
母子手帳を手にした瞬間、胸がぎゅっと熱くなったのを今でも覚えています。
双子が生まれるとわかったあの日から、期待と不安が交錯していて
「どうやって記録を残そう」
「二人分の成長を、きちんと書き残せるのかな」
という疑問がずっと頭を離れませんでした。
母子手帳のページをめくるたびに「名前を書いて、身長体重を書いて、予防接種を記録して」といった一連の流れが、双子になると一段と複雑に感じられてしまったのです。
必要なことは同じでも、一度に二人分を管理しなければならない現実に、どうしても焦りや心配が湧いてきました。
そんなとき出会ったのが「ふたご手帖」でした。
名前を聞いたときには「ただのかわいい表紙かな?」と思っていたのですが、実際に使い始めるとその価値がすっと染み込んできたのです。
左右に並ぶ記録欄、二人分を視線の中に収められる配置、そして「家族連携」「ママの気持ちを整える」ための余白スペース。
記録を残すだけのツールだと考えていた私の中に、「これは、私自身が安心して育児に向き合うための味方だ」という思いが芽生えました。
記録をつける時間は、ただ数字を記すだけではなく「今日もよく頑張ったね」と自分をねぎらう、小さな儀式になる。
ふたご手帖はページを開くたびに私自身にそう語りかけてくれる存在になりました。
双子・三つ子と向きあうママだからこそ、その“特別な1冊”が持つ意味は、ただの書籍以上に大きかったのです。
「ふたご手帖」ってなに?多胎家庭のために生まれた特別な手帳
一般的な母子手帳との違い
母子手帳は基本的に「1人の赤ちゃん」の成長と健康を記録するために作られています。
妊娠から出産、健診、成長、予防接種までを1冊でカバーする仕組みです。
しかし双子や三つ子の場合には状況が少し異なってきます。
例えば出産時には
「同じ検診日に2人分の体重を記録したい」
「予防接種のタイミングが少しずつ違うけれど同じ欄に書ききれない」
といった声が多く聞かれます。
実際に私自身、双子の妊娠がわかった時点で「この1冊で本当に対応できるのかな」と、母子手帳に抱く違和感を感じました。
ふたご手帖は、そうした“当たり前の枠では足りない”という多胎ならではのニーズに応える形で、2人以上の子どもを同時に育てる家庭に特化して設計された手帳です。
左右に並んで記入できる欄、2人分の成長記録を見比べられるレイアウト、そしてそれぞれの子どもの個別ページがあることで、どちらか一方だけがかすんでしまうということが無くなります。
これによって、親としての負担を少しでも軽くし、育児そのものにもっと“余白”を持てるように作られているのです。
専門家と多胎ママたちの声から生まれた
ふたご手帖がただの“かわいい記録帳”に留まらない理由には、制作に携わった専門家や経験者たちの想いがあります。
産婦人科医、助産師、育児支援団体、そして双子・三つ子育児を経験したママたちが、それぞれの“困った”“こうあったら助かる”を持ち寄って設計されたのがこの手帳です。
例えば「2人同時に体重が変化したときに一目で比較できたらいい」「母子手帳の記録欄がいっぱいで書けなくなった時の“追記”方法があれば助かる」という声を反映し、余白や備考欄も充実しています。
また、多胎妊娠においては早産や入院・NICUの可能性が高まることもあり、その際の対応を記録できるページも備えられているのです。
専門家の監修と実際の声が重なって生まれたこの手帳だからこそ、信頼できる“多胎育児の伴走者”としてママたちに選ばれています。
どんな人が使っている?使用者のリアルな声
「一人目のときは母子手帳だけでなんとかやれたけど、双子ではもう無理だった」という声をよく聞きます。
実際、ふたご手帖を使い始めたママたちからは
「同じページに2人の名前を書けることで、違和感がなくなった」
「検診のたびに“どちらの手帳?”と迷わなくなった」
という感想が多く寄せられています。
私自身も、初めてこの手帳に双子の名前を並べて書いた瞬間、胸の中に「記録もちゃんと自分で受け止められる」という安心感が生まれました。
さらに、育児支援の場で「このページを見せると支援者もすぐ状況が分かる」と言ってもらえたとき、「選んでよかった」と心から思えました。
