「箸の持ち方って、いったい何歳ごろから教えたらいいのかな?」と、ふと気になったことはありませんか?
スプーンやフォークは上手に使えるようになってきたけれど、いざ箸の練習となると「まだ早いかな?」と迷ってしまうママやパパも多いと思います。
一般的には、箸の持ち方を教え始める時期の目安は3歳~5歳ごろといわれています。
ただ、これはあくまでも目安であって、子どもの発達や興味、やってみたい気持ちによってベストなタイミングは変わってきます。
「もう〇歳だから」「まわりの子ができているから」といった理由で急いで始める必要はありません。
大切なのは、子ども自身が「やってみたい!」と感じたタイミングを見逃さないこと。
そして、「楽しく」「自信を持って」取り組めるように、少しずつステップを踏みながら進めていくことなんです。
この記事では、
「箸の練習を始める年齢の目安」
「練習前にチェックしておきたい子どもの様子」
「上手に教えるステップやコツ」
「役に立つグッズやおすすめの食材」
まで、やわらかくてわかりやすい言葉でくわしく解説していきます。
お子さんが箸を使えるようになるまでの道のりを、ぜひいっしょに楽しんでみてくださいね。
箸の練習は何歳から始めるのがいい?年齢の目安を解説
「うちの子、まだスプーンしか使ってないけど、そろそろ箸の練習って必要?」そんなふうに感じたことはありませんか?
実は、子どもに箸を持たせ始めるタイミングは、はっきりと「この年齢から始めましょう」と決められているわけではありません。
とはいえ、保育園や幼稚園でも少しずつ箸を使う場面が出てくるようになるので、親としてはいつ頃から始めればいいのか気になりますよね。
実際のところ、箸の練習を始める年齢の目安としては3歳~5歳ごろが多く、この時期に始める子がたくさんいます。
このころの子どもは、手先の細かい動きがどんどん発達してきて、物をつまんだり、はさんだりといった動作もできるようになってきます。
また、「大人と同じようにやってみたい!」という気持ちが芽生えてくるのもこの時期なんです。
なので、そうしたタイミングに合わせて箸を持たせてみると、思った以上にスムーズに取り組んでくれることもありますよ。
3歳~5歳がスタートの目安とされる理由
この年齢が目安とされているのは、ちょうど手先の細かい動きが発達してくる時期だからです。
特に3歳を過ぎると、「つまむ」「はさむ」といった指の動きが少しずつできるようになってくるので、箸を使う準備が整ってきます。
さらに、目と手の協応動作(見たものに手を正確に動かす力)も少しずつ育ってくるため、箸の操作に必要な集中力や観察力も身につき始めます。
また、3歳ごろになると周囲への関心が高まり、
- 「大人と同じようにやってみたい」
- 「自分でできたことをほめてほしい」
こうした気持ちは、箸の練習にとってもとても大きな原動力になります。
逆に、4歳・5歳になってからのスタートでも全く遅くありません。
年齢が上がるほど手先の器用さや理解力も増してくるので、短期間で正しい持ち方をマスターできる子もいます。
もちろん、すべての子が同じタイミングでできるようになるわけじゃないので、親御さんは焦らずに、「この子のペースでいいよ」という気持ちで始めてみてくださいね。
早すぎても焦らなくてOK!子どもの様子を見ながらで大丈夫
早い子では2歳台で箸に興味を持つ子もいますが、「上手に使えない=ダメ」というわけではありません。
実際、2歳くらいの年齢ではスプーンやフォークもやっと使えるようになったばかりという子も多く、箸を使いこなすにはまだ時間が必要なんですね。
箸を動かすには、指の筋肉や関節の使い方なども関係してくるので、少しハードルが高いのが正直なところです。
だからこそ、まずは
- 「興味を持ったタイミング」
- 「やってみたい気持ち」
たとえば、親やきょうだいが箸を使って食べている様子を見て、「ぼくもやりたい!」「わたしもやってみたい!」、そう言ってきたら、それは始めるサインかもしれません。
ただし、やりたい気持ちがあっても、実際にうまくできるかどうかは別の話。
最初はうまく動かせなくても当たり前なので、「なんでできないの?」と責めるのではなく、「一緒に練習していこうね」と声をかけてあげるだけでも、子どもは安心します。
まわりと比べて焦るより、「今この子はどこまでできているかな?」という視点で見守ってあげるといいですね。
子どもはそれぞれペースが違うので、少しずつできることが増えていく様子をあたたかく応援していけるといいと思いますよ。
箸を教える前に見ておきたい子どもの発達のポイント
「いざ教えよう!」と思っても、まずはその前に子どもが箸の練習を始められる状態かどうかをチェックしてみると安心です。
というのも、いきなり箸を渡しても、子ども自身が「できる」という感覚を持てないと、うまくいかないことが多いんですね。
練習の第一歩としては、今のお子さんの成長段階を知ることがとても大切なんです。
スプーン・フォークを上手に使えているか?
