突然の不幸で子どもが学校を休まなければならなくなったとき、「どうやって先生に伝えたらいいんだろう?」と戸惑ってしまうのはごく自然なことです。
特に初めてのことであれば、何から始めたらいいのかわからず、不安や緊張で言葉が出てこなくなることもあるでしょう。
状況が状況なだけに、気が動転してしまって冷静に考えるのが難しいこともあります。
でも、そんなときでも、落ち着いて対応するためのちょっとした知識や準備があると、少し心の余裕が持てるものです。
学校への連絡は、マナーも気になりますし、どこまで詳しく伝えるべきか悩む方も多いはず。
「突然のことで何も考えられない…」という状況でも、あらかじめ例文やポイントを知っておくだけで、気持ちの整理もしやすくなります。
この記事では、忌引きで子どもが学校を休むときに必要な連絡の方法について、電話での言い方、連絡帳に書くときのポイント、忌引届の記入例まで、やさしく丁寧にご紹介します。
どんな場面でも使えるような実用的な例文も豊富に紹介しているので、忙しい朝やバタバタしている時間帯でも、落ち着いてスムーズに連絡ができるようになりますよ。
まずはここから!忌引きで学校を休むときの基本
電話と連絡帳、どっちで伝えるべき?
急な忌引きのときは、まずは電話連絡が基本となります。
理由は、やはり担任の先生に直接お話しすることで、行き違いや伝え漏れといったミスを防げるからです。
特に忌引きのような重要な連絡は、細かい日程の確認や先生からの質問にもその場で答えられるため、電話が一番スムーズです。
また、先生からの今後の対応についてのアドバイスや確認事項がある場合にも、電話ならすぐに聞くことができます。
とはいえ、あらかじめ休むことがわかっていたり、自宅にいて落ち着いて連絡できる状況であれば、連絡帳に書いて通学班の子に渡すという方法も十分に有効です。
特に祖父母との同居などで自宅にいる場合や、学校側に急ぎの対応が求められないときは、連絡帳でも問題ありません。
ただし、連絡帳に頼る場合は、班長さんに預ける際の配慮や、先生に確実に読んでもらえるような工夫が必要です。
家庭の状況や、お子さんの年齢・学年によって、どちらが適しているかは変わってきます。
「慣れていないし不安…」という場合は、迷わず電話を選んだ方が安心ですよ。
いつまでに連絡すればいいの?
基本的には、当日の朝、できれば登校前の時間帯までに連絡をするのがマナーとされています。
たとえば朝の7時半~8時ごろを目安に電話をかけると、先生も出勤していて対応しやすい時間帯ですし、急な欠席にも落ち着いて対応してくれるはずです。
とくに朝の時間帯は先生方も忙しいことが多いので、伝える内容をあらかじめメモしてから電話するとスムーズです。
また、何日休む予定かがはっきりしない場合でも、「◯日までの予定ですが、変更があれば改めてご連絡します」と伝えておけば大丈夫。
無理なく、丁寧に、を心がけましょう。
電話で学校に忌引きを伝えるときの言い方
どのタイミングで電話すればいい?
電話をかけるタイミングはとても大切です。
特に学校側がバタバタしていない時間を狙うことで、落ち着いて話ができるだけでなく、先生も丁寧に対応してくれる可能性が高くなります。
おすすめなのは、登校前の7:30~8:00ごろ。
この時間帯は職員室も比較的落ち着いており、電話がつながりやすく、担任の先生や他の先生も対応しやすい時間帯です。
それより遅い時間になると、朝の会の準備や児童対応で先生が忙しくなってしまうことがあります。
反対に早すぎると、まだ先生が出勤していないこともあるので注意が必要です。
前日から忌引きがわかっている場合は、前日の夕方に連絡するのも一つの方法ですが、その場合も学校が終わる直前の慌ただしい時間帯は避けるようにするといいですね。
電話の伝え方の例:「○○の祖父が亡くなりまして…」
急な連絡では、言葉に詰まってしまうこともあるかもしれません。
そんなときのために、すぐに使える一例をご紹介します。
○年○組の○○の母です。
実は、○○の祖父が○日に亡くなりまして、通夜や葬儀への参列のため、本日から○日まで学校をお休みさせていただきたいと思っております。
何かございましたら、私の携帯(○○-○○○○-○○○○)までご連絡いただけるとありがたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
また、連絡先をあらかじめ伝えておくと、先生が何かあったときにも連絡しやすくなります。
担任不在時や早退のケースへの対応
電話をかけたときに担任の先生が不在であっても、心配しすぎる必要はありません。
その場合は、職員室にいる他の先生に同じ内容を伝えれば問題ありません。
学校では、担任がいないときでも連絡内容がしっかり共有されるように仕組みができているので、伝言してもきちんと届きます。
また、登校してから急に忌引きが発生した場合(たとえば登校中や登校後に訃報が入った場合)は、早退という形で学校を出る必要が出てきます。
そのときは、まず学校に電話を入れて「これから迎えに行きます」と伝えるとスムーズです。
「○○の祖父が今朝亡くなったと連絡がありましたので、これから迎えに行って早退させたいと思います」といったように、状況と意向を落ち着いて伝えてみてくださいね。
急なことでも、できるだけ冷静に、要点を押さえて伝えることができれば、先生も安心して対応してくれるはずです。
連絡帳で忌引きを伝えるときの書き方と文例
最低限伝えるべき4つの情報とは?
