
「結婚挨拶のとき、お茶ってどの順番で出せばいいんだろう」と、考え始めたら気持ちが落ち着かなくなっていませんか。
我が子が選んだ大切な相手やそのご家族を、初めて自宅に迎える日。
できれば気持ちよく、感じよくおもてなしをして、良い印象を持ってもらいたいですよね。
だからこそ「お茶ひとつで失礼があったら、この子に恥をかかせてしまうかも」と、細かいところまで気になってしまうのだと思います。
先にいちばん大事なところをお伝えします。
結婚挨拶でお茶を出す順番は、お客様である相手側のご家族を立てて、上座に座っている方から先に、お菓子を先・お茶を後で出す。
これが基本です。
本人である息子さんや娘さん、そして自分の家族に出すのは、そのあとで大丈夫。
順番の軸はこれだけなので、難しく考える必要はありません。
そしてもうひとつ、覚えておいてほしいことがあります。
順番を多少間違えても、それで挨拶が台無しになることはありません。
いちばん大切なのは、心を込めて丁寧にもてなす気持ちです。
相手のご家族も、完璧な作法そのものより、温かく迎えてくれる雰囲気をちゃんと見ています。(と言っても、やっぱり不安なものは不安ですよね。
だから一緒に、ひとつずつ確認していきましょう)
この記事では、誰から出すかという順番だけでなく、和室と洋室での置き方、出すタイミング、二杯目の考え方、そして何を出せば喜ばれるかまで、当日の流れに沿ってお伝えします。
お茶出しは、ほんの数分の出来事ですが、その所作には「あなたとあなたのご家族を歓迎しています」という気持ちが自然ににじみ出ます。
だからこそ、形を少し知っておくだけで、その気持ちがまっすぐ届きやすくなるのです。
読み終える頃には、頭の中に当日の動きがイメージできて、落ち着いて相手を迎えられるようになっているはずです。
この記事でわかること
- お茶を出す基本の順番(誰から先に出すか)
- 和室と洋室それぞれの置き方と出す手順
- 出すベストなタイミングと二杯目(コーヒー)の目安
- 喜ばれるお茶とお菓子の選び方と気配りのポイント
結婚挨拶のお茶は相手のご家族から先に出す
まず押さえておきたいのが、誰から先にお茶を出すのかという順番です。
結婚挨拶は、相手本人だけでなく、相手のご両親や自分の家族も同席することが多く、登場人物が増えるぶん「あれ、誰が先だっけ」と迷いやすい場面です。
会社の来客対応とは違って、やがて身内になる相手が混ざっているので、よけいに線引きが難しく感じられます。
でも、ここでの考え方さえつかんでおけば、当日あわてずに動けます。
お客様を立てる気持ちが順番の土台になる
お茶を出す順番の土台になるのは、とてもシンプルな考え方です。
それは「お客様を立てる」ということ。
結婚挨拶では、訪ねてきてくれた相手側のご家族がお客様にあたります。
やがて身内になる関係とはいえ、この日はまだ初めましての、大切なお客様。
だからこそ、相手側のご家族を最初に、ていねいにおもてなしするのが自然な形になります。
迎える側の家族よりも、まず相手側のご家族を優先する。
これを覚えておくだけで、順番の大きな軸はもう決まったようなものです。
会社の来客対応でも「お客様が先、自社の人間は後」とされますが、考え方はそれと同じ。
難しいルールというより、「来てくれた人を大事にする」という気持ちの表れなんですね。
そう思うと、少し肩の力が抜けませんか。
ちなみに、相手の方がひとりで挨拶に来られる場合もあります。
その場合も考え方は同じで、お客様であるその方に最初にお出しして、本人ふたり、自分の家族、と続けます。
人数や顔ぶれが変わっても、「お客様から」という軸は変わりません。
上座に座っている方から順番に出していく
相手側のご家族が複数いる場合は、その中でも上座に座っている方から順番に出していきます。
上座というのは、その部屋でいちばん良い席のこと。
多くの場合、入口(ドアやふすま)から遠い席が上座、入口に近い席が下座になります。
