
双子を妊娠したとわかったとき、私の頭にまず浮かんだのは喜びよりも「どうやって育てていけばいいんだろう」という不安でした。
特に母子手帳のことを調べたとき、「1冊なの?2冊なの?」「どっちの子の記録を書けばいいの?」と混乱してしまったのを覚えています。
母子手帳は赤ちゃんの成長や健康を見守る大切な記録帳。
だからこそ間違えたくない、抜け落としたくないという気持ちが強くなっていきました。
でも実際に調べてみると、自治体によって対応が違ったり、助産師さんによってもアドバイスが異なったりして、正解がひとつではないことに気づいたんです。
そんな中で「1冊で双子の記録をつけていた」という先輩ママたちの体験談を読んだとき、少しだけ肩の力が抜けた気がしました。
どのママも最初は同じように戸惑いながらも、工夫しながら自分たちに合う方法を見つけていったのです。
母子手帳はきちんと書くことよりも、毎日の小さな気づきを形に残すためのもの。
完璧じゃなくても、愛情を込めて書いた一行一行が、後で見返したときに家族の歴史になるんですよね。
このページでは、「1冊で双子を記録したママ」の実際の工夫や、失敗から生まれた小さな発見をもとに、無理なく続けられる方法を紹介していきます。
同じように悩むあなたが、自分らしいやり方で記録を楽しめるようになるきっかけになれば嬉しいです。
1冊の母子手帳で双子を記録するって大変?
最初に戸惑うのは「どこに誰の記録を書くか」
双子を授かったとき、多くのママが最初につまずくのが「母子手帳をどう使えばいいの?」という点です。
1人の赤ちゃんに1冊ずつ交付されるのが基本ですが、自治体によっては交付のルールが異なり、時期や冊数も統一されていないことがあります。
「双子だから2冊もらえると思っていたのに、1冊だけだった」「1冊しかないけどどう書き分けるの?」という戸惑いの声は少なくありません。
初めての妊娠で不安な上に、2人分の成長を一度に記録するとなると、頭の中が真っ白になってしまう人も多いのではないでしょうか。
私もそのひとりでした。
助産師さんに相談したとき、「1冊でも大丈夫。色や印で区別してね」と言われて少し安心したものの、実際に書こうとするとページの狭さにため息が出ました。
それでも、書き方のルールがきっちり決まっているわけではないと知ったとき、気持ちがふっと軽くなったのを覚えています。
母子手帳は“検査結果を正確に記す医療書類”であると同時に、“ママと赤ちゃんをつなぐ記録帳”。
だからこそ、誰が読んでも分かるように丁寧に書くことが大切ですが、完璧を求めすぎてしまうと続けられなくなることもあるのです。
1冊でも大丈夫?医師や助産師に確認しておきたいこと
もし「母子手帳が1冊しかもらえなかった」「どちらの子の記録にするか迷っている」という場合は、早い段階で医師や助産師、自治体の保健センターに相談するのが安心です。
健診記録や予防接種など、医療的な情報は公的な証明にも使われるため、書き方を独自判断で変えてしまうと後から混乱するケースもあります。
例えば、出生体重や発達の記録が混ざってしまうと、後の健診で正確なデータが分かりにくくなることもあります。
だからこそ、医療者に「こういう書き分け方をしたい」と伝えたうえで、了承を得ておくことが安心につながります。
実際に、医療機関によっては「どちらの子か分かるようにページに記号をつけてください」「1冊目はAちゃん、2冊目はBちゃんで統一してください」と指導してくれる場合もあります。
また、母子手帳に記入される医療データは、保健師さんや医師が母子の健康を継続的に確認するための大切な資料です。
だからこそ、自己流での省略や修正は避け、「どうしても欄が足りない場合は別紙を添える」など、正確さを優先した工夫が大切です。
1冊で管理する場合でも、
「記録を分けて書くこと」
「医療者と共有する部分を明確にすること」
この2つを意識しておくと、後から安心して見返せる母子手帳になります。
「1冊でやってみよう」と決めたママのきっかけ
双子の母子手帳を1冊でつけようと決めたママの多くは、最初から完璧を目指したわけではありません。
「とにかく全部書こうとしても無理だった」
「2冊に分けるとどちらがどっちか分からなくなりそう」
といった理由で、自然と“1冊にまとめる”スタイルを選ぶ人が多いのです。
私もそのひとりでした。
「毎日の健診記録」
「検査データ」
「体重変化」…
