
赤ちゃんが初めてハイハイした日って、まるで世界が広がったかのように感じませんか?
それまで寝ているだけだった小さな存在が、自分の力で前に進もうとする姿に、思わず胸がいっぱいになったというママやパパも多いはずです。
けれど同時に、
「うちの部屋、思ったより狭いな」
「この子、もっと動きたそうなのに自由にさせてあげられてないかも」
そんな不安や罪悪感に悩まされる日もやってきますよね。
特にアパートやマンションの限られた間取りでは、広いプレイスペースを確保するのも難しくて、「狭いからかわいそう」と自分を責めてしまう人も少なくありません。
でも実は、赤ちゃんにとって本当に大切なのは広さよりも「安心して動ける空間」なんです。
どこかにぶつかってしまわないか、ゴチャついた床で怪我しないか、そういった小さな工夫の積み重ねが、赤ちゃんの「やってみたい!」という気持ちを支える土台になります。
このページでは、手狭な住まいでもすぐにできる模様替えや安全対策、そして「狭い=ダメ」と思わなくて大丈夫な理由を、私自身の経験も交えてやさしくお伝えしていきます。
大丈夫、たとえ部屋が広くなくても、あなたの愛情がちゃんと届いていれば、赤ちゃんはのびのび育っていけますよ。
赤ちゃんがハイハイを始めたら気づく「スペースの問題」、そのモヤモヤの正体
「赤ちゃんがハイハイできるようになって、すごくうれしい」
その気持ちは本当に本心のはずなのに、ふとした瞬間に心が曇ることってありませんか?
「うち、こんなに狭かったっけ?」
「この子、もっと広いところで思いきり動きたそうなのに…」
「私のせいで自由にさせてあげられてないんじゃないか」
そうやって、さっきまでの喜びがスッと冷めてしまうような感覚。
それは、赤ちゃんの成長が見えるようになったからこそ生まれる、新しい悩みのひとつなんですよね。
赤ちゃんの行動範囲が広がると「今まで気にならなかったもの」が気になるようになる
寝返りまでは布団の上で完結していた動きが、ハイハイを始めた途端に部屋じゅうが“遊び場”になります。
今まで気にもしていなかった家具の配置や床の段差、ちょっとした物の置き方が急に気になってきて、「このままで大丈夫かな」と不安になることもありますよね。
私もまさにそうでした。
娘がハイハイを始めたその日、誇らしさと同時に「えっ、このスペースで本当に大丈夫?」という焦りが頭をよぎったのを今でもはっきり覚えています。
それまでは何の疑問もなかった狭いリビングが、急に“赤ちゃんにとって危険な場所”のように感じられて、慌てて部屋中をチェックして回った夜もありました。
「狭くてかわいそう」という罪悪感は、あなたの“やさしさ”の表れ
実はこの「部屋が狭くてごめんね」という気持ちの根っこには、赤ちゃんに思いきり動いてほしい、楽しんでほしいという親の深い愛情があります。
でもその愛情が強すぎるあまり、
「今の環境は足りてないんじゃないか」
「この子がのびのび育てないのは自分のせいだ」
って、自分を責めてしまう方向に向かってしまうこともあるんです。
ここで忘れないでほしいのは、赤ちゃんは「広さ」だけで快適さを判断しているわけじゃないということ。
赤ちゃんにとって大切なのは、「安心できる場所かどうか」「好奇心のままに動ける環境かどうか」。
そしてそれは、部屋の広さよりも、親が「どんなふうにその空間を整えてくれているか」によって変わってくるんですよ。
スペースの“広さ”より“質”を整える工夫で、赤ちゃんの笑顔は変わる
もちろん、引っ越したりリノベーションしたりすれば部屋は広くできるかもしれません。
でも現実的には、すぐにそれを叶えるのは難しいことも多いはずです。
だからこそ大事なのは、「今あるスペースをどう活かすか」という視点。
我が家では、赤ちゃんが自由にハイハイできるように“何もないゾーン”を意識的に作りました。
家具の配置を少しだけ変えて、1.5畳分でもいいから「行って戻ってこれる道」を確保しただけで、娘の動きが見違えるほどのびのびしはじめたんです。
親のほうが「もっと広くないと」と思い込んでいたけれど。
でも、赤ちゃん本人はその小さな空間を楽しそうに何周もしていて、「ああ、無理しなくてもよかったんだ」とホッとしたのを覚えています。
モヤモヤを解消する第一歩は、“自分を責めない”って決めることから
赤ちゃんの成長に敏感になるあまり、環境への不安もどんどん増えていきますよね。
