
子どもに「地球ってなんで宇宙に浮いてるの?落ちないの?」と突然聞かれて、一瞬フリーズしてしまったことはないですか?
「重力があるから…」とはなんとなく言えても、「じゃあなんで太陽に落ちないの?」と追い打ちをかけられると、言葉に詰まってしまいますよね。
難しく説明しようとして子どもをかえって混乱させるのも嫌だし、かといって「うーん…ちょっと難しいね」でごまかすのもなんとなくモヤモヤする。
そういう気持ち、よくわかります。
この記事では、物理の専門知識がなくても大丈夫なように、子どもにそのまま話せる説明の言葉とたとえを丁寧に紹介していきます。
読み終わったら、次に「なんで?」と聞かれたときに、自信を持って答えられるようになっているはずです。
地球は宇宙でぷかぷかと止まって浮いているわけじゃない
まず最初に、ひとつだけイメージを修正させてください。
地球は「何かに支えられてふわふわと止まって浮いている」のではありません。
宇宙の写真を見ると、地球がポツンと静止しているように見えますよね。
でも実は、地球は今この瞬間も、ものすごいスピードで動き続けているんです。
「え、そうなの?」と思った方も多いんじゃないでしょうか。
私も子どもに聞かれて調べてみるまで、正直ちゃんと理解できていなかったことに気づきました。
地球は太陽のまわりをぐるぐると回り続けている
地球は今も、太陽のまわりをものすごい速さで回り続けています。
その速さはなんと秒速約30キロメートル、時速にすると約10万8000キロメートル。(新幹線の時速が約300キロなので、それの360倍。もはや想像の外ですね)
この「太陽のまわりを一周する動き」を公転と言い、地球は1年かけてこの旅を続けています。
そしてこの「ずっと動き続けていること」こそが、地球が宇宙にいられる理由のカギです。
子どもに聞かれるまで、地球が秒速30キロで動いているなんて全然意識したことがありませんでした。
調べてみて正直びっくりして、「地球ってすごいね」と子どもと一緒に言ってしまいました。
自分が乗っているのに全然気づかない乗り物に乗っているみたいで、なんか不思議な気持ちになりました。
地球が落ちないのは太陽の重力と横への速さのバランスがあるから
「回っているのはわかったけど、じゃあなんで太陽に落ちないの?」という疑問が出てきますよね。
これが、地球が宇宙に浮いていられる最大のポイントです。
太陽は地球を強く引っぱっている
太陽はとても大きな星なので、周りにある物を引き寄せる力(重力)がとても強いです。
地球は常に太陽の重力に引っぱられていて、そのまま放っておけば太陽のほうへ落ちていくはずです。
でも実際には落ちていかない。
なぜでしょう?
地球は横にも猛スピードで進んでいる
ここが一番大事な部分です。
ボールをまっすぐ手から離すと下に落ちますよね。
でも、ものすごいスピードで横に投げると、落ちながらも遠くまで飛んでいきます。
地球はまさにこの状態です。
太陽に向かって「落ちながら」も、横へものすごいスピードで進んでいる。
だから「落ちているけど太陽に届かない」状態がずっと続いているんです。
これが「地球が太陽のまわりを回り続けている」ということです。
難しい言葉で言えば「重力と慣性のバランス」ですが、子どもに説明するときにその言葉は必要ありません。
「太陽に引っぱられながら、横への速さも持っているから、ぐるぐると回り続けている」という感覚が伝わればそれで十分です。
うちの子にボールを投げるたとえで話してみたとき、最初は首をかしげていたんですが、しばらく考えたあとに「じゃあ地球が遅くなったら太陽に落ちるの?」と聞いてきました。(なかなか鋭い)
「そうなるかもしれないね」と答えたら、少し間を置いてから「地球、頑張れ」とつぶやいていて。なんかかわいくて笑ってしまいました。」
宇宙には「上」も「下」も決まっていない
もうひとつ、子どもがよく混乱するポイントがあります。
「地球の下側に住んでいる人は落ちないの?」「地球の外に出たら落ちるの?」という疑問です。
これは「上と下」の感覚が、地球の上と宇宙では違うことを知ると解決します。
地球上の「下」は地球の中心に向かう方向
私たちが「下に落ちる」と感じるのは、地球が私たちを地球の中心に向かって引っぱっているからです。
地球の反対側に住んでいる人も、その人から見た「下」は同じく地球の中心の方向です。
地球がぐるりと球体になっているので、どこにいても「地球の中心が下」になる。
だから地球のどこに住んでいる人も、ちゃんと地面に立っていられるんです。