もちろん、この手帳を持っているから何でも完璧にいくわけではありません。
でも「自分を責めずに続けられる」ための仕組みがあることで、育児の毎日が少しだけ軽くなったのは確かです。
母子手帳だけでは足りない?多胎育児で感じた“記録の限界”
2人分を記録するって、こんなに大変だったんだと気づいた日
双子を育ててみて初めて実感したのは、「母子手帳が2冊ある」というだけで情報管理が想像以上に煩雑になるという現実でした。
たとえば健診の当日、2人分の体重や身長を記録しようとしても、診察室でバタバタする中でいちいちページを行き来するのが本当に大変で、名前を書き間違えそうになることも一度や二度ではありませんでした。
予防接種のスケジュール管理も、「どっちが何をいつ打ったか」が曖昧になりがちで、帰宅後に記録ミスに気づいて真っ青になったこともあります。
正直なところ、1人目のときには気にも留めなかった記録の作業が、双子育児になった途端に「不安を生む要因」になってしまったんです。
それに、2冊の母子手帳を同じように丁寧につけていきたい気持ちはあっても、現実には余裕がなく、ある時は片方だけしか書けなかったりして。
あとから「なんであのとき記録しなかったんだろう」と自分を責めてしまうこともありました。
記録をつけること自体がプレッシャーになるなんて、本末転倒ですよね。
「ふたりのための記録」が「どちらのための記録?」になってしまう
母子手帳が2冊あるから安心、というわけではありませんでした。
記録する側の気持ちとしては「どちらも等しく大切にしたい」という想いがあるのに、現実には
「どっちに書いたっけ?」
「今日はどちらの手帳を持ってきたんだっけ?」
と混乱するばかりで、結果としてひとりの子だけに記録が偏ってしまうという状況が起きがちなんです。
もちろん故意じゃないんです、でも、その“偏り”に気づいた瞬間、胸がちくりと痛むんですよね。
私の場合、ある日ふと長女の記録ばかりが進んでいて、次女のページが何週間も白紙のままだったことに気づいてしまって、その夜ひとりで泣いてしまったことがあります。
比べるつもりなんてなかったのに、記録が形として残ってしまうからこそ、余計に「私、ちゃんとできていないのかも」という無力感に包まれてしまったんです。
書けないことを「ダメ」だと思わなくていい記録スタイルを求めて
だからこそ、「母子手帳だけでは足りない」と気づいた瞬間から、私は“自分を責めずに続けられる記録方法”を探し始めました。
ふたご手帖を知ったのは、まさにそんな心が弱っていたときでした。
2人分を1冊で並べて書けるというだけでなく、「比べる」のではなく「並べる」ことで、どちらかが足りないとか、書きすぎたとかいう気持ちがふっと軽くなったんです。
完璧じゃなくてもいい、日々の出来事をありのまま残せばいい、そう思わせてくれる手帳に出会えたことは、私にとってひとつの転機になりました。
「ふたご手帖」でできること|双子・三つ子ママをやさしく支える工夫たち
2人分を同時に記録できる安心のレイアウト
ふたご手帖を初めて開いたとき、私は少し驚きました。
「あ、これなら書けるかも」と思えたんです。
左右対称のページ構成に、それぞれの子どもの記録欄が並んでいるだけで、こんなにも気持ちがラクになるなんて。
母子手帳ではどうしても1冊ごとの管理になってしまって、「どっちにどこまで書いたか」が頭の中でゴチャゴチャになりがちでした。
でも、ふたご手帖なら最初から“2人分同時に書く”という前提で設計されているから、見開きで一目で比較できて、記録が自然とスムーズに進んでいくんです。
さらにそれぞれのページには「個別のコメント欄」や「ちょっとした日記スペース」も用意されていて。
たとえば「今日はよく笑ったね」とか「抱っこで泣き止んだ時間がほぼ同じで笑った」とか、そういう日常の小さな幸せを気軽に書きとめておけるんです。
この“余白”があることで、ただの数値記録ではなく、ママ自身の気持ちもそこにそっと残せるようになっていて、それがふたご手帖の大きな魅力のひとつだと私は感じています。
健診・予防接種・体調管理もすっきり整理
育児が進むにつれて、ややこしくなってくるのが予防接種と健診の記録です。
特に双子の場合は「同じ日に受けるけど、片方が発熱して延期」といったこともあり、同時進行しないケースが頻発します。