スプーンやフォークで自分で食べられるようになっていれば、箸の練習に進む準備ができてきていると考えられます。
ただし、ここで大切なのは「ただ使っている」だけではなく、どんなふうに使えているかということ。
とくにフォークで「刺す」より、「すくう」「つまむ」などの動作ができているかがポイントになります。
たとえば、
- スプーンでヨーグルトなどをすくって上手に口まで運べるか
- フォークで豆やブロッコリーなど細かいものをつまめるか
これらの動作は、実は箸を使うときの動きにとてもよく似ているんです。
また、スプーンやフォークを使うときに、手首の動きや手の角度などが安定しているかどうかも意外と重要です。
器から食べ物をこぼさずにすくえるようになっていれば、かなりスムーズに箸の練習に移行できる可能性が高いですよ。
こういった小さな「できた!」の積み重ねが、自信にもつながっていくので、まずは普段の食事の様子をよく観察してみてくださいね。
手指の発達や姿勢、集中力の様子を確認しよう
箸を使うには、指の動きだけじゃなくて、きちんとした姿勢や一定時間集中して食事に向き合えるかどうかもとても大切なんです。
たとえば、イスにしっかり座って、背筋を伸ばして食事ができているかという点は、箸を使う練習をするうえでの基本になります。
姿勢が安定していないと、箸を持つ手もふらついてしまって、うまく動かすことができなくなるんですね。
また、食事中にすぐに立ち上がってしまったり、他のことに気を取られて遊び出してしまうような場合は、箸の練習よりもまずは
- 「食事に集中できる環境づくり」
食事の時間は楽しく、落ち着いた雰囲気のなかで過ごせるように工夫してあげると、子どもの集中力も少しずつ育っていきます。
それから、手首の柔らかさや手指の器用さも、箸の使いやすさに関わってきます。
もし、スプーンを持つときに手首がぎこちなかったり握りしめるようにして使っているようなら、箸の前段階としてスプーンやお絵描き、粘土遊びなどで手を動かす経験を増やしてみるのもおすすめですよ。
まずは姿勢を整えることから始めてみると、箸の練習もスムーズに進みやすくなります。
箸の持ち方を覚える練習ステップとは?順番に進めるコツ
無理に「ちゃんと持たせなきゃ!」と力が入ってしまうと、子どももつらく感じてしまいます。
箸を使うというのは、子どもにとってはとても難しいことのひとつ。
細かい指の動きや集中力、道具の使い方など、いくつもの要素が関係しているからです。
だからこそ、少しずつ慣れるステップを踏んでいくのがコツなんです。
遊びや日常の中に「ちょっとずつ」練習の時間を取り入れて、子どもが「できた!」「たのしい!」と思えるような経験を積み重ねていきましょう。
ステップ1|エジソン箸やトレーニング箸で「つまむ」動作に慣れる
まずは補助つきの「エジソン箸」や「トレーニング箸」を使って、つまむ動きや開閉の感覚に慣れることからスタートしてみましょう。
これらの補助箸は、指を通すリングが付いていたり、バネで開閉をサポートしてくれる作りになっているため、箸を正しく持つための感覚を自然と体に覚えさせてくれます。
最初からごはんで練習するのではなく、たとえばスポンジや発泡スチロールの玉、お菓子などをつまむ遊びを取り入れてもOK。
遊びの中で「つまむ」「動かす」ことを覚えると、子どもにとって練習が楽しいものになります。
「食べるのが楽しい!」という気持ちにもつながるので、結果的に食事の時間そのものも充実してくるはずです。
ステップ2|1本ずつ動かす感覚を覚える練習
補助箸に慣れてきたら、次は実際の箸に近いタイプの練習用箸にチャレンジしてみましょう。
このステップでは、「2本の箸を1本ずつ動かしてつまむ」という感覚を少しずつつかんでいくことが大切です。
はじめのうちは、まだ正しい持ち方にこだわらなくても大丈夫。
まずは箸を持って動かしてみること、食べ物を少しでもつかもうとすることに意味があります。
親がそばでサポートしながら、手を添えて「こうやって動かすとつまめるよ」と声をかけてあげるだけでも、子どもは感覚をつかみやすくなりますよ。
また、練習用箸の中には滑り止め加工がされていたり、持ちやすくカーブがついているタイプもあります。
そういった道具を使って、徐々に「自分でつかめた!」という成功体験を積み重ねていくことで、子どものやる気もぐんとアップします。
