
「母子手帳って1人1冊って聞いてたけど、双子や三つ子のときってどうするの?」そんな疑問を抱くママは少なくありません。
妊娠がわかって喜びで胸がいっぱいになったあと、手続きや準備が始まると現実的な不安が顔を出しますよね。
役所で母子手帳を受け取るときに「1人につき1冊お渡しします」と言われる自治体もあれば、「1冊で大丈夫ですよ」と言われる地域もあり、その違いに戸惑うママも多いんです。
特に初めての妊娠で、それが双子や三つ子だと、手帳をどう使えばいいのか、どこに何を書けばいいのか、誰の記録かわからなくなってしまう不安もつきまといます。
母子手帳は、単なる健康記録ではなく、妊娠から出産、そして子どもの成長を支える大切な記録帳。
だからこそ「きちんと残したい」という気持ちが強くなるのは当然のことです。
けれども、現実には記入欄が足りなかったり、健診のスケジュールが子どもによって微妙に違ったりして、「あれ?どっちの分を書いたっけ?」と頭を抱える瞬間が訪れます。
そんなとき、焦る必要はありません。
多胎妊娠の家庭では、工夫しながら記録を続けるのが当たり前であり、その工夫のひとつひとつが、家族の歴史を形にしていく宝物になっていきます。
この記事では、実際に双子・三つ子のママたちが直面した「母子手帳が足りない」問題をもとに、コピーや追記の工夫、役所への相談の仕方などを具体的に紹介していきます。
母子手帳が1冊でも2冊でも、ママが安心して記録を残せるように。
そんな願いを込めて、ひとつひとつ丁寧にお話ししていきますね。
多胎妊娠で「母子手帳が足りない!」と感じるのはどうして?
“1人1冊”は本当?地域によって対応が違う現実
母子手帳は原則として「妊娠した子ども1人につき1冊」が交付される仕組みですが、実際に交付を受けると「1冊だけだった」という声が一定数あるのが現状です。
多胎妊娠であることが明らかになっていても、自治体によっては申請時の書類や本人確認の段階で「母子手帳はとりあえず1冊のみ」とされてしまうこともあり、ママ側から希望を伝えないと2冊目以降をもらえないケースもあるんです。
私自身、最初の健診で双子とわかったとき、「じゃあ母子手帳も2冊もらえるんだな」と思っていたら、交付窓口ではなぜか1冊のみ。
「あれ?もう1冊は?」と聞いたら、「必要ならまた来てくださいね」と、あっさりした対応で拍子抜けしました。
さらに、三つ子以上の多胎児になると、その子の数だけもらえると思っていたら、やはり同じように1冊からスタートだったという例もあります。
こうした自治体ごとの運用の違いが、妊婦さんにとって不安の種になってしまうのは本当にもったいないことだと感じます。
健診や予防接種、1冊では記録欄が足りなくなる
双子や三つ子の場合、当然ながら健診の回数も予防接種のスケジュールも1人ずつ個別に管理する必要があります。
ところが、母子手帳の中身は基本的に“1人の子ども用”に作られているため、例えば健診の記録欄も接種の履歴欄もすぐに埋まってしまいます。
実際に私も、上の子の分を書いていたら次の健診ですぐに欄が足りなくなってしまい、「じゃあ下の子はどこに書けばいいの?」と頭を抱えました。
1ページを2分割して使ってみたこともありますが、文字が小さくなりすぎて後から読み返しても見づらく、「これは長く残すには向かないなあ…」と感じたんです。
また、健診時に医師や助産師が直接記入することもあるため、1冊に複数人分を書き込んでいると「これはどっちの子の情報ですか?」と聞かれてしまったり、記録ミスの原因になったりもします。
そうなると、せっかくの記録が正しく機能しなくなってしまいますよね。
“わが子の記録なのに分けられない”という葛藤
多胎ママの中には、
「2人分を1冊にまとめて書くのが申し訳ない」
「どちらかの記録が薄くなりそうで不安」
という声もよく聞かれます。
私もそうでした。
上の子は発育がゆっくりだったので医師とのやりとりが多くて、気づくとその子ばかりの記録になっていて、もう1人のページが空白だらけに。
なぜか「ごめんね」という気持ちになってしまって、どちらにも愛情があるのに、手帳の中だけを見るとそう見えないのがつらかったんです。
母子手帳って、育児記録であると同時に「心のアルバム」でもあると思うんです。
だからこそ、1人ひとりにきちんとしたスペースを与えてあげたいと思うのは、親として自然な気持ち。
なのに、物理的にページが足りなかったり、書き方が難しかったりして、気持ちと現実のギャップに悩むママも少なくありません。
“書けなかった自分”を責めないで
そしてもうひとつ大切なこと。
多胎妊娠や育児中って、とにかく毎日がバタバタです。
どちらか1人だけでも大変なのに、2人、3人を同時に見ている中で、母子手帳を丁寧に記入する余裕なんてなかなか持てませんよね。
