みなさんは、買ってしばらく置いておいたジャガイモに芽が出ていて、「加熱すれば食べられるよね?」と思いながらも、なんとなく不安になってしまったことはありませんか?
先日、カレーを作ろうとしたらジャガイモにしっかり芽が出ていて、「ちょっとくらい煮込めば平気かな…」と思いかけた私。
でも、気になって調べてみたら、意外な事実を知ることになったんです。
じつは、ジャガイモの芽に含まれる毒素
- ソラニン
- チャコニン
「しっかり火を通せば安心」という思い込みが、じつは一番の落とし穴になってしまうことがあるんですね。
だからといって、「芽が出たら全部捨てるしかない!」というわけではありませんよ。
正しい下処理をすれば、芽が出たジャガイモでも安心しておいしく食べることができます。
この記事では、なぜ加熱だけでは不十分なのか、どう処理すれば安全に食べられるのか。
そして芽が出にくくなる保存のコツまで、丁寧にお伝えしていきますね。
ジャガイモの芽は加熱しても毒が消えない理由
「芽が出ていても、煮込めば問題ないんじゃないの?」と思う方は多いと思います。
でも実際は、加熱だけでは毒素を取り除くことはできないんです。
その理由を一緒に確認していきましょう。
ソラニン・チャコニンは熱に強い毒素
ジャガイモの芽には「ソラニン」と「チャコニン」という天然の毒素が含まれています。
これらは熱にとても強い性質を持っていて、普段の調理で使う100℃程度のお湯でゆでても、毒素の量はほとんど変わらないことが分かっています。
さらに驚くことに、200℃以上の高温で揚げるフライドポテトのような調理でも、毒素を完全になくすことはできないことが確認されているんです。
つまり、どんな調理方法であっても「加熱したから大丈夫!」とは言えないということですね。
ちなみに、「なんでレシピには芽を取る手順がちゃんと書いていないの?」と感じたことはありませんか。
じつは多くのレシピでは「下処理済みのジャガイモ」を前提にしていたり、皮をむくタイミングで一緒に取るものとして省略されていることが多いんですよ。
「書いていないから取らなくていい」ではなく、「芽は必ず取るものとして当然の前提」になっているということです。
子どもには特に気をつけてほしいこと
大人であれば少量なら症状が出ないことも多いですが、子どもは大人よりも少ない量で食中毒の症状が出やすいということが知られています。
特に、学校の授業や家庭菜園で収穫した「小さくて未熟なジャガイモ」は、芽が出ていなくても皮の周辺に毒素を多く含んでいることがあるんです。
「自分たちで育てたから安全」と思いがちですが、自家栽培のものは市販品より毒素が多い可能性もあります。
お子さんが食べる場合は、小さなジャガイモほど皮を厚めにむくなど、いつもよりひと手間かけてあげてくださいね。
「これって食べられる?」状態別の判断基準
芽が出てしまったジャガイモを前に「捨てるべき?それとも使える?」と迷うことはよくありますよね。
こちらの表を参考に、まず状態を確認してみてください。
「苦みやえぐみを感じたら食べない」というのは農林水産省も明記している大切な判断基準です。
「せっかく作ったのに…」と思う気持ちは分かりますが、体の違和感を感じたときは迷わず食べるのをやめてくださいね。
安全に食べるための下処理と調理のポイント
状態を確認できたら、次は安全においしく食べるための下処理です。
ちょっとしたひと手間で、安心感がずいぶん変わりますよ。
芽の取り方:くぼみごと深くえぐり取る
芽を取るときは、表面をちぎるだけでは不十分です。
ピーラーの端についている突起(芽取り)や包丁の根元を使って、ぐるりと円を描くようにしながら芽の根元までしっかり取り除きましょう。
「ちょっと取りすぎかな?」と感じるくらい大胆に取ったほうが、後で不安にならずに済みますよ。
小さな芽でも毒素は含まれているから、「小さいから大丈夫」とは思わずに、しっかり取り除いてあげてくださいね。
緑色の皮は「厚めに」むくのが正解