お客様には自然と上座に座っていただくことが多いので、「上座から出す」と「お客様から出す」は、たいてい同じ動きになります。
上座と下座は、その場の力関係を表すものではなく、「相手を敬う気持ち」を席で表す日本ならではの習慣です。
だから、いちばん良い席に座っていただいた方から先にお出しすることで、自然と敬意が伝わります。
たとえば相手のお父さんとお母さんが来られているなら、上座に座っているお父さんから先に、次にお母さんへ、という流れが多くなります。
ただ、ここはあまり神経質にならなくて大丈夫。
「相手側のご家族の中で、入口から遠いほうに座っている方から」と思っておけば、自然と整います。(席順を凝視して固まってしまうより、にこやかに出すほうがずっと印象がいいですよ)
迷いやすいのが、相手のおじいさまやおばあさまなど、ご両親以外の方が同席するケースです。
その場合は、年長の方を立てて先にお出しすると、より丁寧な印象になります。
年齢や立場の上下が判断しづらいときは、やはり「上座から」を基準にすれば間違いが少なくなります。
うちは和室に通したのですが、床の間の前にお相手のお父様、その隣にお母様に座っていただきました。
入口側に私たち夫婦が座る形にしたので、自然と床の間に近いお父様からお茶をお出しする流れになりました。
事前に座っていただく場所を決めておいたので、当日まごつかずにすみました。
本人や自分の家族に出すのはそのあとで問題ない
相手側のご家族に出し終えたら、次に本人である息子さんや娘さん、最後に自分(迎える側)の家族へ、という順番になります。
身内だから出さない、というわけではなく、あくまで「順番が後になるだけ」。
同席している全員にきちんとお茶が行き渡るようにします。
ここで気になるのが「自分の家族のぶんはどうしよう」という点ですが、これも相手側を立てたあとに出せば問題ありません。
むしろ全員のぶんを用意しておくことで、場がそろって落ち着き、和やかに話を始めやすくなります。
お茶がそろってはじめて、両家が同じテーブルでひと息つける、という雰囲気が生まれます。
全体の流れにすると、相手のご家族(上座の方から)→本人ふたり→自分の家族、という流れが基本形です。
もし、お茶を出す人自身(たとえばお母さん)が、出し終えてから席に着く場合は、自分のぶんは最後で構いません。
全員に行き渡ったのを確認してから、静かに席に着きましょう。
誰かのぶんが抜けていないか、ひと呼吸おいて見回すクセをつけておくと、出し忘れを防げます。
そもそも誰がお茶を出すのか、という点も先に決めておくと安心です。
決まった役割があるわけではありませんが、迎える側の家でお茶を担当するのは、家事の流れを把握しているお母さんや、本人(娘さん・息子さん)であることが多いようです。
本人が出す場合は、自分の家のことなので動きやすい一方、挨拶の主役でもあるため、慌ただしくなりすぎないよう、誰かがさりげなく支える形にしておくとよいですね。
和室と洋室で変わるお茶の出し方と置く位置
順番がわかったら、次は実際の出し方と置く位置です。
ここは部屋の作りによって少し動き方が変わるので、和室の場合と洋室・リビングの場合に分けて見ていきましょう。
やってしまいがちな失敗もあわせてお伝えするので、読んでおくと当日の安心感がぐっと変わります。
出し方の所作は、慣れていなくても、基本の手順をなぞるだけできちんと見えるものです。
和室で迎えるときの順番と落ち着いた動き方
和室にお通しする場合、お茶とお菓子はお盆にのせて運びます。
このとき、湯呑みと茶托(受け皿)は別々にしてお盆にのせ、出す直前にセットするのがていねいなやり方です。
運んでいる途中で中身がこぼれて茶托が濡れるのを防ぐためで、ちょっとした所作ですが、見ている人には「丁寧だな」と伝わります。
具体的な流れはこうです。
まずお盆を一度、下座側の畳や小さな台に置きます。
