
ペットショップで、ころんとした小さなリクガメと目が合ってしまった。
あのなんとも言えない可愛さに、「飼ってみたいな」と思う一方で、「でも、飼って後悔しないかな?」という気持ちがふっと頭をよぎる。
そんなふうに、欲しい気持ちと不安の間で立ち止まっていませんか。
リクガメを飼って後悔する人の多くは、「種類選びの誤算」「温度や健康の管理でのつまずき」「自分の生活との両立の難しさ」という、だいたい3つのどれかでつまずいています。
逆に言えば、この3つを迎える前に知って準備しておけば、後悔はぐっと減らせるということでもあります。
そして、もうひとつ大事なこと。
小型のリクガメを正しい環境で迎えれば、手間も費用も、思っているより現実的な範囲に収まります。
鳴き声や臭いで近所に気をつかうことも少なめ。
だから、必要以上に身構えなくて大丈夫です(もちろん、ラクなことばかりではないので、そこも正直にお話ししますね)。
焦って今日決める必要はありません。
この記事を読んで、「自分の暮らしなら飼えそう」か「今はちょっと見送ろう」か、自分の手で判断できるようになれば、それがいちばんいい結論です。
この記事でわかること
- リクガメを飼って後悔しやすい3つの理由とその避け方
- 後悔しにくい種類の選び方と、それぞれの大きさや特徴
- 初期費用や毎月のお金、1日の世話の現実的なイメージ
- 飼育に向いている人・今は見送ったほうがいい人の見分け方
リクガメを飼って後悔する人の主な理由
後悔を避けるいちばんの近道は、先に「みんながどこでつまずいているのか」を知っておくことです。
落とし穴の場所が分かっていれば、避けて歩けますよね。
ここでは、よくある後悔を大きく3つに分けて見ていきます。
どれも、あらかじめ知っておくだけで防ぎやすくなるものばかりです。
大きくなる種類を知らずに迎えてしまう
いちばん多い後悔が、これです。
ペットショップに並んでいる子ガメは、手のひらにのるくらい小さくて可愛い。
でも、その子が将来どのくらいの大きさになるかは、種類によってまったく違います。
たとえば、初心者に人気のヘルマンリクガメやロシアリクガメ、ギリシャリクガメといった小型種は、甲羅の長さ(甲長)が20cm前後にとどまります。
これなら室内の飼育スペースでも十分に対応できます。
一方で、ケヅメリクガメのような大型種は、最大で80cm近くまで成長します。
同じ「ころんとした子ガメ」でも、行きつく先がまるで違うんですね。
大きくなってから「こんなはずじゃなかった」と慌てても、リクガメは元のサイズには戻りません。
大型種は一部屋まるごと使うくらいのスペースや、力のいるお世話が必要になることもあります。
種類を確認せずに「可愛い」だけで迎えてしまうと、ここで一気に後悔につながってしまいます。
逆に、最初に「この子は最大どのくらいになるのか」を調べておくだけで、この落とし穴はまるごと避けられます。
温度や健康の管理でつまずく
リクガメはもともと暖かい地域の生き物なので、寒さが苦手です。
ケージの中を一定の暖かさに保ってあげないと、体調を崩してしまいます。
温度管理が不十分だと、呼吸器の病気や甲羅の変形といったトラブルにつながりやすくなります。
特に難しいのが、ピンポン玉くらいの小さな赤ちゃんガメ(ベビー)です。
体が小さいぶん環境の変化に弱く、温度や湿度の管理がとてもシビア。
飼育経験のない人がいきなりベビーから始めると、ここでつまずいてしまうケースがあります。
実際に、知識が十分でないままベビーを迎えて、温度管理の失敗から命を落とさせてしまった、という体験を発信している飼育者もいます。
「思っていたより繊細だった」という声は、後悔の中でもよく聞かれるものです。
でも、これは裏を返せば「準備でカバーできる後悔」でもあります。
温度や紫外線の管理のコツを最初に押さえ、はじめは丈夫に育った個体から始めれば、つまずきはぐっと減らせます。
長い寿命と毎日の世話を続けられなくなる
リクガメは、とても長生きします。
小型種でも30年級、種類によっては50年以上一緒に過ごすことも珍しくありません。
