リクガメを飼い始めたのに、全然こっちを向いてくれない。
エサをあげても無反応で、本当になつくのかな…と不安になっていませんか?
じつはリクガメは、見た目の無表情さとは裏腹に、飼い主のことをちゃんと認識している生き物です。
時間はかかりますが、正しいアプローチを続けることで、後追いしてきたり手からエサを食べてくれたりと、じんわり嬉しい瞬間が必ずやってきます。
この記事では、リクガメがなつく理由・なついたときのサイン・絆を深める具体的な方法まで、実際の飼育経験も交えながらお伝えします。
リクガメはなつく、ただし「なつき方」が犬猫とは違う
結論からいうと、リクガメはなつきます。
ただし、犬や猫のようにじゃれついてくる「なつき方」とは少し違います。
犬なら帰宅したとたんに飛びついてくる、猫ならそっと膝に乗ってくる。
そういったわかりやすい愛情表現は、残念ながらリクガメには期待できません。
リクガメにはそもそも「じゃれる」という習性がなく、表情もほとんど変わらないため、最初は「本当にわかってるの?」と感じてしまうこともあります。
それでも、リクガメは飼い主と知らない人をきちんと見分けます。
慣れてくると飼い主の姿を探したり、後をついてきたり、エサをねだって近寄ってきたりするようになります。
「なつく」というよりも「慣れる・信頼する」という表現が近いかもしれませんが、その積み重ねの先にある関係は、決して犬猫に劣るものではありません。
リクガメが飼い主を認識できる3つの理由
なぜリクガメが飼い主を覚え、なついていけるのか。
その理由を知っておくと、日々のお世話の意味がより深く感じられるようになりますよ。
① 爬虫類の中でも学習能力が高い
リクガメは繰り返しの経験から学ぶ力を持っています。
毎日お世話をしてくれる人の顔・声・気配を少しずつ記憶し、「この人は安心できる」と認識するようになります。
最初はケージの隅で固まっていた子が、数週間後には近づいてくるようになるのは、この学習能力のおかげです。
② 条件反射で「安心できる人」として覚える
エサをあげるときに決まった合図(手を叩く・名前を呼ぶなど)を繰り返すと、約1か月ほどで合図に反応してやってくるようになるといわれています。
いわゆる条件反射の仕組みで、「合図=エサ=安心できる飼い主」という結びつきが脳内で強化されていくのです。
「エサ目当てで来てるだけじゃないの?」と思うかもしれませんが、警戒心の強いリクガメが近づいてくれること自体が、信頼の証です。
③ 個体ごとに性格が大きく違う
リクガメも一匹一匹、性格がまったく異なります。
物怖じしない好奇心旺盛な子もいれば、何か月たっても臆病なままの子もいます。
「なつかない」と感じても、それはその子の個性である場合がほとんどです。
焦らずその子のペースに合わせることが、関係を深める一番の近道になります。
リクガメがなつく具体的なサインと実例3つ
なついてきたリクガメは、どんな行動を見せてくれるのでしょうか。
実際の飼育現場でよく見られる3つの具体的なサインを紹介します。
① 飼い主を見つけて近づいてくる・後追いする
飼い主が帰宅したとき、ケージの端まで重い体を一生懸命動かして顔をのぞかせてくれる子がいます。
部屋を自由に歩かせている場合には、後をよちよちとついてくることも。
最初はケージ内でも端っこに隠れていた子が、いつの間にか飼い主の方向を向いて待つようになっていた、という話はよく聞きます。
② 手からエサを食べてくれるようになる
リクガメとの距離が縮まってきたことを実感できる、わかりやすいサインのひとつが「手からエサを食べる」という行動です。
最初は手を近づけるだけで首を引っ込めていた子が、少しずつ慣れてきて、手のひらの野菜を一生懸命パクパク食べてくれるようになります。
この瞬間の嬉しさは、リクガメ飼育の醍醐味のひとつです。
手のひらに伝わるリクガメの口の感触が、なんともいえず愛おしく感じられます。
③ 頭を撫でても首を引っ込めなくなる
リクガメは警戒すると首を甲羅の中に引っ込めます。
ところが、十分に慣れてきた子は頭や首を触られても引っ込めなくなり、なかには撫でられたまま眠ってしまう子もいるといわれています。
首を引っ込めずにいてくれるということは、「この人のそばは安全だ」と感じているということ。
