
健診の日って、朝から時間との戦いのようですよね。
予約の時間に合わせてミルクのタイミングを調整して、持ち物を確認して、出かける準備をしているだけで汗だく。
そんな中で双子や三つ子を連れていくとなると、まるでミッションのような一日になります。
ひとりが眠くなってぐずれば、もう片方も不安になって泣き出すし、診察室では「どっちが先だったっけ?」と聞かれて一瞬固まってしまったり。
私も初めての健診では、体重計の前で何度も手帳を見返して焦ってしまったことがあります。
母子手帳を開けば二人分のページが並んでいて、どちらの欄にどの記録を書いたかも曖昧。
そんな自分を責めて落ち込んでしまった夜もありました。
でも、少しずつ工夫を重ねていくうちに「完璧じゃなくてもいい」と思えるようになったんです。
記録は正確さも大切だけれど、それ以上に「子どもたちがどんなふうに成長してきたか」を残しておくことに意味があると気づきました。
この記事では、双子や三つ子を育てながら母子手帳に健診や体重、予防接種の記録をつけるときに役立つ書き分けのコツや、私自身が助けられた工夫を紹介していきます。
忙しくて立ち止まる暇もない毎日の中で、少しでも混乱を減らして「できた!」と思える瞬間を増やせるように、今悩んでいるあなたに寄り添いながらお伝えしていきますね。
どうしてこんなに混乱する?多胎育児の「記録の壁」
1冊じゃ足りない、でも2冊でも大混乱
母子手帳って、本来は赤ちゃんひとりひとりの成長を記録するための大切なノートのはずなのに、多胎育児となると急にその存在が「やっかいな宿題帳」みたいに思えてしまうことがあるんですよね。
自治体によっては子どもの人数分の手帳を配布してくれるけれど、いざ書こうとすると、どっちの記録だったかすぐにわからなくなってしまうし、そもそも書く時間も気力もない。
私も双子の健診が同じ日だったとき、Aちゃんの体重をBちゃんの手帳にうっかり書いてしまって、あとで見返して「あれ?体重が逆になってる?」と慌てたことがあります。
その場では気づかず、母子手帳を持って予防接種を受けに行ったときに「これ、前回の記録おかしいかもしれませんね」と看護師さんにやんわり指摘されて、顔から火が出るような思いをしました。
健診・予防接種の「同時進行」が引き起こす混乱
双子や三つ子を育てていると、スケジュールの管理もひとり育児とは比べものにならない大変さになります。
同じ日に同じ内容の健診やワクチン接種を受けることがほとんどですが、時間が少しずれただけで記録の順番が前後してしまったり、片方だけ体調が悪くて延期になったりと、予定どおりに進むことのほうが少ないんです。
病院でも診察や測定がバラバラに進むことがあるので、名前を呼ばれている間にメモを取る余裕がなくなり、あとで手帳を見て「誰の分だったっけ?」と悩んでしまうことも多いです。
だからこそ、同時進行の混乱を整理するには、最初から記録方法を決めておくことがすごく大事なんですよね。
情報が混ざると「あとで困る」リアルなリスク
混乱したまま母子手帳に記録を続けていくと、実はあとから困ることがたくさん出てきます。
予防接種のスケジュールがわからなくなってしまうと、次の予約時に「どこまで受けたか」を医療機関に確認してもらう必要が出てきたり、成長記録が混ざってしまうと健診での経過観察が難しくなったりすることもあります。
医療機関側はもちろん丁寧に確認してくれますが、ママ自身が「記録があやふやで申し訳ない」と自分を責めてしまう場面もあるかもしれません。
私も一時期、手帳を見るのが怖くなってしまったことがありました。
「また間違えていたらどうしよう」
「先生に怒られたら嫌だな」
そんなふうに思ってしまって、結局何も書けなくなってしまったんです。
でも、それって本末転倒ですよね。
だからこそ、負担にならない仕組みを最初から作っておくことが、ママ自身の安心にもつながっていくんだと、今なら思えます。
「ちゃんとやらなきゃ」と思わなくていい
記録って、たしかに大事です。
でも、「きっちり」「正確に」書こうとすればするほど、書けない自分にプレッシャーがかかってしまって、どんどん手が止まってしまう。