「今日は書けなかった」「何日分も記録が抜けてる」と気づいたときに、自分を責めてしまうママもいます。
でも大丈夫、それって“ちゃんと生きてた証”なんです。
必死に育児をしていたからこそ書けなかった。
母子手帳が空白でも、あなたが子どもたちを抱きしめた回数は確かにそこにあるから、そのことを忘れないでほしいんです。
母子手帳が足りないときの対処法は?おすすめの3つの工夫
まずは自治体に相談してみよう|追加交付の可能性があることも
「母子手帳が1冊じゃ足りない…」と気づいたとき、最初にできることは、迷わず役所に相談することです。
実は、妊娠届を出したときには1冊しか渡していなかったけれど、申し出があれば2冊目や3冊目を追加で交付してくれる自治体もあるんです。
これは意外と知られていないんですが、多胎妊娠に対応している自治体の中には、「母子健康手帳追加交付申請書」などの簡単な書類を出すだけで手続きができるところもあります。
あるママは、交付のときにうっかり「双子です」と伝え忘れていて、あとから気づいて問い合わせたら、窓口で「お渡しできますよ」とすぐに対応してもらえたそうです。
何かを“もらいに行く”って、ちょっと気が引けたりしますよね。
でも、赤ちゃんたちのための正当な手続きだからこそ、遠慮せずに相談してみてくださいね。
コピーして記録欄を増やす|実際のやり方と注意点
もし追加交付が難しい場合や、「とりあえず記録が追いつかない!」という緊急時には、母子手帳の該当ページをコピーして使うのもひとつの手です。
健診欄や予防接種のページなど、特に使用頻度が高くて早く埋まってしまう部分をコピーして、別ファイルに貼り付けて使う方法は、私自身も実際にやってとても助かりました。
ただし注意しておきたいのは、コピーはあくまで“補助”であって、正式な書類としての効力はないということ。
例えば医療機関や行政への提出が必要な場面では、必ず原本の方を使う必要があります。
それでも、日常的な記録や、育児中に感じたことをちょこっと書いておくには十分すぎるくらい便利。
市販のルーズリーフに貼っておけば、後から見返したときにも見やすくて、ちょっとした「うちだけの育児日記」になりますよ。
1冊で管理したい人へ|色分けやシールで書き分け工夫
「2冊もあると持ち運びが大変」「毎回どちらにも書くのは手間…」という声もよく聞きます。
そんなときにおすすめなのが、“1冊の中で書き分ける”ための工夫です。
たとえばボールペンの色を変えて記入する方法。
私は、上の子は青、下の子は赤と決めて使っていたんですが、意外とこれだけでも区別がつきやすくて便利でした。
さらに見やすくしたい人は、小さなマークやシールを使ってページの角に目印をつけたり、「Aくん」「Bちゃん」と書き分けたりしてもいいですね。
書き方に正解なんてありません。
見やすくて、後から読み返したときに「わかる」「伝わる」と感じられる方法なら、それがそのご家庭の“ベストなやり方”です。
ときどき、書き分けることに神経質になりすぎて、「ちゃんとやらなきゃ」とプレッシャーを感じてしまう方もいます。
でも、母子手帳は“完璧に書くもの”じゃなくて、“あなたと子どもたちの毎日を残すためのもの”。
抜けがあっても、雑でも、きっと未来のあなたが見たら「頑張ってたなあ」と優しい気持ちになれるはずです。
先輩ママたちが実践していたリアルな工夫あれこれ
「2人分を1冊に書く」ことに悩んだ末にたどり着いた答え
多胎妊娠の母子手帳、何が大変って、記録を“どうやって書き分けるか”が本当に悩ましいんですよね。
ある先輩ママは、最初は1冊に2人分を書こうとして、欄を縦半分に分けてみたり、色分けしてみたり、色々やってみたけど、だんだん混乱してしまったそうです。
医師に書いてもらった内容も誰の分か後から見てわからなくなってしまって、「あーもう!ってなって、最終的にはそれぞれの名前で色分け+ページ分けに落ち着いた」と話してくれました。
工夫って、最初から正解にたどり着けるものじゃないんですよね。
やってみて「あれ?ちょっと使いにくいかも」と感じたら、その都度柔軟に変えていける。
それが“自分のやり方”を見つけるってことなのかもしれません。
ルーズリーフやクリアファイルで“母子手帳のサブノート”を作る人も
母子手帳だけではページ数が足りない、でも2冊持ち歩くのはちょっと大変、という人の中には、母子手帳のコピーやメモをまとめた“サブノート”を自作しているママもいました。
A4のバインダーに母子手帳のページをカラーコピーして貼って、それぞれの子どもに分けて記録。
そこに健診メモや、病院で聞いたアドバイス、気になる症状なども書き加えていくと、世界にひとつだけの“育児記録帳”ができあがります。
私は実際にそのノートを見せてもらったとき、「これ、もう完全に愛の結晶だ…」って思いました。