連絡帳で先生に忌引きの連絡をする場合は、最低限以下の4つの項目をしっかりと書いておくことが大切です。
それによって、先生が状況を正確に把握し、適切な対応がしやすくなります。
休む子どもの名前:まずは誰が休むのかを明記しましょう。
学年やクラスも書いておくとよりわかりやすくなります。
故人との関係(例:祖父、祖母など)
忌引きの理由となる方との続柄を書くことで、忌引き日数の判断材料にもなります。
たとえば「祖父」や「叔父」など、できるだけ具体的に書くと親切です。
休む期間
いつからいつまで休む予定なのかをしっかり伝えます。
葬儀の日にちや移動が必要な場合はその点も含めて、「○日~○日までを予定しています」と書いておくと、先生も対応しやすくなりますよ。
連絡先(必要に応じて)
何かあったときにすぐに連絡がとれるように、保護者の携帯番号などを書いておくと安心です。
すでに学校側に登録してある場合でも、明記しておくと確認の手間が省けます。
また、余裕があれば「お手数をおかけしますがよろしくお願いします」といった一言を添えることで、印象もより丁寧になります。
そのまま使える例文あり!
連絡帳に何を書けばいいのか迷ってしまうときは、まずはシンプルな例文を参考にしてみてください。
以下のような内容であれば、必要な情報がきちんと伝わります。
「○○(子どもの名前)の祖父が○日に亡くなったため、しばらく欠席します。
○日~△日までを予定していますが、変更があれば電話いたします。
何かあれば私(母の携帯番号)までご連絡いただけると助かります。
」
この文例では、子どもの名前や続柄、欠席期間、連絡先までが一通り含まれているので、そのまま使っても安心です。
さらに、必要に応じて
「お通夜と葬儀への参列のため」
「遠方への移動があるため」
など、状況に応じた一言を加えることで、より具体的に先生に伝えることができます。
また、葬儀の予定がまだ決まっていない場合は、「未定の部分があるため、日程に変更が生じる可能性があります。
その際は改めてご連絡いたします」と書いておくと、先生も柔軟に対応してくれるはずです。
班長さんや先生に配慮した一言の工夫
連絡帳を通学班の班長さんに預ける際には、やはり配慮の言葉をひとこと添えると印象が良くなります。
「班長さんにお手数をおかけしますが、よろしくお願いします」といった短い一言でも、相手への気遣いが伝わりますよ。
さらに、
「ご多忙のところすみませんが、どうぞよろしくお願いいたします」
「ご面倒をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします」
といった表現を使うことで、より丁寧でやさしい印象になります。
特に子どもがお世話になっている先生や同じ登校班のご家庭への感謝を忘れずに伝えることが、円滑なやりとりの鍵になります。
忌引届を書くときのポイントと例文
理由欄の正しい書き方とは?