とくに多胎育児では、何もかもが二倍三倍で押し寄せてくるので、記録まで完璧にこなそうとするのはあまりにも酷なんですよね。
私自身も、「ちゃんと書けなかった日」がたくさんあります。
でも、そういう日もあっていいと思うんです。
後から見返したときに、
「あの日は大変だったんだな」
「でもちゃんと乗り越えてきたな」
そう思える、それだけでもう立派な記録です。
誰かに見せるためじゃなくて、未来の自分と子どものために残すページ。
だからこそ、「書けない日があってもいい」「間違えても大丈夫」って思える気持ちの余裕を、まずは自分にあげてほしいなって思います。
母子手帳はどう使い分ける?リアルな使い方と工夫
1冊にまとめる派のアイデアと現実的な悩み
多胎育児でも母子手帳を1冊にまとめて管理する方法を選ぶ人は意外と多いです。
理由はシンプルで、荷物がかさばらず持ち運びがラクだから。
でも実際に記録してみると、「え、どっちの欄に書いたっけ?」とか「この体温ってどっちのだった?」といった小さな迷子がたくさん起きてしまうんです。
私も当初は1冊にふたり分の記録をつけようとしていました。
左ページはAちゃん、右ページはBちゃん、そう決めて書き始めたのですが。
診察が立て込んでくるとそれどころじゃなくなって、メモ帳に一時的に書いたものを母子手帳に転記しようとして名前を取り違えたりして、後悔の嵐でした。
でもそんな失敗を重ねる中で、「色分けってすごく使える!」と気づいたんです。
ボールペンを2色にして、Aちゃんはピンク、Bちゃんはブルーと使い分ける。
それだけでも書いた本人が一目でどちらかわかるようになるし、後から見たときも安心感が段違いです。
2冊で分けるなら「セット化」が鍵
母子手帳をそれぞれ分けて2冊で管理する方法もあります。
記録が混ざらない安心感があり、診察ごとに個別の記録ができるので、医師に見せるときもスムーズです。
でもこの方法にはひとつ大きな落とし穴があって、それは「片方を忘れがち」になること。
健診や予防接種の場面で、必要な1冊だけ持ってきたつもりが、実は反対の手帳だった、なんてことが私にもありました。
病院の受付で名前を呼ばれた瞬間、「あれ、手帳が違う…?」と気づいて冷や汗が流れたあの感覚、今でも覚えています。
だから私は、2冊を一緒に収納できる大きめの母子手帳ケースを購入しました。
中に仕切りがついていて、左右に1冊ずつ収まるデザインだったんですが、それが本当に便利で、手帳を持ち出すときのミスがぐんと減りました。
持ち運びのことまで考えておくと、気持ちにも余裕が生まれるなと実感しました。
「どっちも使いこなせない…」という声に寄り添って
どちらの方法にもメリット・デメリットがあるからこそ、「結局どっちが正解なの?」と迷ってしまう人も多いと思います。
実際、どちらを選んだとしても、うまく使いこなせない日が出てくるのは当たり前なんです。
私も何度も「やっぱりもう1冊にすればよかったかな」と悩んだし、逆に「分けておけばよかったのに」と言われてモヤモヤしたこともありました。
でもそれって、今の自分の生活スタイルや余裕、子どもたちの状況によって正解が変わるだけのことなんですよね。
大切なのは「どっちかに決めること」より、「続けられる方法を探すこと」なんだと思います。
途中でやり方を変えるのも全然ありだし、書き方に正解なんてないからこそ、自分と子どもたちにとっていちばんラクな形を見つけていくことが、何よりの記録のコツになるんじゃないでしょうか。
体重や健診の記録は「視覚的に」見やすくする
グラフ欄はすぐ埋まる!だからこそ“見やすさ”が命
母子手帳の中でもとくに大事なページのひとつが、体重や身長を記録する成長曲線ですよね。
でも、双子や三つ子育児だと、ただでさえ少ないスペースに2人3人分を書き込むことになって、もうすぐにカオスになってしまいます。
私も最初は1ページを縦に半分に区切って、左がAちゃん、右がBちゃん、というルールで書いていたんです。
でも検診のときに医師に見せたら「ちょっと見づらいですね」と言われてしまって、正直ガーンときました。
きちんと書いてるつもりでも、パッと見たときに読みやすいかどうかって、けっこう大きいポイントなんですよね。
色分け・シール・スタンプは多胎育児の味方!