2人分を分けて書いていると混乱してしまい、いつの間にか書くこと自体が負担になってしまったのです。
そんなとき、ある助産師さんが「双子は1冊でもいいのよ。
書くことが目的じゃなく、記録を通して安心できることが大切」と言ってくれて、心がすっと軽くなりました。
1冊で記録するようになってからは、2人の成長を並べて見るのが楽しみになりました。
「この週はAちゃんが先に寝返り」
「翌週はBちゃんが追いついた」
といったページの並びを見て、2人の歩みを一緒に感じられるようになったのです。
記録を続けるうちに、母子手帳が単なるノートではなく、家族の絆を感じるアルバムのような存在に変わっていきました。
迷ったときは「続けやすさ」を優先して
母子手帳の使い方に“正解”はありません。
重要なのは、自分と赤ちゃんにとって無理なく続けられる方法を見つけることです。
双子育児は想像以上に慌ただしく、記録を後回しにしてしまう日も当然あります。
でも、その空白の時間にも確かに「育てていた時間」があるのだと思うと、少し優しい気持ちになれるのではないでしょうか。
母子手帳のページにすべてを詰め込むのではなく、「書けたところだけでも残せたら十分」。
その積み重ねが、きっと後で宝物のような記録になります。
先輩ママが実践した“書き分けの工夫”
色分けとマークで「見やすさ」と「続けやすさ」を両立
1冊で双子の記録を続けていくうえで、最初に意識したいのは「見返したときに混乱しない工夫」です。
多くの先輩ママたちは、ペンの色やシール、マークなどを使って、視覚的に区別がつくようにしていました。
例えば、Aちゃんは青系、Bちゃんはピンク系のペンで記入し、シールや小さなスタンプをページの端に貼っておく。
ちょっとした違いでも、後から見返すと「どちらの記録か」が一目で分かり、健診や医師への説明時にもとても役立ちます。
忙しい日々の中でも、目に入る色で自然と区別できることで、記録の負担感も少し軽くなります。
ページを半分ずつ使って左右で分ける
もうひとつ人気なのが、ページを「左がAちゃん」「右がBちゃん」と分ける方法です。
健診や体重の記録、発達の記録など、左右で対称になるように書いていくことで、あとから成長の違いやタイミングが比較しやすくなります。
特に同じ週齢や月齢での発達を並べて見ると、
「この頃、Bちゃんの首すわりが進んでたな」
「Aちゃんは寝返りが少し早かったな」
と、2人のリズムを自然に感じられるようになります。
ページを分けておくことで、どちらか一方が病気をしたときにも記録が混ざらず、医療的な確認もしやすくなります。
項目ごとに見出しをつけて整理する
1冊に2人分の記録をまとめると、どうしても情報量が多くなり、後から探しにくくなることがあります。
そんなときに便利なのが「ページ内に小さな見出しをつける」工夫です。
例えば
「体重」
「発達」
「食事」
「睡眠」
など、項目ごとにマーカーで囲っておくだけで、後から見返したときにパッと目に留まります。
見出しを書くだけでもページが整って見えるので、書くモチベーションが上がるというママも多いです。
補助ノートやアプリを組み合わせてムリなく続ける
母子手帳1冊にすべてを詰め込もうとすると、ページがすぐに埋まってしまったり、書くスペースが足りなくなることもあります。
そのため、多くのママは「母子手帳+補助ノート」という形をとっていました。
手帳には健診や医療に関する記録を簡潔に、ノートには日々のエピソードや写真、感情などをゆるく書き残す。
最近ではスマホアプリで簡単に成長グラフをつけられるものもあり、「病院では手帳、日常ではアプリ」と使い分ける人も増えています。
こうしたツールを組み合わせることで、育児記録が負担ではなく“自分を励ます時間”に変わっていくんです。
保健師さんや家族と共有しやすい形に整える
記録を見返すのは自分だけではありません。
健診や家庭訪問では、保健師さんが母子手帳を見て成長の様子を確認することもあります。
そのときに「見やすく整理されている」「どちらの記録かすぐ分かる」ことで、相談もスムーズに進み、支援を受けやすくなります。
また、家族と一緒に見返すときにも「今日はどっちが先にできたね」と笑い合えるようなきっかけにもなります。
母子手帳は、ママだけのものではなく、家族全員で成長を共有するための小さなアルバムでもあるのです。
記録が続かない時期をどう乗り越えた?