皮が緑色になっているジャガイモは、うっすら緑色に見える程度でも、皮の周辺に毒素が増えているサインです。
薄くむくだけでは緑色の部分が残ってしまうことがあるので、少しもったいない気もしますが、2〜3mm程度を意識して厚めにむくようにしましょう。
中まで緑色になってしまっているものは、皮をむいても毒素が残っている可能性があるので、食べるのをやめておくのが安心ですよ。
「食べてしまったかも…」と不安なときの対処法
「芽をちゃんと取ったつもりだったのに、少し残っていたかも」
「うっかり気づかずに食べてしまった…」
そんな経験をしたことがある方もいると思います。
そんなときは、まず落ち着いて状況を確認してみましょう。
症状が出るタイミングと主なサイン
ソラニン・チャコニンによる食中毒の症状は、早い場合は食後数分から、遅い場合は数日後に現れることもあります。
- 吐き気
- 腹痛
- 下痢
- めまい
少量であれば体に影響が出ないことも多いから、あまり神経質になりすぎる必要はありませんよ。
ただ、「なんか変な味がした」「苦みを感じた」という場合は、その後の体調変化に注意しておくと安心です。
こんなときは早めに医療機関へ
水分をしっかり補給しながら安静にしていれば、軽い症状であれば自然に落ち着くことがほとんどです。
ただ、次のような場合は早めに受診することをおすすめします。
- 何度も嘔吐が続くとき
- お子さんや高齢の方がぐったりしているとき
- あるいは症状がどんどんひどくなってきているとき
受診のときに「ジャガイモの芽を食べてしまったかもしれない」と伝えると、先生も状況を把握しやすくなりますよ。
芽を出させない!ジャガイモの保存方法
せっかく買ったジャガイモを無駄にしないためにも、正しい保存方法を知っておきましょう。
少しの工夫で、芽が出るタイミングをぐっと遅らせることができますよ。
保存期間の目安を知っておこう
まず知っておきたいのが、ジャガイモの保存期間の目安です。
適切な場所で保存できていれば、常温でおよそ1か月ほどは持ちますよ。
ただし夏場の高温多湿な環境では、傷みも早く芽も出やすくなるから、季節によって保管場所を工夫することも大切ですね。
買いすぎに注意して、1〜2週間で使い切れる量を購入するのが一番安心ですよ。
リンゴと一緒に保存する方法
ジャガイモを保存している袋や箱の中に、リンゴを1個入れてみてください。
リンゴから放出される「エチレンガス」に、ジャガイモの発芽を抑える働きがあるんです。
たったそれだけのことですが、保存期間がぐんと延びることもあるから、ぜひ試してみてくださいね。
暗くて涼しい場所での保管が基本
ジャガイモは光に当たると緑色に変色して毒素が増えてしまうから、買ってきたら透明な袋から出して、新聞紙で1つずつ包んであげましょう。
それを紙袋や段ボール箱に入れて、シンク下などの暗くて涼しい場所で保管するのが基本のコツです。
なお、「冷蔵庫で保管すれば長持ちするかな」と思うかもしれません。
でも冷蔵保存したジャガイモは、揚げたり炒めたりするときに別の物質が増えやすくなる可能性があることが分かっているんです。
暗くて涼しい場所での常温保管が、ジャガイモにとって一番合っている環境ですよ。
まとめ
ジャガイモの芽は「加熱すれば大丈夫」ではなく、「しっかり取り除いてから調理することが大切」というのが今日の一番のポイントです。
正しい下処理をすれば芽が出ていても安心しておいしく食べられるから、「もったいない」という気持ちを大切にしながら、ぜひひと手間を惜しまないでいてくださいね。
今日のポイントをおさらいすると…
- まず、加熱しても毒素は消えないから、芽は必ず根元から深くえぐり取ること
- 次に、緑色の皮も毒素のサインだから厚めにむいて安心を優先すること
- 食べているときに苦みやえぐみを感じたら、すぐに食べるのをやめること
- そして子どもや自家栽培のジャガイモには特に注意が必要なこと
「今日の肉じゃが、おいしいね」と家族が笑顔で言い合える食卓のために、この記事が少しでもお役に立てたらうれしいです。
