
ゲームに夢中になっていると、いつの間にか画面にグッと顔を近づけてしまっている…そんな経験、ありませんか?
お子さんが携帯ゲーム機やスマホを至近距離で見ていて、「目が悪くならないかな」と不安になっている親御さんも多いのではないでしょうか。
実は、画面との距離が近すぎる状態が続くと、単なる視力低下だけでなく、目が内側に寄ったまま戻らなくなる「急性内斜視」という症状を引き起こす可能性もあるとされています。
でも安心してください。
正しい距離の取り方や休憩の仕方を知っておけば、ゲームを楽しみながら目の健康を守ることは十分にできます。
この記事では、ゲーム画面が近いとどんなリスクがあるのか、そして具体的にどう対策すればいいのかを、わかりやすくお伝えしていきますね。
ゲーム画面との距離は「30cm以上」が目安、近すぎると近視や斜視のリスクに
まず結論からお伝えすると、ゲームの画面と目の距離は最低でも30cm以上離すことが大切です。
そして、30分に1回は画面から目を離して遠くを眺める休憩を入れること。
この2つを意識するだけで、目への負担はかなり軽減できるとされています。
画面が近すぎる状態を長時間続けると、近視が進行するリスクが高まるだけでなく、近年増加が指摘されている「急性内斜視(スマホ内斜視)」を発症する恐れもあります。
特にお子さんの場合は目の機能がまだ発達途中なので、大人以上に注意が必要です。
わが家の小学2年生の息子も、Switchに夢中になると顔が画面に吸い寄せられるように近づいていきます。
ある日、息子が『遠くのものが二重に見える』と言い出して慌てて眼科を受診しました。
幸い一時的な症状でしたが、先生から「画面との距離が近すぎますね」と指摘を受けてしまって、それ以来、距離のルールを家族で決めるようになりました」
画面が近いとなぜ危ないのか?目の中で起きていること
「画面が近いと目に悪い」とは昔からよく言われていますが、具体的に目の中で何が起きているのかを知っておくと、対策にも納得感が出てきますよね。
ここでは、画面が近いことで生じる主な3つのリスクについて詳しくお伝えします。
近視が進行しやすくなる
私たちの目には、見るものの距離に応じてピントを調整する「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉があります。
近くのものを見るとき、この筋肉がギュッと緊張して水晶体を厚くし、ピントを合わせているんですね。
ゲーム画面のように近い距離のものを長時間見続けると、この毛様体筋が緊張しっぱなしの状態になります。
すると、筋肉が元に戻りにくくなり、一時的にピントが合わなくなる「仮性近視」と呼ばれる状態になることがあります。
これは目を休ませれば回復しますが、こうした状態を何度も繰り返すうちに、本当の近視へと進行してしまう可能性があるとされています。
特にお子さんの場合、目の成長とともに眼球が前後に伸びることで近視になるケースが多く、一度伸びた眼球は元に戻らないと言われています。
だからこそ、早い段階からの予防がとても大切なんです。
私自身、子どものころにゲームボーイを至近距離で遊び続けた結果、小学4年生で急に視力が落ちて眼鏡デビューになりました。
当時は「ゲームのやりすぎだ」と怒られましたが、今思えば距離の問題だったのだと感じています。
この経験があるから、自分の子どもには同じ思いをさせたくないと強く思っています。
急性内斜視(スマホ内斜視)になるリスクがある
近年、眼科医の間で注目されているのが「急性内斜視」という症状です。
これは、片方の目が内側に寄ったまま戻らなくなる状態のことで、「スマホ内斜視」とも呼ばれています。
人間の目は近くのものを見るとき、自然と両目が内側に寄る(寄り目になる)仕組みになっています。
通常はものを見終わればすぐに元に戻るのですが、至近距離で画面を見続ける時間が長くなると、目を内側に動かす筋肉が緊張したまま固まってしまうことがあるとされています。
日本弱視斜視学会による全国調査でも、デジタル機器の使用をきっかけとした内斜視は子どもに多いことがわかっています。
お子さんの場合は大人よりも腕が短いため、携帯ゲーム機やスマホを持つとどうしても顔との距離が近くなりがちです。
さらに目の機能が発達途中であるため、大人以上に影響を受けやすいと考えられています。
急性内斜視になると、ものが二重に見える「複視」という症状が現れます。
最初は遠くを見たときだけ二重に見え、休むと元に戻ることが多いのですが、放置して悪化すると常に二重に見える状態になったり、立体的にものを捉える機能が低下したりすることもあるとされています。
息子の眼科受診のときに先生から聞いた話では、
「最近はスマホやゲーム機を長時間使った後に急に目が寄ったと来院するお子さんが増えています。画面との距離が30cm以内で、毎日1時間以上続けているケースがほとんどです」