「書けない日があっても大丈夫」と自分を許すことから
双子育児をしていると、1日があっという間に終わってしまいます。
授乳におむつ替え、寝かしつけが終わったと思ったらもう次のミルク。
そんな毎日で、母子手帳を開く余裕なんてない…と感じる時期が必ずあります。
私も最初は「ちゃんと毎日書かなきゃ」と思い込んでいました。
でもある日、ふと手帳を見返したときに、空白のページを見ても「それもあの頃の記録なんだ」と思えたんです。
頑張りすぎて心がすり減ってしまうより、書けなかった日をそのまま残す勇気も、大切な記録の一部なんですよね。
完璧よりも「思い出せる記録」を意識する
完璧を目指すと、少しの抜け漏れがストレスになります。
だから私は、「全部書く」から「あとで思い出せる程度に残す」に考え方を変えました。
例えば
「この週はよく笑ってた」
「Bちゃんが夜泣き少なめ」
そんな短い一言でも、後から読むと当時の空気がふっと蘇ります。
体重や測定値だけでなく、日々の何気ない一言や気持ちを書き添えることで、母子手帳が数字だけの記録ではなく、心のアルバムに変わっていきます。
まとめ書きで気持ちを整える“週1ルール”
「毎日は無理。でも続けたい」と思った私は、週末の10分だけを“母子手帳タイム”にしました。
1週間の写真フォルダを見返して、
「この日こんな顔してた」
「この日は2人ともぐっすり寝た」
など、メモをまとめて書く。
たったそれだけでも、ちゃんと“残せた”という安心感が得られました。
もし時間に余裕がある日があれば、その週のエピソードを少し詳しく書く。
育児は波があるからこそ、無理のないリズムを見つけることが続けるコツです。
パートナーや家族と協力して分担する
「母子手帳=ママが書くもの」と思い込んでいませんか? 実際には、パパが記録に関わることで家族の一体感がぐんと深まります。
私の家では、予防接種の日付や体重はパパが書き込み、私はコメントを添える形にしました。
2人で記録を見返す時間は、忙しい日々の中で小さな会話のきっかけにもなり、「一緒に育てているんだな」と実感できました。
双子育児はママひとりで抱え込みやすいけれど、記録を通して“共有する子育て”に変えられるのです。
心が折れそうなときは「見返す時間」をつくる
書けなかったことを責めるよりも、「ここまで残せた自分」をほめてあげてください。
母子手帳を開いて数カ月前のページを見ると、驚くほど成長している2人に気づくはずです。
首がすわった、笑うようになった、寝る時間が少し伸びた――どんな小さな変化も、積み重ねれば宝物です。
そのページの一行一行が、ママがどれだけ頑張ってきたかの証なんです。
書けない時期があっても、また少しずつ再開すればいい。
母子手帳は、完璧な記録よりも「続けようと思えた気持ち」こそが価値なんです。
1冊で記録して良かったこと・感じた変化
2人の成長を並べて見られる安心感
双子を1冊の母子手帳で記録していくうちに、私がいちばん強く感じたのは「2人の成長を同じページで見比べられる安心感」でした。
Aちゃんが少し先に首がすわり、Bちゃんが数日後に追いかける。
その流れをページの中で自然に追えることで、「ちゃんとそれぞれのペースで育っているんだ」と実感できたんです。
比べるためではなく、寄り添うための記録。
2人の名前が同じページに並ぶだけで、育児が不思議と穏やかなものに感じられました。