次に湯呑みの底を軽くふきんで拭いてから茶托にのせ、両手で持って一人ずつお出しします。
畳の上では膝をついて、相手の少し斜め前あたりからそっと差し出すと、落ち着いた印象になりますよ。
湯呑みに絵柄がある場合は、その柄が相手の正面に来るように向けると、より気持ちが伝わります。
置く位置にも基本があります。
お客様から見て、お菓子は左側、お茶は右側。
出す順番としてはお菓子が先で、そのあとにお茶です。
注意したいのは、先に出したお菓子の上を、あとから出すお茶が通ってしまう「袖越し」。
これは失礼にあたるとされているので、体の向きと手の動きに気をつけて、物の上を腕がまたがないようにします。
最初は難しく感じるかもしれませんが、「左に置いたお菓子をまたがないように、右側からお茶を置く」と意識するだけで、ぐっときれいになります。
お茶そのものの淹れ方も、少しだけ気にかけてみてください。
緑茶は熱湯ではなく、少し冷ましたお湯(七十度から八十度くらい)で淹れると、苦みが和らいでまろやかな味になります。
湯呑みに注ぐ量は八分目くらいを目安にすると、持ったときにこぼれにくく、見た目も上品です。
茶葉から淹れるのが難しければ、ふだん飲み慣れているお茶でかまいません。
慣れない淹れ方で失敗するより、いつものお茶を落ち着いて淹れるほうが、結局おいしく仕上がります。
洋室やリビングで迎えるときの順番と置き方
洋室やリビングのテーブルで迎える場合も、基本の考え方は同じです。
お客様から見てお菓子は左、お茶は右。
お菓子を先に、お茶を後に置きます。
テーブルがある場合は、お盆をテーブルの端やサイドの台に置いてから、茶托にのせた湯呑みを両手で出すとスマートです。
テーブル越しに腕を大きく伸ばすより、相手の右後方や横にそっと回り込んで出すと、ぐっと上品に見えます。
洋室での上座は、入口から遠い席や、ゆったりした長椅子(ソファ)の側になることが多いです。
相手側のご家族にそちらへ座っていただき、上座の方から順番に出していきます。
コーヒーや紅茶を出すときは、カップの取っ手を相手から見て右側に向け、スプーンは手前に添えると使いやすく、ちょっとした心づかいが伝わります。(取っ手の向き、地味だけど出された側はけっこう見ているものなんですよね)
お砂糖やミルクを添える場合は、カップの近くにまとめて置いておくと、相手が自分のタイミングで使えて親切です。
緑茶のときと違って、コーヒーや紅茶は使う道具が少し増えるので、出す前にトレーの上で配置を整えておくと、テーブルの前でもたつかずにすみます。
お盆の持ち方も、覚えておくと所作が安定します。
運ぶときは両手でしっかり持ち、胸の少し下あたりの高さでまっすぐ保つと、揺れにくくなります。
出し終えて空になったお盆は、裏側を相手に見せないよう、脇に軽く抱えるようにして下がると、最後まで丁寧な印象が続きます。
小さなことですが、出し始めから下がるまでの一連の動きがそろっていると、見ている側はとても安心するものです。
袖越しや出し忘れなどやってしまいがちな失敗
具体的な注意点も知っておきましょう。
よくある失敗をいくつか挙げます。
- 先に出した物の上を別の物が通る「袖越し」になってしまう
- 緊張のあまり順番を取り違えて、自分の家族に先に出してしまう
- 誰か一人ぶんを出し忘れてしまう
- お茶を出すために何度も席を立ち、会話の腰を折ってしまう
- 湯呑みやカップの底が濡れていて、出した先がしっとりしてしまう
出す前に頭の中で「上座のお父様から、お母様、本人ふたり、最後にうち」と順番をひとつぶやきしておくと、取り違えや出し忘れがぐっと減ります。
何度も立ったり座ったりしないよう、最初の一杯は全員ぶんをまとめて手早く出すのがコツです。
万が一お菓子とお茶の左右が逆になっても、慌てて直そうとせず、にこやかに続けて大丈夫。
一度置いたものを何度も動かすほうが、かえって落ち着かない雰囲気になってしまいます。
大切なのは正確さよりも、落ち着いた優しい雰囲気です。