とのことでした。
軽度であればデジタル機器の使用を控えることで改善する場合もあるそうですが、重度の場合は手術が必要になるケースもあると聞いて、背筋が凍る思いでした。
ドライアイや眼精疲労も起きやすくなる
画面に集中していると、まばたきの回数が通常の半分以下に減ると言われています。
まばたきが減ると、目の表面を涙で潤す機会が少なくなるため、目が乾燥して充血やかすみ目、疲れ目といった症状が出やすくなります。
また、至近距離で画面を見るときは体が前かがみになりやすく、首や肩の筋肉も緊張します。
これが血流の悪化につながり、眼精疲労だけでなく頭痛や肩こりの原因にもなるんですね。
さらに、寝る前に暗い部屋でゲームをすると、画面から出るブルーライトの影響で入眠を助けるホルモンの分泌が抑えられ、睡眠の質が下がることもあるとされています。
睡眠が十分にとれないと目の回復力も低下するため、悪循環に陥りやすくなります。
今日からできる!ゲーム中に目を守る5つの対策
ここまでリスクについてお伝えしてきましたが、「じゃあゲームをやめなきゃいけないの?」と思った方もいるかもしれません。
でも大丈夫です。
大切なのは「やめること」ではなく、「正しい付き合い方」を知ることです。
ここからは、今日からすぐに実践できる具体的な対策を5つご紹介します。
対策①:画面との距離を30cm以上あける
もっとも基本的で、もっとも効果的な対策がこれです。
ゲーム画面と目の距離を最低でも30cm以上離しましょう。
テレビに接続してゲームをする場合は、画面の縦の長さの約1.5倍〜2.5倍の距離が目安とされています。
たとえば、24インチのモニターであれば50〜70cm程度、テレビのような大画面なら2m以上離れるのが理想的です。
携帯ゲーム機やスマホでゲームをする場合は、どうしても距離が近くなりがちです。
できればテレビやモニターなどの大きな画面に映してプレイするのがおすすめです。
画面が大きいと自然に距離を取るようになるため、意識しなくても目への負担が減ります。
わが家では、Switchのゲームはテレビモードでしかプレイしないルールにしました。
最初は子どもから「携帯モードがいい!」と猛反発を受けましたが、1週間もすると大画面に慣れて不満は消えました。
以前は30分もプレイすると『目がショボショボする』と言っていたのが、テレビモードに変えてからはそうした訴えがほとんどなくなりましたよ。
対策②:「20-20-20ルール」で定期的に目を休める
内斜視の予防法としても推奨されているのが、「20-20-20ルール」です。
これは、20分画面を見たら、20秒間、20フィート(約6m)先を眺めるという方法です。
遠くを見ることで目の筋肉がリラックスし、内側に寄りがちな眼球の位置もリセットされます。
眼精疲労の予防にもつながるため、ゲーム中だけでなく、勉強やパソコン作業のときにも取り入れたい習慣です。
お子さんが自分でタイマーを管理するのが難しい場合は、キッチンタイマーやスマホのアラーム機能を活用して、20〜30分おきに「窓の外を見ようね」と声をかけてあげるのがよいでしょう。
最初は20分おきにアラームを鳴らしていましたが、正直なところ子どもはゲームに夢中で無視することもしばしば。
そこで、アラームが鳴ったら一緒にベランダに出て遠くの山を20秒眺める、という「ミニ休憩タイム」を親子の習慣にしました。
たった20秒ですが、気分転換にもなるようで、今では子どもの方から「そろそろ休憩の時間じゃない?」と言ってくれるようになりました。
対策③:部屋の明るさを適切に保つ
暗い部屋でゲームをすると、画面の光と周囲の暗さの差が大きくなり、目への負担がぐんと増えます。
ゲームをするときは部屋全体を明るくし、画面の明るさも周囲に合わせて調整しましょう。
特に注意したいのが、寝る前に暗い部屋で寝転びながらゲームをする習慣です。
暗闘でのスマホ使用は目との距離がさらに近くなるうえ、ブルーライトの影響で睡眠の質も悪くなります。
就寝の1時間前にはゲームを終えるのが理想的です。
対策④:1日2時間以上の屋外活動を取り入れる
研究によると、1日2時間以上の屋外活動が近視の進行を抑える効果があることが示されています。
太陽光に含まれる光が網膜に働きかけ、眼球が過度に伸びるのを防ぐと考えられているんですね。
台湾では、小学校で屋外活動の時間を増やす取り組みを行った結果、視力が低い子どもの割合が減少したという報告もあります。
直射日光を浴びる必要はなく、日陰でも自然光のある屋外にいるだけでも効果が期待できるとされています。
ゲームばかりで外に出たがらないお子さんには、散歩やキャッチボールなど、ちょっとした外遊びから始めてみてはいかがでしょうか。