母子手帳だとそのズレが把握しにくく、ページを行き来しながら「あれ?この子は何回目だったっけ…?」と混乱しがちです。
でも、ふたご手帳ならその記録がひとつの冊子にまとまっているので、管理がとてもラクになります。
私も実際、1人が体調を崩して予防接種をずらしたときに、ふたご手帖に並べて記録しておいたおかげで、次の予約のときに「どっちが次回だったか」をすぐに把握できて助かりました。
さらに、通院記録や薬の服用歴なども書いておけるので、病院での問診時にパッと見せられるのも大きな安心材料になります。
自分の記憶に頼るのではなく、記録に頼れるというのは、育児中にものすごく心を軽くしてくれるんですよね。
支援者・家族との情報共有にも役立つ
もうひとつ、ふたご手帖を使っていて実感したのが、支援を受けるときの“伝えるツール”としてもとても優秀だということです。
保健師さんや助産師さんとの面談、支援センターでの相談のときに、この手帳を開きながら「最近はこんな感じです」と話すと、担当者の方も一目で状況を把握してくれて、会話がスムーズに進むんです。
これは、ただの記録帳ではできないことだと思います。
また、パートナーや祖父母など、育児に関わる家族との情報共有にも便利で、
「今日はこの子がこんなことできたよ」
「次の健診は2人とも○月○日だよ」
と伝えるときにも、この1冊にまとまっていると説明がとっても楽になるんですよね。
多胎育児はひとりで抱え込まないことが大事だからこそ、ふたご手帖のような“分かち合える道具”があると本当に心強いと感じます。
実際に使ってみた!先輩ママのリアルな声
「記録を負担に感じなくなった」という安心感
ふたご手帖を手にしたママたちから聞こえてくる声のなかで、とても多かったのが「記録に対する気持ちが変わった」という実感です。
それまでは、母子手帳を開くたびに「あ、書かなきゃ」とどこか義務感のようなものを抱えていたのが、ふたご手帖を使い始めたことで「今日は何を書こうかな」という前向きな気持ちに変わったというんです。
私自身も同じで、「書かなきゃ」から「書きたい」に変わるだけで、こんなにも心がラクになるんだと驚きました。
完璧に書けていなくても、途中が抜けてしまっても、それを責めるような設計にはなっていないんですよね。
むしろ、書けたことそのものを肯定してくれるような、あたたかい作りになっていて、だから続けられる。
忙しい毎日の中でも、ほんの数行でもいいから残しておこうと思える。
その積み重ねが「私、ちゃんと見てるよ」という気持ちにつながって、自分の育児への信頼感も育っていくんです。
NICUの入院中にも役立ったという声も
多胎妊娠では、赤ちゃんがNICUに入院するケースも少なくありません。
先輩ママの中には、「NICUに毎日通いながら、ふたご手帖に記録をつけることが自分の心の支えになった」と話してくれた方もいました。
病院側との情報共有にも使えるし、小さな変化も書きとめておくことで医師との会話がスムーズになったり、自分自身の不安を吐き出せる場所になったりもするんだそうです。
私もその話を聞いて、「記録って自分のためでもあるんだな」とあらためて思いました。
特にNICUのような張りつめた環境では、気持ちを外に出す場所が本当に限られているから、ふたご手帖の存在が“母としての居場所”のように感じられるというのは、とても大きな意味を持っていると思います。
成長の足あとを残す喜びに変わる瞬間
最初は「ちゃんと記録しなくちゃ」という気持ちで始めたふたご手帖が、数ヶ月、半年と使い続けていくうちに、自然と「この子たちの成長のアルバム」になっていく感覚に変わっていくのが不思議でした。
ひとつひとつの小さな変化や出来事を文字にして残すことで、「あの日、初めて笑ったね」「お姉ちゃんの声で泣き止んだんだよね」といった温かい記憶が手帳の中に積み重なっていくんです。
そして、ふとしたときにページをめくり返してみると「ああ、この頃って大変だったけど、すごく愛おしかったな」って思える。
そうやって育児を“振り返れる形”にしておけることが、ふたご手帖の何よりの価値なのかもしれません。
購入方法と始めどき|どこで手に入る?いつから使う?
