずに慢性化している可能性もあります。
そうなると、食事のたびにしみたり、話すときに痛みを感じたりして、日常生活にも影響が出てしまいます。
そうならないためにも、ちょっとでも「変だな」と感じたら、できるだけ早めにケアをしてあげることがとても大切です。
口の中は再生が早い反面、デリケートな部分でもあるので、悪化する前に対応することで治りもスムーズになりますよ。
心配なときは歯医者さんに相談してみよう
どうしても治らなかったり、繰り返しやすかったりするなら、無理せず専門家に相談してみてくださいね。
歯科の先生は口の中の状態をしっかり見てくれて、噛み合わせや粘膜の異常など、気づきにくい原因を丁寧にチェックしてくれます。
市販の薬やうがい薬では改善しないケースでも、歯科での処置によってすぐに症状がよくなることもあります。
相談するだけでも不安が和らぎますし、体の小さなサインを見逃さずにすむかもしれません。
ちょっとしたクセや体のサインに気づいてあげることが、安心につながります。
もし迷っているなら、「念のために見てもらおうかな」という気持ちで、一度相談してみてくださいね。