でもその不安は、あなたがちゃんと「この子のことを考えてる」証なんです。
必要なのは、「もっと完璧な環境にしなきゃ」と焦ることじゃなくて、
「今できることを、無理なくやってみよう」って思うその気持ちなんです。
スペースが狭いことは決して“育児の失敗”じゃないし、赤ちゃんはあなたのそのやさしさと工夫をしっかり感じ取ってくれていますよ。
“安全なハイハイスペース”はこうしてつくる。無理なく、今すぐできる方法で
赤ちゃんが自由に動けるスペースを確保してあげたい。
そう思って模様替えや家具の移動をしたものの、次に気になってくるのが「この場所、安全かな…?」という心配ですよね。
私も、模様替えしてハイハイの通り道ができたはずなのに、その先に角ばったテレビ台が見えたとたん、ゾワッと背中が冷たくなったことがあります。
「せっかく整えたスペースなのに、ここでケガでもしたら意味ないじゃない…」と、また一からやり直したくなるような気持ちになったのを覚えています。
だけど大丈夫。
全部をゼロにするんじゃなくて、「赤ちゃんの目線になって見直す」だけでも、安全な空間ってちゃんと作れるんです。
まずは「角」と「高さ」に注目!ぶつかりやすい場所からチェックしよう
赤ちゃんの目線にしゃがんで部屋を見渡してみると、大人の目線では気づきにくい“危ない場所”が見えてくることがあります。
特に注意したいのが、テレビ台やローテーブル、棚の角。
ハイハイした勢いで頭や顔をぶつけてしまうことが多い場所です。
我が家では、最初は毛布を巻いてガムテープでぐるぐるにしていたんですが、すぐにズレるし見た目もボロボロで気持ちまで沈んでしまって…。
そこで思いきって市販のコーナーガードに切り替えたら、貼るだけでしっかり固定されて、色も家具に馴染んで目立たず、気持ち的にもかなりラクになりました。
安心感があるって、こんなにも日々の心を軽くしてくれるんだって、そのとき初めて実感したんですよね。
床に落ちている“小さなもの”が危ない!口に入れる前に徹底チェックを
ハイハイ中の赤ちゃんって、本当に“なんでも口に入れる名人”です。
上の子の小さなおもちゃ、届くはずのない場所から落ちてきたボタン、気づかぬうちにこぼれたビーズ…。
一瞬のうちに手に取って、あっという間にお口へ直行!なんてこともあるんです。
だから、床の掃除はこまめに。
特にハイハイするルートは毎日サッと目視確認して、手に触れそうな物がないかチェックするのが安心です。
ちなみに我が家では、赤ちゃんが過ごすエリアだけ“マットゾーン”として区切って、そこには基本的に何も置かないルールにしていました。
毎回全部の部屋を掃除できなくても、“ここだけは絶対に安全”という場所があると、親も気持ちに余裕が持てるようになるんですよね。
配線・コード類は「引っ張る前提」で対策を!目立たせない工夫がカギ
家具の角や小物と並んで、意外と見落としがちなのが「電源コード」や「延長タップ」です。
赤ちゃんって、コードがゆらゆらしているだけでも興味津々。
引っ張って遊んだり、時には口にくわえようとしたり…。
そのままにしておくと、感電やケガにつながる危険もあるんです。
対策としては、家具の裏側にコードを通す「コードカバー」や「配線モール」を使うのがおすすめ。
また、使っていないコンセントには専用のキャップをつけておくと安心です。
我が家では、テレビ裏のコードを全てまとめて、テーブルの脚に沿わせて結束バンドで固定。
まるで“そこにないかのように見せる”のがコツでした。
「全部完璧」じゃなくていい。“安心できる一角”があれば、それでいい
赤ちゃんの動きに合わせてあれもこれも完璧にしようとすると、どこかで必ず心が折れそうになります。
「また届くようになった」「今度はそこ!?」「もう何も置けないじゃん!」なんて、思わず笑ってしまうほど予想外の連続です。
でも、全部を完璧にしなくていいんです。
まずはリビングの一角だけでも、「ここなら安心して動き回れる」というスペースを作ってあげてください。
赤ちゃんは、その小さな一角の中で“できること”をどんどん増やしていきます。
そしてその姿を見て、私たち親もまた、自分なりの“安心”を育てていけるのだと思うんです。
「ハイハイしない=発達に問題?」という不安を抱えているあなたへ
赤ちゃんがハイハイを始めたと聞けば、「うちの子もそろそろかな」と楽しみにする反面。
いつまでたってもその気配がないと、不安がひたひたと押し寄せてくること、ありませんか?