うちの子はインドア派で、外に出るのを嫌がるタイプでした。
そこで考えたのが「外でやるゲーム実況ごっこ」。
公園で見つけた虫や花を実況中継のように紹介するという遊びです。
ゲーム好きな性格を活かした方法ですが、気づけば1時間以上外で遊んでいることも。
半年間の視力検査では前回と同じ数値をキープでき、眼科の先生からも「外で過ごす時間を増やしたのが良いですね」と言ってもらえました。
対策⑤:目に良い栄養を日常の食事に取り入れる
目の疲れを内側からケアするために、日々の食事も少し意識してみましょう。
目の健康に関わる栄養素としてよく知られているものに以下があります。
- ビタミンA(にんじん、ほうれん草、レバーなど):目の粘膜を保護し、疲れ目やかすみ目の改善に役立つとされています
- アントシアニン(ブルーベリー、カシスなど):目の血流を良くし、眼精疲労の軽減が期待されています
- DHA(青魚など):網膜の機能を支える成分として知られています
もちろん、これらを食べれば近視が治るというものではありません。
あくまで「目に負担をかけにくい体づくり」をサポートするものとして、日常の食事にバランスよく取り入れてみてくださいね。
やってはいけないNG行動もチェックしておこう
対策を実践するのと同じくらい大切なのが、「やってはいけないこと」を知っておくことです。
よかれと思ってやっていることが、実は逆効果になっている場合もあります。
寝転びながらのゲームプレイは最もリスクが高い
ベッドやソファで寝転びながらゲームをする姿勢は、画面と目の距離が非常に近くなりやすく、もっとも危険な使い方のひとつです。
横になると片目だけが枕に押されて視界が制限されることもあり、目のバランスが崩れやすくなるとされています。
ゲームをするときは、椅子に座ってまっすぐな姿勢で行うのが基本です。
「目が悪くなったら眼鏡をかければいい」と楽観しすぎない
「近視になっても眼鏡やコンタクトがあるから大丈夫」と考える方もいるかもしれません。
しかし、近視が強くなると将来的に緑内障や網膜剥離といった深刻な目の病気にかかるリスクが高まることがわかっています。
眼鏡はあくまで「見え方を補正するもの」であり、近視の進行そのものを止めるものではありません。
特にお子さんの近視は成長期に進行しやすいため、進行する前に予防することがとても重要です。
子どもが目の異常を自分で訴えることはほとんどない
お子さんの場合、見え方がおかしくなっても自分からはなかなか伝えられません。
ものを見るときに目を細めている、テレビにやたら近づく、顔を傾けてものを見ているなどのサインが見られたら、早めに眼科を受診することをおすすめします。
私が異変に気づいたのは、息子がテレビを観るときに首をかしげるようになったことでした。
最初は「クセかな?」と思っていたのですが、学校の視力検査で片目だけ急に悪くなっていることがわかり、眼科で検査したところ仮性近視と診断されました。
先生からは「もう少し遅かったら本当の近視に進行していたかもしれません」と言われ、早く気づけてよかったと心底思いました。
ゲームを楽しみながら目を守るために知っておきたいこと
ここまでの内容を整理すると、ゲームの画面が近いことで起こりうるリスクと対策は次のようになります。
大切なのは、ゲームそのものが悪いわけではないということです。
問題になるのは「画面との距離が近すぎること」と「長時間休憩なく続けること」。
この2つに気をつけるだけで、目への負担は大きく変わってきます。
もしお子さんの目の様子で少しでも気になることがあれば、自己判断せずに眼科を受診しましょう。
近視の進行を抑える治療法も年々進歩しているので、専門家に相談することで選択肢が広がるかもしれません。
わが家ではこれらの対策を始めて約1年が経ちますが、息子の視力は横ばいを維持できています。
眼科の先生からは「完全にゲームを禁止するのではなく、距離と時間のルールを守ることが現実的で効果的ですよ」と言っていただいて、とても気持ちが楽になりました。
ゲームは子どもにとって大切なコミュニケーションツールでもあるので、親が上手にサポートしてあげることが大事だと感じています」
ゲームが大好きなお子さんに「やめなさい」と言うのは、親としてもつらいですよね。
でも、「やめさせる」のではなく「安全に楽しめる環境を整えてあげる」と考えれば、少し気持ちが軽くなりませんか?
まずは今日から、画面との距離をちょっとだけ意識してみてください。
30cm離すこと、30分に1回遠くを見ること。
この小さな習慣が、お子さんの目の健康を長く守る大きな一歩になるはずです。
大丈夫、少しずつで構いません。
できることから一緒に始めていきましょう。
記事全体の不安をまとめて確認したい場合は、こちらから戻れます。
⇒暗いところでゲームはダメ?明るさ・距離・時間のルール作り