宇宙全体には決まった「下」がない
宇宙には地球のような「決まった中心点」がないので、上も下もどこかに決まっているわけではありません。
「落ちる」という感覚は、重力がある方向に引っぱられることです。
宇宙では星ひとつひとつがそれぞれ重力を持っていて、その引き合いの中で動いています。
宇宙全体で「ここが下」と決まった方向はない、ということです。
子どもにそのまま使える!わかりやすい説明例を5つ紹介
ここまでの内容を踏まえて、実際に子どもに話せる説明の例を紹介します。
お子さんの年齢や理解度に合わせて使い分けてみてください。
説明①「ぐるぐる回っているから落ちない」シンプルバージョン
止まって浮いているんじゃなくて、ずーっと動いているから、宇宙にいられるの。
一番シンプルで、幼稚園〜小学校低学年くらいのお子さんにも伝わりやすい説明です。
まずはここから入るのがおすすめです。
説明②「ボールを投げる」たとえバージョン
地球もそれと同じで、太陽に引っぱられながら横にも猛スピードで進んでいるから、ぐるぐると回り続けているんだよ。
「なんで太陽に落ちないの?」としつこく(!)追いかけてくる子には、このたとえが響きやすいです。
説明③「宇宙には上も下もない」バージョン
地球の反対側に住んでいる人が落ちないのは、地球がその人を引っぱってくれているから。
宇宙は地球と違って、どっちが下かっていう決まりがないんだよ。
「地球の下の人は落ちないの?」という疑問が出てきたときにそのまま使えます。
説明④「地球のまわりの月」で身近に感じるバージョン
月も地球に引っぱられながら、横への速さがあるから落ちてこない。
地球と太陽の関係も、これとおんなじ仕組みなんだよ。
説明⑤「乗り物みたいなもの」イメージバージョン
その乗り物が今もぐるぐると太陽のまわりを走り続けているから、宇宙の中にいられるんだよ。
走っている車の中にいる人が飛び出さないのと、ちょっと似てるかもしれないね。
注意!こんな説明はかえって混乱を招くことも
子どもに教えようとして、かえって伝わりにくくなるパターンもあります。
よくある落とし穴を確認しておきましょう。
- 「何かに支えられているから浮いている」→実際と違うイメージが定着してしまい、あとで混乱のもとになることがあります
- 「遠心力と重力のバランスで…」という難しい説明→概念が多すぎると小学生以下にはなかなか伝わりにくいことが多いです
- 「宇宙には重力がないから浮いている」→宇宙にも重力はあります。「重力がない」は誤解を招く表現です
まずはシンプルなたとえから始めて、子どもの「なんで?」に合わせて少しずつ深めていくのが、一番うまくいきやすい方法だと思います。
完璧な説明を目指さなくて大丈夫です。
我が家では説明④の月のたとえが一番食いつきがよかったです。
その日の夜、たまたま月がきれいに見えていたので、窓から一緒に月を見ながら話したのが良かったのかもしれません。
「月もぐるぐるしてるの?すごいね」と言ったあと、しばらく月をじーっと見ていました。
あの顔、なんか忘れられないですね。
地球が宇宙に浮いている不思議を、親子で一緒に楽しもう
この記事の内容をまとめると、こうなります。
- 地球は止まって浮いているのではなく、太陽のまわりをものすごいスピードで回り続けている
- 太陽の重力に引っぱられながら、横への速さも持っているから太陽に落ちずにいられる
- 宇宙には上も下も決まっていない。地球の上での「下」は地球の中心に向かう方向のこと
- 子どもへの説明は「ぐるぐる回っているから落ちない」というシンプルなたとえから始めるのがおすすめ
細かく正確に説明できなくても大丈夫です。
「地球は太陽のまわりをぐるぐる回り続けているから宇宙にいられる」という感覚がお子さんに伝わったら、それで十分です。
そして、もし子どもが「じゃあなんで回っているの?」「宇宙の端はどうなってるの?」「他の星も同じなの?」とさらに聞いてきたら……それはもう大チャンスです。
「一緒に調べてみようか」「図書館で本を探してみる?」「プラネタリウムに行ってみようか」
そう言えるきっかけになるのが、子どもの「なんで?」という疑問のいちばんいいところだと思います。
完璧に説明できなくても、「一緒に不思議を楽しめる大人」でいられたら、それって素敵なことじゃないですか。
夜、月が見えるときにちょっと空を見上げながら、「あの月も地球のまわりを回っているんだよ」と話してみる。
そんな小さな会話が、子どもの中に宇宙への興味の種をそっと植えてくれるかもしれません。