「もっと早く知りたかった…!」と思った妊娠後期のわたしへ
ふたご手帖の存在を知ったのは、私の場合は妊娠後期もだいぶ進んでからでした。
それまでは母子手帳2冊でなんとかなるだろうと思っていて、少し余裕も感じていたんです。
でも、おなかの赤ちゃんたちの成長を一人ずつ記録していくうちに、「これ、出産後はもっと大変になるのでは…?」という不安がじわじわと押し寄せてきて。
そのタイミングでふたご手帖のことを知って、「ああ、これ、妊娠初期から持っていたらどんなに気持ちがラクだっただろう」と心から思いました。
双子や三つ子の場合、妊娠中からすでに診察や検査の頻度が多くなりますし、妊娠経過の記録も1人ずつ違ってきます。
だからこそ、出産前からこの手帳を使い始めることで、のちのちの育児や手続きの準備がスムーズになるんですよね。
もちろん、出産後から使い始めるママも多くいますし、タイミングに「正解」はありません。
でも、気になったその時が一番の始めどきなんだと思います。
私は、「今この瞬間から残したい」と思えた時が、手帳を開くベストタイミングだと実感しました。
どこで買えるの?購入方法と配布ルート
ふたご手帖は、現在インターネット通販で購入するのが一番手軽です。
公式サイトや一部の育児グッズサイトでも取り扱いがあり、デザインや構成などの詳細も事前に確認しやすくなっています。
手帳そのものもシンプルでやさしいデザインなので、双子育児のドタバタのなかでもすっと手に取りたくなるような雰囲気がありますよ。
また、地域によっては自治体や保健センターを通してふたご手帖が紹介されているケースもあります。
特に多胎育児支援に力を入れている自治体では、母子手帳の交付時にあわせて案内されたり、助産師さんから直接紹介を受けることもあるようです。
もしお住まいの地域での対応が不明な場合は、一度保健センターに「多胎向けの育児手帳について何か案内がありますか?」と問い合わせてみると、思わぬサポート情報が得られるかもしれません。
ギフトにもぴったり|お祝いとしての“選び方”
意外と知られていないのですが、ふたご手帖は出産祝いや妊娠祝いのプレゼントとしてもとても喜ばれます。
「自分で買うかどうか迷っていたけど、贈られてうれしかった」という声も多く、実用性があるのに“押しつけがましくない”ところがちょうどいいんです。
実際に私の友人も、双子ママになる子にこの手帳を贈っていて、後から「これが一番助かった」と言われていました。
もし周囲に多胎妊娠の方がいたら、ちょっとしたギフトとして考えてみてもいいかもしれません。
まとめ:「ふたご手帖」は記録のためだけじゃない、心の支えにもなる
ふたご手帖は、ただ「母子手帳で足りない部分を補う」ための記録帳ではありませんでした。
私にとっては、双子育児に追われる中で、いつの間にか置き去りにしがちだった“わたし自身の気持ち”をそっと見つめ直すきっかけになった存在です。
2人分の成長を並べて記録できることで、自分の中の混乱が少しずつ整理されて、育児そのものに向き合う気持ちにも余裕が生まれてきました。
双子や三つ子の育児には、1人育児とはまた違った大変さがあります。
同時進行で進んでいく小さな命の変化に、追いつけないと感じる日もあるかもしれません。
それでも、ふたご手帖のページをめくると「今日もちゃんとやれてるよ」とやさしく言われているようで、肩の力がふっと抜ける瞬間が何度もありました。
誰かに評価されるためじゃなく、自分と家族の記録として、未来の自分に手紙を書くような気持ちで綴っていく。
それがこの手帳の、何よりもあたたかく、そして尊い役割だと感じています。
完璧じゃなくていい、書きそびれたって大丈夫。
大切なのは、そのときの想いや記憶を、あなた自身が残したいと思えたかどうか。
ふたご手帖は、そんな「わたしの気持ち」を受け止めてくれる場所です。
忙しい毎日の中でも、その1ページが、あなたの育児にそっと寄り添ってくれますように。