そのリラックスした表情に、思わず顔がほころびますよ。
注意!やってはいけないこと
リクガメと仲良くなりたいという気持ちが強すぎると、逆効果になってしまうことがあります。
特に気をつけたいのは次の点です。
まず、いきなり触ろうとするのは絶対に避けてください。
人間でも初対面の人にいきなり距離を詰められると戸惑いますよね。
リクガメも同じで、慣れないうちに強引に触ろうとすると、怖がって余計に心を閉ざしてしまいます。
最初の数週間は「そこにいるだけ」を意識して、近くに座って声をかけるだけで十分です。
次に、飼育環境の不備を放置したままなつかせようとするのも危険です。
温度管理が不十分だったり、隠れる場所(シェルター)がなかったりすると、リクガメは常にストレスを抱えた状態になります。
どれだけ愛情をかけても、環境が整っていなければ信頼関係は築けません。
まずは快適な住まいを整えることが、なつかせることへの土台になります。
また、短期間で結果を求めすぎるのも禁物です。
「1週間たっても反応がない」「1か月経っても全然なつかない」と感じて諦めてしまう方もいますが、個体によっては数か月かかることもあります。
リクガメの平均寿命は約30年。
人生のパートナーとして長く付き合うつもりで、ゆったりと関係を育てていきましょう。
なつきやすいリクガメの種類はどれ?
リクガメの中でも、特に人に慣れやすいとされている種類を3つ紹介します。
これからリクガメを飼おうと考えている方は、参考にしてみてください。
ヘルマンリクガメ
ペットとして最も人気の高い種類のひとつで、オレンジと黒のコントラストが美しい甲羅が特徴です。
食欲旺盛で活発、物怖じしない性格から、リクガメの中でも特になつきやすいといわれています。
小型で飼育しやすく、初めてリクガメを飼う方にもおすすめです。
ギリシャリクガメ
甲羅の模様がギリシャ織に似ていることから名づけられた種類です。
臆病な面もありますが穏やかな性格で、温度・湿度の変化にも比較的強いため、飼いやすさと人懐っこさを兼ね備えています。
繁殖しやすく流通量も多いので手に入りやすいのも特徴です。
ロシアリクガメ(ヨツユビリクガメ)
穏やかで温和な性格と、好奇心の強さが魅力の種類です。
環境を探索することを楽しむ習性があり、飼い主と一緒に部屋を歩き回る姿がなんとも愛らしいです。
乾燥地帯出身なので湿度管理が比較的楽な点も、飼育のしやすさにつながっています。
ただし、種類よりも個体差の方が大きいことを忘れないでください。
同じ種類でも、ぐいぐい近づいてくる子もいれば、ずっとシャイなままの子もいます。
気に入った子を選んで、じっくり向き合っていくことが大切です。
まとめ:リクガメはなつく、時間と愛情が絆をつくる
リクガメはなつくのか?という問いへの答えは、「はい、なつきます」です。
犬や猫のような派手な甘え方ではないけれど、後追いしてきたり・手からエサを食べてくれたり・頭を撫でても安心してくれたりと、リクガメなりの方法で気持ちを表現してくれます。
そのさりげなさが、またたまらなく愛おしいのです。
- リクガメは学習能力が高く、飼い主の顔・声・気配を覚えられる
- 毎日同じ時間に合図をしながらエサを与えると、約1か月で反応するようになる
- 手からエサを食べる・後追いする・頭を撫でても平気になるのがなついたサイン
- なつきやすい種類はヘルマン・ギリシャ・ロシアリクガメだが、個体差が大きい
- 快適な飼育環境を整えることが、なつかせることの土台になる
「なかなかなついてくれない」と感じているとき、その寂しさや焦りはとても自然な気持ちです。
でも、リクガメはちゃんとあなたのことを見ています。
毎日のお世話の積み重ねが、確実に信頼へと変わっていきます。
ある日ふと、リクガメがこちらに歩いてくることに気づいた瞬間、「ああ、わかってくれてたんだな」と胸があたたかくなる日が、きっとやってきます。
そのときのために、今日も丁寧にお世話を続けてみてください。
リクガメとの時間は、ゆっくりとしているからこそ、深く豊かです。
最後に、ほかの不安もまとめて整理したいあなたは、こちらの記事もどうぞ。
⇒「はじめてのリクガメ飼育|後悔しないために最初に整理したい6つの不安」
