お盆になると、なすときゅうりをお供えしているのを見かけますよね。
私自身も子供の頃、これってなんだろう?と思ったことがあります。
きゅうりで馬を作り、なすで牛を作るのが一般的です。
なぜ馬や牛を作るのかと言うと、ご先祖様や故人が行き来する乗り物に見立てているからです。
ちなみに、馬は精霊馬、牛は精霊牛と呼ばれていますよ。
最近では、しっぽをつけている方も見かけますよね。
馬や牛の見た目に近づけて作る、クオリティの高いものも見かけました。
この記事では、そんな精霊馬や精霊牛について、解説していきます。
お盆になすやきゅうりで作った馬や牛を飾るのはなぜ?
お盆になすやきゅうりで作った馬や牛を飾るのは、なぜなのか。
詳しく解説をしていきますね。
冒頭でもお話をしましたが、精霊馬・精霊牛という名前で親しまれています。
お盆になると、必ず作っているご家庭もありますよね。
私自身も、祖父母に家で何度か見かけたことがあります。
見た目も、誰でも作れそうな感じではありますよね。
でも、この精霊馬と精霊牛って、どんな意味が込められているのでしょうか。
精霊馬と精霊牛に込められた意味とは?
どちらも、ご先祖様や故人が家に戻ってくる時に使う乗り物になります。
ただ、なぜ2つあるの?と思いますよね。
これにもちゃんと意味がありますよ。
まず、魂が戻ってくる時にはきゅうりの精霊馬に乗ってきます。
なぜ馬かというと、一刻でも早く家に戻ってきてほしいからです。
そして天国に向かう時には、なすの精霊牛に乗って帰っていきます。
これもなぜ牛かというと、ゆっくり景色を楽しみながら帰ってほしいという意味が込められています。
早く戻ってきてほしいけど、帰りはゆっくり帰ってほしいという、日本人ならではの心遣いですね。
残された家族の気持ちも汲み取れますし、素敵な伝統だなと思います。
精霊馬や精霊牛の置く意味は地域によって違うの?
精霊馬や精霊牛を置く意味は、地域によって違うのでしょうか?
先ほど、来るときは早く、帰るときはゆっくり…とお伝えしましたよね。
でもこれは、全ての地域で統一されているわけではないようです。
調べてみたところ、来るときに精霊牛・帰る時に精霊馬というところもありました。
これには、ご先祖様や故人をゆっくりと迎えたいという意味が。
帰るときは迷わず帰ってほしいという気持ちも込められていますよ。
そして、また別の地域では、行きも帰りも精霊馬に乗るというところも。
この場合、精霊牛はお供え物などの荷物を乗せるという意味になるのだそうです。
日本の伝統って、見た目は同じでも細かな意味合いは違ったりしますよね。
なんとなく歴史や風情を感じます。
そもそもなんできゅうりやなすなの?
そもそも精霊馬や精霊牛は、なぜきゅうりやなすなのでしょうか?
これは私自身も気になりました。
なんとなく、野菜ならなんでもいいのかな?と思いますよね。
きゅうりやなすを使っていた理由としては、夏野菜だからというのもあります。
おそらく昔から、お盆の時期に簡単に手に入る野菜だったということですね。
常温で置いていても、傷みにくいという理由もありそうですね。
地域や宗派によっては、きゅうりやなすではない野菜を使っているところもあるかと思います。
それぞれに歴史があって、ちゃんと意味が込められているものですよ。
精霊馬や精霊牛を作るときにしっぽは必要?
精霊馬や精霊牛を作る時に、しっぽは必要なのでしょうか?
これに関しては、必ず必要というわけではないようです。
昔ながらの伝統的なものだと、しっぽはついていません。
私自身もしっぽがついているものは、実際に見たことはないです。
でも最近だと、本物の馬や牛に見えるように、凝って作っている人も多いです。
1つのアートのような感覚ですよね。
ちなみにしっぽをつけている人は、何の材料を使っているのか気になりますよね。
例えば、とうもろこしのひげやすすきの先などを使っている方が多かったです。
見た目がふわふわしている方が、しっぽに見立てられて可愛いですよね。
精霊馬や精霊牛の作り方
精霊馬や精霊牛の作り方をご紹介します。
実は2つとも、とても簡単に作れますよ。
子供と一緒にわいわい楽しみながら作るのもおすすめです。
精霊馬や精霊牛の作り方①野菜選びのポイント
まずは材料を集めましょう。
きゅうりは、少し曲がっていて細いものがおすすめです。
細い方が早く走れそうですよね。
また、曲がっている方が臨場感もあって、動物らしくなります。
なすも同じく、少し曲がっているものがおすすめです。
なすは牛なので、大きくてどっしりとしたものがいいですね。
精霊馬や精霊牛の作り方②野菜以外に必要なものは?
野菜以外は、割りばしや爪楊枝があればOKですよ。
割り箸なら2本、爪楊枝なら8本必要です。
基本的には、野菜に割り箸か爪楊枝をさすだけで完成しますよ。
精霊馬や精霊牛の作り方③割り箸や爪楊枝をさす場所
きゅうりはヘタの部分を頭に見立てて、体の部分にさしていきます。
なすも同様、ヘタの部分が頭になるように、バランスを見てさして下さいね。
さす位置や、足の長さを調整することで、馬や牛らしいフォルムが完成します。
精霊馬や精霊牛の作り方④完成したらどこに飾る?
完成した精霊馬や精霊牛は、精霊棚に置くことが多いです。
でも中には、玄関や門に置くこともありますよ。
このあたりも地域によって異なるので、是非確認をしてみて下さいね。
お盆になすときゅうりを飾るのはなぜ?のまとめ
お盆になるとよく見かける、きゅうりやなすの飾りは、いろいろな意味が込められているのですね。
それぞれの地域によっても違いますし、歴史や伝統を感じます。
作り方も簡単ですし、子供と一緒に作るのも楽しめそうです。
ご先祖様や故人のことを想いながら、作ってみるのもいいですよね。
最近では、より馬や牛に近づけて作っているものや、しっぽがついているものも多いです。
それぞれのご家庭で楽しみながら作ってみて下さいね。