忌引届を学校に提出するとき、特に注意したいのが「理由欄」の書き方です。
ただ「身内が亡くなったため」などとだけ書いてしまうと、具体性に欠けてしまい、学校側も判断がしづらくなってしまいます。
特に忌引き日数は、故人との関係性によって異なることが多いため、「誰が亡くなったのか(祖父・祖母・親など)」という続柄を明記することが大切です。
また、忌引きで何を目的として休むのかという点も、きちんと伝えるようにしましょう。
たとえば、「祖父が亡くなったため葬儀に参列します」や「祖母の通夜と葬儀のため欠席いたします」といった表現にすると、先生にも状況が伝わりやすくなります。
より丁寧にしたい場合は、「○月○日に祖母が永眠いたしましたため、通夜および葬儀へ参列するため欠席させていただきます」といった書き方もおすすめです。
遠方の葬儀なら移動日も忘れずに
もし葬儀が遠方で行われる場合は、移動に要する日数も欠席の理由に含める必要があります。
ただ「通夜と葬儀があるから休みます」と伝えるだけでは、移動の負担まで汲み取ってもらうのは難しいことも。
そこで、
「遠方での葬儀のため、前日より現地へ向かう必要があります」
「○○県での葬儀のため、移動日を含め○日から○日まで欠席します」
といったように、移動の必要性と具体的な期間も伝えておくと丁寧です。
場合によっては、交通機関の都合で早めに出発したり、帰りも翌日になることがありますよね。
そういった実情を含めて書いておくことで、先生側の理解も深まりやすくなります。
無理なく、正直に伝えることが、後々のトラブル回避にもつながりますよ。
出席日数が心配なときの伝え方
もしお子さんの出席日数がギリギリで、「これ以上の欠席が進級に影響するかも…」と心配な場合は、その点を明確に記載しておくと安心です。
具体的には、「出席日数が気になる状況にあるため、忌引き扱いとしての処理をお願いしたく、申請いたします」といった丁寧な一文を添えると、先生や学校側にも誤解が生まれにくくなります。
また、提出するタイミングが重要で、欠席後に慌てて出すのではなく、可能であれば休む前や当日中に連絡帳や電話でその旨を伝えておくとスムーズです。
お子さんの将来にも関わることだからこそ、事前の準備やひとこと添える気配りが大切になります。
忌引き扱いの日数と土日を挟んだ場合の注意点
忌引き扱いはいつからいつまで?
忌引きの扱いがいつから始まるのかは、基本的に亡くなった日またはその翌日からという学校が多く見られます。
たとえば、朝に訃報が入り登校前に連絡を入れた場合はその日から、日中に連絡があった場合は翌日からカウントされるケースもあります。
とはいえ、これは学校ごとに対応が異なることもあり、明確なルールがあるわけではありません。
「どこまでが忌引きとして認められるのか?」
「お通夜だけなら欠席扱いになる?」
といった疑問も出てきやすいので、心配なときは事前に先生に確認しておくと安心です。
また、忌引き扱いにした日数によっては、出席停止との兼ね合いで授業のフォローの有無や出席扱いの条件も異なる場合があります。
特に長期にわたって休む必要があるときは、先生や教頭先生と個別に相談してみてくださいね。
土日を挟んだらどうカウントされる?
忌引き日数に土日や祝日が含まれるかどうかも、学校によって少し対応が異なるポイントです。
たとえば金曜日に祖父が亡くなり、土日にお通夜と葬儀があって月曜日から登校する場合、土日が忌引き日数に含まれていることもあれば平日だけをカウントするケースもあります。
つまり、
「実質1日しか休んでいないのに3日消化扱い」
「土日はそもそも登校日ではないからカウントされない」
など、対応にばらつきがあるため、事前に確認することがとても大切です。
場合によっては、「月曜まで忌引きとして扱うことも可能ですよ」と柔軟に対応してくれる学校もあるので、まずは担任の先生に相談してみるとよいでしょう。
先生と相談して柔軟に対応しよう
たとえ当日の朝に元気に登校していたとしても、その後に突然訃報が入って家族から連絡が来た…というケースも少なくありません。
そういった場合、その日の登校記録をどう処理するかは先生と相談して決めることになります。
たとえば、午前中に学校にいたけれど午後から忌引きのため帰宅するという場合。
「早退」として処理するのか、「当日から忌引き扱い」に変更してもらえるのかは、学校によって対応が分かれるところです。
また、連続した日数としてカウントしたい場合には、その初日の扱いがとても大事になることも。
先生に事情を丁寧に説明し、「本日から忌引きとして記録していただけると助かります」といったお願いをするのもひとつの方法です。
このように、家族の事情やお葬式の日程、遠方の移動などによって柔軟に対応してもらえるケースがほとんどなので、不安なことがあれば遠慮なく先生に相談してみてくださいね。
忌引き後の登校時に伝えるべきこと
お礼だけでOK?連絡帳での例文集
忌引き後に子どもが登校を再開するとき、先生が気にかけてくださっていた場合には、一言でもお礼の言葉を添えることで、とても丁寧な印象になります。
無事に葬儀を終えることができました
また、先生が返事を書いてくださった場合には、「お返事ありがとうございました。お気持ちとてもありがたかったです」と返すと、相手への敬意と感謝が伝わります。
もちろん、忙しい先生への配慮として「お忙しいところ、お気遣いいただきありがとうございました」と書くのも良いでしょう。
子どもの様子が心配なときの書き方
子どもが初めて身近な人の死を経験した場合、その精神的な影響は思った以上に大きいことがあります。
そんなときは、先生にもその様子を共有しておくと安心です。
たとえば、
ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、何かお気づきの点があればご連絡いただけますと幸いです
また、家では元気に過ごしているけれど、学校では違う様子が見られるかもしれないという不安がある場合には、
気になる様子があればお知らせいただけるとありがたいです
勉強の遅れやメンタル面への気配りを伝える
忌引きで数日間学校を休むと、どうしても学習の遅れが気になりますよね。
特にテストが近い時期や、重要な授業内容が続いているときは、保護者としても不安になるものです。
そんなときには、
もし可能であれば、授業中の様子を少し気にかけていただけると助かります
さらに、
「自宅でもフォローしていきたいと思いますので、もしプリントや宿題など受け取れるものがあれば、お知らせいただけますと幸いです」
など、協力的な姿勢を見せると、先生もフォローしやすくなります。
また、「子どもが授業についていけないことで焦りや不安を感じているようです」と伝えることで、メンタル面の配慮もお願いできます。
無理なく復帰できるよう、家庭と学校とで協力し合うことが大切ですね。
休むかどうか迷ったときの判断ポイント
勉強や受験、部活への影響をどう考える?