決してデコってるわけでも、おしゃれでもない。
でも、子どもたちへの想いがぎゅっと詰まっていて、思わず涙が出そうになりました。
アプリで記録→あとから手帳に転記するスタイルもアリ
時間に追われる毎日、母子手帳を開く余裕がない日もありますよね。
そんなとき、スマホのメモアプリや育児アプリを使って、とりあえず“メモだけ残しておく”という方法も効果的です。
後から落ち着いたタイミングで、それを見ながら母子手帳に清書していくという形です。
この方法をとっているママは、「書き忘れが減ったし、健診のときに焦らなくなった」と話していました。
正直、毎日毎日きれいに記録なんてできません。
でも、アプリならサッと開けて、日付も自動で残るし、後から「あのとき何だったっけ?」と思ったときにすごく助かるんです。
“ちゃんとできなかった日”こそ、未来の自分へのエールになる
多胎育児って、本当に目まぐるしいんです。
1人が泣き止んだと思ったらもう1人が泣き出して、ようやく全員寝たと思ったらミルクの時間。
母子手帳なんて開く暇がない日も当たり前にあるし、何を書いたかも覚えてない日だってあります。
でもね、そんな“空白のページ”も、それはそれで大切な証拠なんだと思うんです。
「この日、ほんとにいっぱいいっぱいだったんだな」
「記録どころじゃなかったんだな」
そうやって、未来のあなたがそのページを見たときに、当時の自分にそっと寄り添えるかもしれません。
だから、うまくいかない日があっても大丈夫です。
工夫しても混乱しても、書けなくても、それでも子どもたちは確かに成長していて、あなたはそれを見届けている。
母子手帳は、その“見届けた証”を残す場所であって、“完璧な記録”を残す場所じゃないんです。
母子手帳は“記録のため”だけじゃないからこそ
母子手帳がつなぐのは“事実”と“想い”
母子手帳って、健診の記録や予防接種の履歴を書き込む“医療的な記録帳”というイメージが強いかもしれません。
確かにそれも大切な役割です。
でも実際に手帳を開くと、そこにあるのは“ただの数字”だけじゃなくて、そのときの自分の気持ちや葛藤、喜びや戸惑いが、ちゃんと残っていることに気づくんですよね。
私も、上の子の妊娠中に書いていた母子手帳を久しぶりに読み返したとき、
「つわりで毎日ぐったり」
「胎動がぽこぽこして幸せ」
といった自分のメモに涙がにじみました。
当時の自分は、未来の自分がその言葉に励まされるなんて思ってもいなかったけど、でも、確かに“過去の自分が今の自分を支えてくれている”と感じたんです。
だから、母子手帳は単なる健康記録じゃなくて、“自分と子どもとの心のやりとり”を静かに残してくれる、そんな存在なんじゃないかと思うようになりました。
“きちんと残す”より、“気持ちを残す”でいい
多胎育児では、記録がぐちゃぐちゃになったり、空白が増えたりすることもあります。
でも、それはダメなことじゃないんです。
1日1日の中に、言葉にならない感情や、表に出せない疲れがあるように、手帳の空白もまた、あなたが全力で生きていた証拠だから。
完璧に記録することよりも、「このとき、こんなふうに思っていたな」と後から読み返して笑えたり、じんわり泣けたり。
そんなふうに“あなたの育児”がそこに残っていれば、それで十分なんだと思います。
だからもし今、母子手帳を前にして「書けていない」「追いつけない」と落ち込んでいるなら、そっと深呼吸してほしいんです。
そして、たとえ一言でも「今日、がんばった」って書いておけば、それは立派な記録だし、未来のあなたにとって大きな贈り物になりますよ。
まとめ:母子手帳が“正確さ”より“続けられる工夫”を大切に
双子や三つ子を授かった瞬間から、ママたちは本当にたくさんのことを抱えながら毎日を生きていますよね。
その中で「母子手帳が1冊じゃ足りない」と感じるのは、あなたがそれだけ子どもたちの成長に目を向けている証拠。
どう書けばいいのか、どこまで書けばいいのか、悩むこともあるけれど、きっとその迷いすらも愛情そのものなんだと思います。
母子手帳は公的な記録帳でもありながら、同時にママと子どもたちの人生を紡ぐ大切な“物語”でもあります。
完璧な記録ができなかった日も、ページが空白のままの日も、それは“必死に過ごした証”として堂々と残していいんです。
大事なのは、正確に残すことよりも、あなたにとって“続けられること”。
コピーを使ってもいいし、色分けでもいいし、途中から方法を変えても大丈夫。
それは全部、あなたの育児の知恵であり、誇れる工夫です。
今は目の前の育児に手いっぱいでも、きっと何年か後に母子手帳をめくったとき、「あのときも頑張ってたなあ」って自分を優しく抱きしめたくなるはずです。
だからこそ、無理せず、自分らしく、あなただけの“記録スタイル”を見つけていってくださいね。