これは「ペット」というより「人生の長い時間を共にする家族」に近い感覚です。
毎日の世話そのものは、派手に大変というわけではありません。
でも、温度の確認、餌やり、糞や食欲のチェック、床材の掃除といった地味な作業を、何十年も毎日コツコツ続ける必要があります。
引っ越しや転職、家族構成の変化など、人生のいろいろな場面でこの子と暮らし続けられるか。
そこを想像せずに迎えてしまうと、途中で「続けられない」と感じてしまうことがあります。(ここはちょっと重たい話ですよね。でも、先に考えておくほど後悔は減ります)
実際に、「環境の変化で世話を続けられなくなり、泣く泣く里親を探した」という声や、「大きくなりすぎて手に負えなくなった」という声も見かけます。
こうした話は不安を煽るためではなく、先に知っておけば同じ後悔を避けられる、という意味でとても参考になります。
大切なのは、今の生活だけでなく、5年後10年後の自分の暮らしまで、ゆるやかに思い描いてみることです。
私も最初は「可愛い」だけで飼いたくなりましたが、ふと「30年後も世話できるかな」と不安になり、半年ほど調べてから迎えました。
あのとき立ち止まってよかったと、今でも思っています。
後悔の前に知っておきたいリクガメの基本
なぜ後悔が起きるのか。
その背景には、リクガメという生き物ならではの特徴があります。
ここを先に押さえておくと、「自分に合うかどうか」がぐっと判断しやすくなります。
難しい話はしないので、肩の力を抜いて読んでくださいね。
寿命は数十年と長く家族として迎える覚悟がいる
さきほども触れましたが、リクガメの寿命は本当に長いです。
小型種でも30年前後、大型種では50年、まれに100年近く生きる個体もいると言われています。
これは、デメリットというよりリクガメの魅力でもあります。
長い時間をかけて、少しずつ心が通っていく。
そんな付き合い方ができる生き物は、そう多くありません。
実際に、朝になるとお気に入りの場所で目を覚まし、お腹がすくと飼い主のところまで歩いてきて餌をねだる、という子もいるそうです。
頭がよく、飼い主の顔や声を覚えてくれる、という声もあります。
ただ、その時間の長さを「いいな」と思えるか、「重いな」と感じるかは、人によって分かれます。
ここを正直に自分に問いかけてみることが、後悔しないための第一歩です。
温度と紫外線の管理が健康を左右する
リクガメの健康を支える二本柱が、温度と紫外線です。
温度は、種類にもよりますが、ケージ内を25~30℃前後に保つのが基本です。
夜は20℃程度まで下がっても大丈夫なことが多いですが、寒くなりすぎないように保温器具とサーモスタット(温度を自動で管理する機械)を使います。
直接リクガメに冷たい風が当たると体調を崩す原因になるので、そこも気をつけたいポイントです。
冬の保温ばかり気にされがちですが、夏も油断は禁物です。
真夏に締め切った部屋でライトをつけっぱなしにすると、ケージ内が暑くなりすぎることもあるので、暑さ対策もセットで考えておきましょう。
もうひとつが紫外線。
リクガメは紫外線(UVB)を浴びることで、甲羅や骨を健康に保つために必要なカルシウムをうまく使えるようになります。
専用のUVBライトを使い、ライトはおよそ6か月ごとに交換します。
見た目は光っていても、紫外線を出す力は少しずつ落ちていくので、ここをサボると健康トラブルにつながりやすくなります。
もうひとつ、初心者がよく迷うのが「冬眠」です。
野生のリクガメは冬眠することがありますが、飼育下では無理にさせなくて大丈夫です。
むしろ、知識や準備が不十分なまま冬眠させると、消化しきれずに残った食べ物が体の中で傷んでしまい、命にかかわることもあります。
冬もヒーターで暖かさを保ち、冬眠させずに過ごす飼い方のほうが、初心者には安心です。
どうしても冬眠に挑戦したい場合は、約1か月前から餌を控えてお腹を空にし、5℃を下回らないよう温度を管理するなど、しっかりした準備が必要になります。
草食中心の食事と毎日の観察が欠かせない
リクガメの食事は、基本的に草食です。
タンポポやクローバー、オオバコといった野草や、葉野菜が中心になります。