手が少し震えても、ゆっくり丁寧に動けば、それはちゃんと「心を込めている」と伝わります。
もし出している途中で順番を間違えたことに気づいても、その場で取り繕う必要はありません。
残りの方にきちんと行き渡らせて、最後に「お待たせしました」と一言添えれば、それで十分にていねいです。
完璧にこなそうとして表情がこわばるより、少し抜けても穏やかに笑っているほうが、よほど良い印象を残します。
失敗しても大丈夫、という気持ちで臨むと、不思議と失敗そのものが減るものです。
お茶を出すベストなタイミングと二杯目の出し方
「いつ出せばいいの」という悩みも、とても多いものです。
早すぎてもバタバタしますし、遅すぎても間が持ちません。
タイミングは順番と同じくらい、当日の印象を左右する部分です。
ここでは出すタイミングの考え方と、二杯目をどうするかを整理してお伝えします。
挨拶が落ち着いた頃にあまり間を置かず出す
お茶を出すタイミングの基本は、相手のご家族が部屋に通されて着席し、落ち着いた頃に、あまり間を置かず出すこと。
座っていただいてから出すまでに時間が空きすぎると、間が持たずに気まずくなってしまいます。
かといって、座る前にバタバタ出すのも落ち着きません。
「どうぞお掛けください」とご案内して、皆さんが腰を落ち着けた頃合いがちょうど良いタイミングです。
気をつけたいのは、挨拶のいちばん改まった山場と重ならないようにすること。
たとえば相手の方が「お嬢さんと結婚させてください」と切り出すような大事な瞬間にお茶を出すと、せっかくの言葉をさえぎってしまいます。
その前のひと呼吸、あるいは挨拶がひと段落したあとの落ち着いた時間を選ぶと、話の流れを邪魔しません。
着席してすぐにサッと出せるよう、お茶とお菓子は事前にお盆まで準備しておくと安心です。
お湯を沸かす、お菓子を皿に盛る、といった作業を当日その場で慌ててやると、どうしてもバタつきます。
お客様が到着する少し前に、出せる一歩手前まで整えておきましょう。
口直しのコーヒーや二杯目を出す目安と判断
最初に出すのは、日本茶(緑茶)と和菓子の組み合わせが定番です。
そして、話がはずんで場が和やかになってきた頃に、口直しとしてコーヒーや紅茶と洋菓子を出す、という二段構えにすると、おもてなしに奥行きが出ます。
最初から二種類を一度に出す必要はなく、時間をおいて切り替えるのがポイントです。
二杯目を出す時間にきっちりした決まりはありません。
「挨拶が一段落して、会話がやわらかくなってきたな」と感じた頃が目安です。
最初のお茶がぬるくなったり減ってきたりしたら、会話の切れ目にそっと淹れ直すのもよい気配り。
無理に二回出さなければいけないわけではなく、場の流れを見て自然に。
会話が盛り上がっているなら、無理に立ち上がらず、そのまま見守るのもおもてなしのうちです。
二杯目を出すときも、順番の基本は最初と同じです。
相手側のご家族から、上座の方を先に。
一杯目で流れをつかんでいれば、二杯目はずっと落ち着いて出せるはずです。
もし「コーヒーは飲めない」という方がいらっしゃるようなら、二杯目もお茶や、温かい白湯などに替える柔軟さがあると親切です。
事前に相手の好みがわからなくても、その場で「コーヒーと日本茶、どちらがよろしいですか」とひと声かければ、押しつけにならず、かえって気が利いた印象になります。
出すこと自体が目的ではなく、相手が心地よく過ごせることがいちばん。
そう考えると、選択肢をそっと差し出すのが、ちょうど良い距離感です。
うちの場合は、最初に少し良い煎茶と最中をお出しして、両家の挨拶がひと段落したタイミングでコーヒーと焼き菓子に切り替えました。
話が弾んでいたので、二杯目はあえてお茶が静かになった頃合いを見て出したら、ちょうど良い区切りになって、その後の会話もまた弾みました。
事前の準備であわてず動けるようにしておく
タイミングよく動くためにいちばん効くのは、やはり事前の準備です。