この段階では、いきなりごはんやおかずで練習するよりも、豆や小さなブロック、スポンジボールなどを使って遊びながら進めてみるのがおすすめです。
楽しく・無理なく・少しずつを心がけると、次のステップにもスムーズに進んでいけますよ。
ステップ3|正しい持ち方に近づけていく工夫
最終的には普通の箸を使えるようになることが目標ですが、そこに至るまでにはいくつかのステップがあります。
一気に完璧な持ち方を目指すのではなく、子どもが「使えるようになった!」という感覚を持てるよう、楽しい工夫を取り入れることがポイントです。
遊びの中で箸を使うような場面をつくるのもおすすめですよ。
たとえば、お菓子やビーズなどの軽くて小さいものをつまむ遊びを取り入れることで、箸の使い方を自然に練習できます。
ゲーム感覚で「何個つまめるかチャレンジ」などをすると、楽しみながら反復練習ができるので、モチベーションも上がりやすいんです。
また、実際の食事のなかでも「これは箸で食べてみようか」と声をかけるだけでも、自然と練習の場が増えていきます。
このときは失敗しても怒らず、「がんばってるね」「ちょっとずつうまくなってるね」と声をかけてあげると、子どもも自信をもって挑戦できるようになりますよ。
持ち方の矯正には、グリップ付きの箸や指の位置を示すマークが入った箸なども役立ちます。
そうした道具をうまく使いながら、少しずつ正しい持ち方に近づけていくといいですね。
練習を重ねていくうちに、いつの間にかきれいに箸を使えているようになっている、という日がきっとやってきますよ。
イライラせずに教えるには?親子で楽しく続けるポイント
「なんでできないの!?」と思ってしまうこと、親ならありますよね。
でも、子どもにとって箸はとても高度な道具なんです。
大人にとっては当たり前のように使える箸も、子どもにとっては指先の力やバランス感覚、集中力などいろんな力を同時に使う複雑な道具なんですね。
だからこそ、ついイライラしてしまいそうなときでも、気持ちにゆとりを持って接してあげることがとても大切です。
できなくて当然、最初から上手にできる子のほうが少ないという前提でいると、親自身の気持ちも少し楽になりますよ。
毎日の食事の中で少しずつ成長していく様子を見守りながら、
「今日は箸を手に取れた」
「昨日より長く持てた」
など、小さな変化を見つけてあげると、親子で一緒に喜べる時間が増えていくはずです。
上手にできたときはたくさん褒めてあげよう
少しでもうまくできたら、「すごいね!」「がんばったね!」とたくさん褒めてあげてください。
たとえまだ正しく持てていなかったとしても、箸を持とうとしたその気持ちに寄り添ってあげることがとても大切です。
子どもは褒められることで「もっとやってみたい」「またやってみようかな」という気持ちがどんどん育ちます。
練習の中でうまくいかないことがあっても、「昨日よりスムーズにつまめたね」など、前向きな声かけをしてあげることで、子どもは自然と自信をつけていきます。
上達のカギは、楽しい気持ちで続けられるかどうかなんですね。
箸を使うことが「楽しい!」「嬉しい!」と思えるような環境をつくってあげることで、ぐんとやる気が伸びていくでしょう。
「できない時期」も成長のうち!焦らず見守る気持ちが大切
うまくいかない時期があっても、それは決してムダではありません。
指先の力がついてくるまでに時間がかかる子もいるし、突然コツをつかむ子もいます。
できるようになるまでの道のりは、子どもによって本当にさまざまなんですね。
ある子は数日でコツをつかむかもしれませんが、別の子は何週間、あるいは数か月かけて少しずつ上達していくこともあります。
練習を始めたばかりの頃は、うまくいかないことの方が多くて当たり前です。
でも、その「できない」を繰り返す中で、子どもは少しずつ体の使い方や動かし方を覚えていくんです。
今できなくても、「そのうちできるようになるよ」という気持ちで見守ることが、子どもの自信にもつながります。
失敗を責めたり、無理に急がせたりするのではなく、
「がんばってるね」
「できるようになるのを楽しみにしてるよ」
と声をかけてあげると、子どもは安心して取り組むことができます。
また、できない時期にこそ、親がそばで笑顔で見守ることが大きな力になります。