お肉や人間の食べ物をあげる必要はありません。
ただし、何でもあげていいわけではないので注意が必要です。
- ほうれん草はカルシウムの吸収をじゃまする成分が多いので控えめに
- ネギ類やアボカドは体に害のある成分を含むので与えない
- 野草や葉野菜をバランスよく、カルシウムも補ってあげる
ちゃんと食べているか、糞の様子はどうか、動きはいつも通りか。
毎日の小さな観察が、病気の早期発見につながります。
この「見てあげる時間」を楽しめる人ほど、リクガメ飼育は向いていると言えます。
逆に、忙しさで毎日の様子をまったく見られない生活だと、小さな不調を見逃しやすくなってしまいます。
もうひとつ忘れたくないのが、お水です。
新鮮な水をいつでも飲めるようにしておき、種類や体調に応じて、ぬるま湯で体を温める温浴をさせる飼い主さんもいます。
温浴には体を温めたり、排泄をうながしたりする役割があると言われています。
やり方は種類によって向き不向きがあるので、迎えたお店や病院で相談しながら、その子に合ったお世話を見つけていくと安心です。
後悔しにくい種類の選び方と特徴
後悔を防ぐうえで、いちばん効くのが種類選びです。
自分の暮らしに合った種類を選べば、それだけで後悔のリスクは大きく下がります。
ここでは、初心者に向く種類を中心に、それぞれの大きさや特徴を見ていきましょう。
初心者にやさしい小型のヘルマンリクガメ
「リクガメの入門種」としてよく名前があがるのが、ヘルマンリクガメです。
丈夫でおとなしく、人にも馴れやすいと言われ、はじめての一匹に選ぶ人が多い種類です。
大きさは、最大で甲長35cm前後ですが、ニシヘルマンリクガメという基亜種は19cm前後と小さめにおさまります。
室内で飼える現実的なサイズ感なので、賃貸やマンションでも対応しやすいのが嬉しいところです。
性格も穏やかで、はじめてのリクガメに安心して選べる種類です。
丈夫で人気のロシアリクガメとギリシャリクガメ
ヘルマンと並んでよくおすすめされるのが、ロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ、ヨツユビリクガメとも呼ばれます)とギリシャリクガメです。
ロシアリクガメは、丈夫さと飼いやすさで定評があります。
大きさは最大で甲長28cm、平均すると15~20cmほど。
ただ、最近は以前より見かける機会が減っていて、入手がやや難しくなっていることもあります。
ギリシャリクガメは飼育の情報が多く、こちらも入門種として人気です。
大きさは最大で甲長38cm、平均20~25cmほど。
3種それぞれに少しずつ個性があるので、表で並べて見てみましょう。
| 種類 | 最大甲長の目安 | 特徴 |
| ヘルマンリクガメ | 35cm前後(ニシヘルマンは19cm前後) | 丈夫でおとなしく入門向き |
| ロシアリクガメ | 28cm(平均15~20cm) | 丈夫だが入手しにくいことも |
| ギリシャリクガメ | 38cm(平均20~25cm) | 情報が多く飼いやすい |
どれも小型種なので、室内飼育がしやすく、はじめてのリクガメとして安心して選べます。
お店で選ぶときは、目や鼻がきれいで、手にのせたときにしっかり脚を動かす、活発で元気そうな個体を選ぶと、その後の飼育が安定しやすくなります。
大型になるケヅメリクガメは慎重に考える
一方で、よく注意が必要なのがケヅメリクガメです。
子ガメのころは小型種と見分けがつかないほど可愛いのですが、最大で80cm近くまで大きくなる大型種です。
世界でも有数の大きさになるリクガメで、寿命も30~50年、まれに100年近いとも言われます。
大きくなると、一部屋まるごと使うか、庭に専用のスペースを用意する必要が出てきます。
残念ながら、大きくなって飼いきれなくなり、手放されてしまう例が後を絶たないのも事実です。
「とりあえずなんとかなる」で迎えるには、負担が大きすぎる種類。
よほど広いスペースと長期的な準備がない限り、初心者は慎重に考えたほうが安心です。
可愛さに惹かれる気持ちはとてもよく分かりますが、ここはぐっとこらえて、将来の姿まで想像してみてください。