忙しい日々の中で、母子手帳を開いて「ここまで育ってくれたんだな」と思える瞬間は、疲れた心をふっと癒してくれる小さなご褒美のようでした。
1冊だからこそ得られた“見通しの良さ”
健診や予防接種などのスケジュールを管理するとき、2冊あると「どっちがどっちだっけ?」と確認に時間がかかります。
でも1冊で記録していると、次の予定や過去の接種履歴をひと目で把握でき、医師にもスムーズに説明できました。
特に同じ病院で同じワクチンを打つときには、1冊で持ち歩ける手軽さが本当に助かります。
双子育児では荷物が多くなりがちなので、“軽くて分かりやすい”というのは、それだけで気持ちの余裕を生み出してくれました。
医療者とのコミュニケーションがスムーズに
1冊に2人分の情報が整理されていることで、医師や保健師とのやりとりがとてもスムーズになりました。
健診のときに「どちらが何グラムで、どの週に発熱したか」といった情報をすぐに見せられるのは大きなメリットです。
「この書き方、わかりやすいですね」と言われたときには、少し誇らしい気持ちになりました。
記録が正確で分かりやすいと、診察や相談の内容も具体的になり、結果的に子どもたちの健康管理にも良い循環が生まれます。
医療の場で“伝わる記録”を残せたことで、ママとしての自信も少しずつ育っていきました。
振り返るたびに「がんばった自分」に出会える
双子育児の毎日は、想像以上に慌ただしく、自分のことを振り返る余裕なんてほとんどありません。
でも、後になって母子手帳を開くと、そこには泣きながら授乳した日も、笑顔でお風呂に入れた日も、全部残っている。
1冊に詰まったその時間が、「あの頃の私、よく頑張ってたな」と教えてくれるんです。
だからこそ、母子手帳は“未来の自分への励ましの手紙”でもあるのだと思います。
どんなにページが汚れても、字が乱れていても、その1行1行が母親としての軌跡です。
まとめ
双子の母子手帳を「1冊で管理する」という選択は、最初こそ少し不安をともなうものでした。
ただ、「ページが足りるかな」「混ざってしまったらどうしよう」と思っていたあの頃の私に、今言いたいのは「完璧を目指さなくていい」ということです。
書き方に正解があるわけではなく、「2人それぞれを大切に記録しよう」という気持ちがしっかりあれば、それだけで十分価値があります。
実際、私が1冊で記録を続けられたのは、少しずつ自分のペースを見つけたからでした。
色やマークでわかりやすく区別したり、週末にまとめ書きする時間を作ったり、記録が難しい日は無理せず“今できたこと”だけを書いたり。
そうして積み重ねたページの数は、今では「2人が生まれてからの日々の軌跡」として宝物になっています。
母子手帳が病院や自治体とのやりとりのためだけの書類ではなく、家族が振り返ることのできる小さなアルバムになったのです。
そして何より、この1冊を通じて「私たちは一緒に歩んでいる」という実感が育まれました。
もちろん、地域や医療機関によって冊数の扱いや記入のルールは異なりますので、初めに確認しておくことは安心につながります。
だけど確認さえできていれば、あとは“自分たちの育児スタイル”に合わせて自由に使って大丈夫です。
2人の小さな手と重なった未来に向かいながら、今日もその1冊を開いてみてください。
振り返るたびに「よく頑張ったね」と、自分自身がそっと微笑む瞬間がきっと訪れるはずです。