その経験から、「どうすればもっとわかりやすくなるんだろう」と工夫するようになりました。
一番助かったのが“色”の力でした。
名前や体重の数字をピンクとブルーのペンで分けるだけで、一気に見やすくなったし、グラフ欄にはドットシールを使って印をつけておくと、どちらの子の記録か一目瞭然。
病院の先生や看護師さんも「これいいですね」と褒めてくれて、それだけで少し報われた気持ちになったのを覚えています。
今では成長曲線には毎回ちいさな星のシールを貼っていて、それがちょっとしたご褒美シールのような存在になっています。
健診ページは「書く欄が多すぎて」手が止まりがち
また、健診の記録ページって、体重や身長だけでなく、医師の所見欄や相談内容を書くスペースもあって、正直言ってすべて埋めるのはかなり大変です。
しかも双子分となれば、その大変さも倍以上。
私も実際、空欄が続いてしまったページを見て「手抜きしてるって思われないかな…」と不安になることが何度もありました。
でも後から冷静に考えると、全部書く必要なんてないんですよね。
とくに大事だと思ったことだけ抜き出して書いたり、感じたことを一言メモとして残すだけでも、それは十分立派な記録です。
「体重も身長も記録できた、よし今日はこれでOK」と、自分に〇をつけてあげる日があっていいんです。
見返したときに「すぐわかる」って大事
母子手帳って、将来見返したときに感動したり懐かしく思えるものでもありますが、なにより今の育児の中で「すぐに必要な情報が取り出せる」ことが大切です。
例えば「次の健診のときに、前回の体重いくつだったっけ?」と聞かれたときに、ページを開いて一目でわかるとホッとするし、気持ちに余裕ができます。
私も記録欄にマーカーで“健診日”の上に目立つような線を引いておくだけで、だいぶ楽になりました。
視覚的なわかりやすさって、自分を助けるための“見えないサポート”だなと、今ではすごく実感しています。
アプリやシートも活用!負担を減らす便利ツールたち
育児アプリって本当に使えるの?実際に使って感じたこと
双子育児が始まってすぐ、私は「もう紙の記録だけじゃ無理かも…」と思うようになりました。
どこまで誰に何をしたかがすぐにわからなくなって、1日の終わりにはどちらがどの予防接種を受けたのか、体調はどうだったのか、もう思い出せない。
そんなときに救いになったのが、育児アプリでした。
最初は「続かなかったらどうしよう」と思っていたけれど、実際に使ってみると驚くほど便利で、母子手帳にメモしきれなかった細かい情報も残せるようになったんです。
アプリには成長グラフや予防接種のスケジュール管理機能がついていて、しかも通知までしてくれる。
紙だけでは拾いきれなかった記録を、アプリで補えるというのは、私にとっては心の支えでした。
「手帳+アプリ」で自分らしい記録スタイルに
便利なのはわかっていても、完全にアプリだけに頼るのは不安もありました。
スマホが壊れたらどうしよう、データが飛んだら取り戻せないかも。
そんな心配もあって、私は紙の母子手帳とアプリの“併用”という形に落ち着きました。
健診の数値や医師の記録は手帳にしっかり残し、日々の体調やちょっとした変化はアプリにサッと記録する。
時間があるときにはアプリの内容を手帳に書き写すこともあったけれど、全部を移す必要はないと思えるようになってからは、気持ちがずいぶん楽になりました。
ふたつのツールを「完璧に使う」じゃなくて「いいとこ取りでラクに使う」と考えられるようになったのが、記録との付き合い方を変えるきっかけになりました。
無料ダウンロードできる記録シートもおすすめ
ネットを見ていると、多胎向けに作られた無料の記録シートや予防接種チェック表もたくさんあるんですよね。
私も実際に「双子用ワクチンスケジュール一覧表」をプリントして冷蔵庫に貼っていました。
ひとりずつの接種状況をマークできるようになっていて、夫とも共有しやすく、外出前にサッと確認できるのが便利でした。
特に忙しい時期には、目に見える場所に貼っておくだけでも忘れ防止になるし、紙にチェックを入れていく感覚って、なんだか「育児をちゃんとこなしてるぞ」って自信にもつながるんですよね。
便利さに振り回されないために大切なこと
ツールを使うことでラクになる反面、「ちゃんと全部記録しなきゃ」と逆に自分を追い込んでしまうこともあります。
アプリの通知に振り回されたり、書き写す作業がプレッシャーになってしまったり。
だから私は途中で思い切って通知設定をオフにして、自分のペースで見返すだけに変えました。
便利なものこそ、「使い方」を間違えるとしんどくなる。
ツールはあくまで助けてくれる道具であって、ママを評価するものじゃないから、自分にとって負担になりそうなときは無理に続けなくていいと思うんです。
今の自分に合ったツールを、必要なときに必要なだけ使えたら、それだけでじゅうぶんなんじゃないかなと、今なら素直に思えます。
まとめ:見やすさよりも、思いが伝わる記録を
双子や三つ子の母子手帳を前にすると、どうしても「ちゃんと書かなくちゃ」「間違えたらどうしよう」という気持ちが先に出てきてしまいがちです。
でも、育児の現場はいつだって想定外の連続で、完璧に記録できる日なんてそう多くはありません。
実際、私自身も母子手帳を開くたびに空白ばかりが目に入って、自分のダメさに落ち込んだ時期がありました。
でも今、あの頃のページを見返すと、ところどころに残された走り書きや小さなシールがすごく愛おしく感じるんです。
「あの日はこんなに必死だったんだな」と思い出すことで、がんばってきた自分にそっと優しくなれる瞬間がある。
記録って、未来の自分や子どもへの“手紙”のようなものなんですよね。
だからこそ、大事なのは“正しく書くこと”じゃなくて、“残してあげたいと思う気持ち”なんだと思います。
見やすさや整い具合よりも、今のこの瞬間の思いや工夫が、そのまま形に残っていくことに価値がある。
どうか、あなたの記録も「うまく書けたかどうか」じゃなくて「思いをこめて続けられたかどうか」を大切にして、自分らしいやり方で歩んでいってくださいね。