当日になって探し物をしたり、急須やカップが足りないと気づいたりすると、それだけで気持ちが焦ってしまいます。
前日までに、湯呑み・茶托・銘々皿・お盆・ふきんなどをそろえて、すぐ手に取れる場所に置いておきましょう。
茶器に欠けや汚れがないか、明るいところで確認しておくのも大切です。
お菓子は滞在時間が読めないことを考えて、数種類・少し多めに用意しておくと安心です。
和菓子と洋菓子の両方があれば、二段構えにも対応できます。
家族で「最初はこれ、二杯目はこれ」「お茶はこの順番で出すね」と軽く打ち合わせておくと、当日とても動きやすくなります。(予行演習なんて大げさ、と思うかもしれませんが、これが本当に効くんです)
もし当日、緊張でうまく動ける自信がないなら、家族の誰かと役割を分けておくのもひとつの方法です。
一人が運び、一人がそれとなくフォローする。
そうしておけば、万が一手が足りなくなっても、自然にカバーし合えます。
もうひとつおすすめなのが、当日の動線を一度たどっておくことです。
台所からお客様を通すお部屋まで、お盆を持って実際に歩いてみる。
どこにお盆を置くか、どの順で出すかを体で覚えておくと、本番で頭が真っ白になっても、手が自然に動いてくれます。
段差や敷物など、つまずきやすい場所がないかも、このとき確認しておくと安心です。
喜ばれるお茶とお菓子の選び方と当日の気配り
最後に、そもそも何を出せばいいのか、という疑問にお答えします。
「特別なものを用意しなきゃ」と気負いすぎなくて大丈夫。
基本を押さえつつ、ちょっとした気配りを添えれば十分に喜ばれます。
むしろ、奇をてらわない丁寧なおもてなしのほうが、好印象につながります。
緑茶で十分!桜湯や昆布茶は必須ではない
まず安心していただきたいのは、ふだんよりも少し良い緑茶を用意すれば、それで十分だということです。
「結婚のお祝いごとだから、桜湯や昆布茶を出さないといけないのでは」と心配される方もいますが、桜湯や昆布茶は、もともと結納や正式な両家の顔合わせといった、より改まった場で出される縁起物です。
結婚挨拶の段階では必須ではありません。
もちろん、華やかさを添えたくて桜湯を出すご家庭もありますし、それも素敵なおもてなしです。
ただ「用意しなかったから失礼」ということはまったくないので、安心してくださいね。
このあたりは地域やお家によって慣習が違う部分でもあります。
迷ったら無理をせず、いつもより少し丁寧に淹れた緑茶で気持ちを伝えれば大丈夫です。
お茶は熱すぎず、飲みやすい温度に淹れると、それだけで「気が利いているな」と感じてもらえます。
お茶の種類で迷うなら、煎茶や玉露など、香りのよい日本茶を選んでおけば間違いありません。
来客用に少し上等な茶葉をひとつ用意しておくと、こうした改まった場面で重宝します。
ほうじ茶や麦茶は普段使いの印象が強いので、最初の一杯には煎茶などを選び、二杯目以降にリラックスした飲み物として出す、という使い分けもできます。
大切なのは値段ではなく、相手を思って選んだという気持ちです。
お菓子は数種類用意し季節で温度を変える
お菓子は、和菓子と洋菓子をいくつか用意しておくと、二段構えにも対応できて便利です。
個包装のものや、切り分けずにそのまま出せるものを選ぶと、当日の手間が減ります。
相手の方の好みやアレルギーがあらかじめわかれば、それに配慮して選ぶと、より心のこもったおもてなしになります。
お菓子選びでは、季節感を取り入れるのもおすすめです。
春なら桜のお菓子、夏なら涼しげな水菓子、秋冬なら栗や芋を使ったものなど、その時季らしいひと品があると、会話のきっかけにもなります。
「この季節のお菓子なんですよ」とひと言添えれば、場がふっとやわらかくなることも。
値の張るものでなくてかまいません。
きちんと選んでくれた、という心づかいそのものが、相手の記憶に残ります。
お菓子を出すときは、食べやすさへの配慮も添えるとより親切です。