受験や大切な大会、発表会などが控えている時期に忌引きが重なると、「全部休んでしまって大丈夫かな?」と心配になることもありますよね。
でも、必ずしもすべての期間を休まなくてはいけないわけではありません。
お通夜や葬儀のある日だけを欠席し、それ以外の日は通常通り登校するという判断もまったく問題ありません。
たとえば、試験が近い高校生や、部活動で大会目前の中学生などは、「葬儀だけ出てあとは参加したい」と自ら希望することもあります。
そんなときは、学校や顧問の先生にあらかじめ相談しておけば、時間単位の欠席や早退・遅刻として柔軟に対応してくれる場合もあります。
また、学校によっては忌引きでも試験を別日に受けさせてくれることもあるので、無理のないスケジュールで、必要な部分だけ休むという考え方で大丈夫ですよ。
本人が学業や活動に前向きな気持ちを持っている場合には、その意志を尊重して調整してあげるのが親としてのやさしい対応かもしれません。
祖父母との関係性や本人の気持ちを優先して
一方で、子どもが祖父母ととても深い関わりを持っていた場合は、しっかりとお別れの時間を過ごすことが心のケアにつながります。
一緒に住んでいた、よく遊びに行っていた、何でも相談できる存在だった…
そんな関係性なら、数日間しっかりと故人と向き合う時間を取ることが、のちのちの心の落ち着きにつながることもあります。
逆に、あまり接点がなかったり、遠方でたまに会うくらいだったという場合には、
「学校に行っていた方が気が紛れる」
「みんなと一緒にいる方が落ち着く」
と感じる子もいます。
無理に休ませるのではなく、子ども本人がどうしたいか、何を大事にしたいと思っているかをしっかり聞いてみることが大切です。
親としては「しっかりお別れをさせてあげた方がいいかな」と思うかもしれませんが、それがかえって負担になってしまうことも。
本人の気持ちに寄り添いながら、一緒に判断してあげると、お子さんも安心して自分の選択に納得できるのではないでしょうか。
まとめ|忌引き連絡は丁寧かつ無理のない方法で
焦らず、伝えるべきことを落ち着いて伝えよう
突然のことで気持ちが動揺してしまうのは無理もありません。
でも、そんなときこそ、深呼吸をして一度気持ちを落ち着けることが大切です。
伝える内容をあらかじめ紙にメモしておけば、電話口でもスムーズに話すことができますし、緊張して言葉が詰まることも少なくなります。
特に、いつからいつまで休むのか、誰が亡くなったのかといった必要な情報をメモしておくと安心です。
ママの負担を減らすには「例文活用」が便利
「こんなとき、なんて言えばいいの?」と悩んでしまう方には、記事内の例文をそのまま使ってみるのがおすすめです。
慌ただしい中で一から文章を考えるのは大変ですが、例文があるだけで気持ちの整理もつきやすくなりますよ。
もちろん、少しアレンジして自分の言葉で伝えてもOKです。
気持ちを込めて丁寧に伝えれば、先生もその思いをしっかり受け取ってくれるはず。
ママが落ち着いて対応できれば、子どもも安心して休むことができます。
この記事を、そんなときの心強いサポートとして、ぜひ活用してみてくださいね。