焦らず、気長に、そして温かく寄り添う気持ちを大切にしてみてくださいね。
箸の練習に役立つおすすめアイテムと食材
「どんな箸を使えばいいんだろう?」と迷ったときにおすすめなのが、練習用の工夫されたグッズです。
箸の練習は、使いやすい道具選びから始まるといっても過言ではありません。
はじめて箸に触れる子にとっては、使いやすく設計されたトレーニング箸があるだけで、ぐんとハードルが下がりますし、練習がスムーズに進みやすくなります。
人気のトレーニング箸や補助グッズを紹介
たとえば、指を入れるリングがついていたり、開閉しやすく設計されたトレーニング箸は、はじめての子どもにぴったりです。
リングに指を入れることで自然と正しい指の位置に導かれ、箸の動きに慣れやすくなっています。
また、バネがついていて開閉を補助してくれるタイプもあり、「つまむ感覚」を身につける練習にとても役立ちます。
最近ではキャラクター付きのかわいいデザインも多く登場していて、子どもが「使ってみたい!」と自分から手に取りやすい工夫もされています。
お気に入りのキャラクターがついていると、練習へのやる気もアップしますよ。
さらに、持ち手が滑りにくい素材でできていたり、手の大きさに合わせてサイズが選べるものなど、選択肢も豊富です。
初めての練習にぴったりなグッズを選ぶことで、子どもが安心して「できた!」を積み重ねていける環境が整います。
ぜひ、お子さんの個性や好みに合わせたグッズを選んでみてくださいね。
箸トレにおすすめの食べ物やおかずは?
豆類やカットした野菜、ウインナーなど、つまみやすくて滑りにくい食材を使うと、成功体験が増えて練習が楽しくなります。
たとえば、枝豆やコーン、ミニトマト、かぼちゃやさつまいもなどの少し弾力のある素材は、つかみやすく崩れにくいので初心者にぴったりです。
また、小さくカットされたチーズやバナナなども練習用にはおすすめで、おやつ感覚で楽しみながら箸を使うことができます。
さらに、お皿の中で転がりにくいような、やや平らな形の具材を選ぶことで、子どもが「できた!」という達成感を感じやすくなります。
お弁当用のミニおかずや冷凍食品の一口サイズのものも上手に活用すると、バリエーションが広がって飽きずに練習できますよ。
逆に、ツルツルした麺類やこんにゃく、納豆などは、滑りやすく扱いが難しいので、箸の操作に慣れてきてからチャレンジするのが安心です。
難しいものは最後のお楽しみとして、まずは「つかみやすい」「成功しやすい」ものから始めてみてくださいね。
箸の練習の始めどきや教え方に迷ったら…親子でゆっくり楽しむ気持ちが大切
箸の持ち方って何歳から教えるのがいいのか、正直迷ってしまうことってありますよね。
この記事では、箸の練習を始めるタイミングや、子どもの成長に合わせたステップごとの教え方、そして練習にぴったりなグッズや食材まで、やさしく解説してきました。
基本的には3歳~5歳ごろが箸の練習のスタートにちょうどいい時期とされていますが、実際には子ども一人ひとりのペースや「やってみたい!」という気持ちがとっても大切です。
「年齢的にはそろそろ…」と思っていても、まだスプーンやフォークの使い方に慣れていないようなら、焦らず見守ってあげることが大事なんですね。
教えるときには、いきなり「こう持って!」と指導するよりも、遊び感覚で箸に触れる機会を増やしてあげるのがポイントです。
たとえば、補助付きのトレーニング箸を使ったり、お菓子やビーズをつまむ遊びを取り入れたりすると、子ども自身が楽しく「できた!」を実感しやすくなります。
それに、練習中はうまくできないこともたくさんあるはず。
でも、できたときにはたくさん褒めて、できなかったときにはそっと寄り添ってあげることで、子どもは安心して挑戦を続けられます。
大人から見ると些細なことでも、子どもにとっては大きな一歩。
そんな小さな成長を見逃さずに、一緒に喜んであげられると素敵ですね。
子どもの手の動かしやすさや集中力に合わせて練習を進めながら、「楽しく続けられる」ことを一番に考えてあげると、きっと自然と箸の持ち方も身についていきますよ。
これから箸の練習を始めようとしているママやパパも、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。
お子さんの「できた!」の笑顔が増えていく過程を、ぜひ楽しんでみてください。