和菓子なら黒文字(和菓子用の楊枝)や小さなフォークを添える、取り分けが必要なものなら小皿を用意しておく。
こうした一手間があると、相手は気がねなくお菓子に手を伸ばせます。
包みを開けにくいお菓子は、あらかじめ食べやすい状態にして出しておくと、相手が困らずにすみます。
飲み物は季節に合わせて温度を変える心づかいも喜ばれます。
暑い時季に汗をかいて来てくださったなら、まずは冷たいお茶を一杯。
寒い時季なら、温かいお茶でほっとしていただく。
相手の状況を思いやって温度を選ぶ、その気持ちこそが、いちばんのおもてなしになります。
冷たいお茶を出すときは、グラスの水滴で相手の手や服を濡らさないよう、コースターを添えると親切です。
相手の手土産とかぶらないための心づかい
意外と起こりがちなのが、相手の方が持ってきてくださった手土産と、こちらが用意したお菓子がかぶってしまうことです。
たとえば相手が和菓子の手土産を持ってきて、こちらも和菓子だけを用意していた、というケース。
せっかくの気づかいが重なってしまうと、少し気まずいものです。
こんなときは、いただいた手土産を「お持たせで失礼ですが」と添えて、その場で一緒にお出しすると、相手も喜んでくれます。
種類がかぶってしまった場合は、手土産のほうを優先して出すと角が立ちません。
だからこそ、こちらのお菓子は和洋いくつか用意しておくと、どんな手土産が来ても柔軟に対応できて安心です。(こういう小さな備えが、当日の「どうしよう」をひとつ減らしてくれます)
なお、ご自宅ではなくレストランなどの外食で挨拶をする場合は、お茶出しそのものはお店の方がしてくれるので、順番に悩む必要はありません。
その場合は、席次(上座に相手のご家族をご案内する)や、注文のときに相手を立てる気配りに気持ちを向ければ大丈夫です。
そして、お茶を出したあとも、おもてなしは続いています。
会話が一段落したら、空いた湯呑みやお皿をさりげなく下げたり、温かいお茶をそっと注ぎ足したり。
出すときだけでなく、片づけや気配りまで含めて自然に振る舞えると、相手のご家族は「この家に大切にしてもらえそうだ」と感じてくれます。
とはいえ、気をつかいすぎて落ち着かないのも考えもの。
出すべきものを出したら、あとは肩の力を抜いて、会話そのものを楽しむ姿勢でいるのがいちばんです。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 結婚挨拶のお茶は、お客様である相手側のご家族から先に出す
- 相手側が複数なら、上座(入口から遠い席)の方から順番に出す
- 本人ふたりや自分の家族に出すのは、そのあとで問題ない
- 置く位置は、お客様から見てお菓子が左・お茶が右
- 出す順番はお菓子が先で、お茶が後
- 先に出した物の上を通る「袖越し」にならないよう気をつける
- 出すタイミングは、着席して落ち着いた頃にあまり間を置かず
- 最初は緑茶と和菓子、場が和んだら口直しにコーヒーと洋菓子
- 桜湯や昆布茶は必須ではなく、少し良い緑茶で十分
- お菓子は数種類用意し、手土産とのかぶりにも備えておく
順番が少しくらい前後しても、にこやかに、心を込めてお茶を差し出せば、その思いはきっと伝わります。
作法はあくまで、その気持ちをきれいに届けるための手助けにすぎません。
だから、覚えた手順に縛られて緊張するより、「来てくれてうれしい」という素直な思いを忘れないことのほうが、ずっと大切です。
お茶出しは、その日のほんの入り口にすぎません。
けれど、最初のお茶がすっと気持ちよく出されると、その後の会話までやわらかく流れ出します。
最初のひと口で場の空気がほどけることも、めずらしくありません。
大切な我が子が選んだ相手と、そのご家族を迎える一日。
当日の流れが少しでも頭に入っていれば、肩の力を抜いて、笑顔でその場を楽しめるはずです。
今日確認したことを思い出しながら、自分のお家らしいおもてなしで、温かい時間を過ごせたらいいですね。