私も下の子がハイハイを飛ばして立ち上がったとき、正直なところ、「大丈夫かな…」って夜中に何度も検索魔になりました。
上の子がちゃんとハイハイしてくれていた分、余計に“比較の罠”にハマってしまったんです。
でも、そんなふうに不安になるのは、あなたがちゃんとお子さんの成長を見守っているからこそ。
その気持ちそのものが、すでに十分すぎるほどの“親の力”だってこと、まずは知ってほしいんです。
「ハイハイしない赤ちゃんもいる」って、知ってるだけで気持ちが違ってくる
実は、すべての赤ちゃんが必ずハイハイをするわけじゃないっていうのは、ちゃんと発達の研究でも言われていることなんです。
中には、おすわりが安定したと思ったらそのままつかまり立ちに移行しちゃう子もいるし、ズリバイのような独自のスタイルで満足して四つ這いをしないまま歩き出す子もいます。
私の娘も、ずりバイで「行きたいとこ行けるからこれで十分でしょ」って顔をしていたので、ハイハイ期というものをほとんど経験しないまま歩いていきました。
最初は心配だったけど、小児科で相談したら「運動機能に異常がなければ、その子のペースで大丈夫ですよ」と笑顔で言ってもらえて、心のモヤモヤがすーっと軽くなったんです。
「ハイハイが足腰にいい」は間違いじゃないけど、絶対じゃない
たしかに、ハイハイには筋力やバランス感覚を育てるというメリットがあります。
でもそれは「やらなかったらダメ」という意味ではないんですよね。
赤ちゃんって、歩きたい時がきたら、何かにつかまってでも立ち上がるんです。
そのタイミングは子どもによって本当にバラバラで、「もう歩きたい!」と思えば、ハイハイを挟まずに前に進もうとする。
そういう“意思”を見せてくれること自体が、ちゃんと発達している証でもあるんですよ。
比べたくなる気持ちを否定しない。でも、その子の歩幅でいいんだよ
ママ友やSNSで見かける「◯ヶ月でハイハイしました!」の声に、心がザワッとしたこと、きっとあると思います。
「うちの子だけ何もできてない…」そんなふうに感じた夜、私もひとりで泣いたことがありました。
でも、赤ちゃんは本当にみんな違う。
誰かのペースと比べて焦る必要なんて、どこにもないんです。
その子にとって最適なタイミングで、ちゃんとできるようになっていく。
そう信じて見守る時間も、子育てには欠かせない一部なんだと思うんです。
不安になったら、どうかひとりで抱えずに、小児科や支援センターで相談してみてくださいね。
プロのひと言で、こんなにも気持ちが変わるんだって驚くこと、きっとありますよ。
まとめ:狭い部屋でも、愛情たっぷりならそれでいい
赤ちゃんのハイハイが始まると、「こんなに狭い家で大丈夫かな」と心配になることもありますよね。
赤ちゃんは動きたい気持ちが強い分、親としては「思うように動けていないかも」と不安になることも多いと思います。
でも実は、広い空間よりも赤ちゃんにとって大切なのは、安心して動ける“安全で温かいスペース”なんです。
家具の配置を少し工夫したり、角をガードしたり、床を片付けたり。
ほんの少しの気遣いや工夫の積み重ねが、赤ちゃんの自由と安心につながっていきます。
そしてそれ以上に大切なのが、あなたが赤ちゃんを大切に思い、毎日見守ってあげているということ。
部屋が狭いことは決してマイナスではありません。
むしろ親のまなざしが近くて、赤ちゃんにとってはとても心地よい環境になることもあるんですよ。
完璧じゃなくても大丈夫。
今日できる小さな工夫と、あなたのあたたかな気持ちがあれば、それで十分なんです。
赤ちゃんは、あなたのその手の中で、ちゃんと育っていますよ。