子ガメと成体のどちらを迎えるか
もうひとつの分かれ道が、赤ちゃんガメ(ベビー)から育てるか、ある程度大きくなった個体を迎えるかです。
ベビーは可愛さでは抜群ですが、温度や湿度の管理がシビアで、飼育の難易度は高め。
飼育がはじめての人には、少し大きく育った丈夫な個体のほうが安心して育てられます。
「どうしてもベビーから」という場合は、しっかり知識をつけ、信頼できるお店で相談しながら迎えるのがおすすめです。
最初の一匹で無理をしないことも、後悔を防ぐ立派な選択です。
お迎えのタイミングも、ちょっとした工夫で安定しやすくなります。
寒さに弱いリクガメにとって、急に冷え込む真冬よりも、気候が落ち着いた春から初夏にかけては、環境に慣らしやすい時期です。
もちろん、冬でも保温の準備が整っていれば問題ありませんが、はじめての一匹なら、気温が安定した季節に迎えると、お互いに無理なくスタートできます。
気になる費用と毎日の世話のリアル
「お金はどのくらいかかるの?」「毎日どれくらい手間がかかるの?」ここが気になって踏み出せない人も多いですよね。
なるべく具体的な数字とイメージでお伝えするので、自分の生活に当てはめて考えてみてください。
初期費用と毎月のランニングコストの目安
まず最初にかかるのが、飼育環境をそろえる初期費用です。
- ケージ
- UVBライト
- 保温器具
- サーモスタット
- 床材
リクガメ本体も含めると、3~5万円くらいを見ておくと安心です。
毎月のランニングコストで大きいのは電気代です。
照明と保温を合わせて、小型種なら年間でおよそ7,000円台から、というのがひとつの目安です(地域や種類、飼い方によって変わります)。
月にならすと数百円程度のイメージですね。
これに餌代や、ライトの定期交換費用が少し加わります。
- 初期費用:設備込みでおよそ3~5万円
- 電気代:小型種で年間およそ7,000円台~(地域差あり)
- その他:餌代、UVBライトの交換(約6か月ごと)など
電気代は季節で差があり、保温をしっかり使う冬場のほうが高くなりやすく、照明が中心の夏場はおさえやすい傾向があります。
大型種を飼う場合や寒い地域では、保温の負担が大きくなるぶん、もう少しかかると考えておきましょう。
ここを「思っていたより現実的だな」と感じられたなら、お金の面の不安はかなり軽くなったはずです。
1日の世話の流れと所要時間
毎日の世話は、慣れればそれほど時間はかかりません。
ざっくりした流れはこんな感じです。
- 朝:ケージの温度を確認し、ライトをつける
- 餌やり:野草や葉野菜を用意して与える
- 観察:食べ具合、糞の様子、動きをチェック
- 掃除:糞を取り、床材を簡単に整える
床材は掃除のしやすさや、誤って口に入れても安心なものを選ぶと、毎日のお世話がラクになります。
意外と見落としがちなのが脱走対策。
リクガメは見た目によらず力が強く、よく動くので、ふたや囲いはしっかりしたものにしておくと安心です。
毎日のお世話に加えて、週に一度や月に一度のペースでやることもあります。
床材をまとめて交換したり、ケージ全体をきれいに掃除したり、ライトや保温器具がちゃんと働いているか点検したり。
といっても、どれも難しい作業ではありません。
掃除のしやすいレイアウトにしておけば、休日のちょっとした時間でさっと終わります。
ポイントは、難しさよりも「毎日続くこと」です。
一回一回は短くても、これが何十年も続くと考えると、生活の一部としてなじむかどうかが大事になります。
「世話が苦」ではなく「世話が楽しみ」と思える人は、リクガメ飼育に向いています。
旅行や留守番はどうするのか
ここは、特に共働きや一人暮らしの人が気になるところですよね。
健康な成体であれば、2泊3日くらいの短期のお留守番は対応できるという飼育者の声があります。
リクガメは1日や2日餌を食べなくても問題ないことが多く、温度管理さえ保てれば短期の外出はカバーしやすいんですね。(チンゲン菜を束で、ライトから遠い場所に置いておくと長持ちする、という工夫を紹介している人もいます)
ただし、これはあくまで短期の話。
長期の不在が多い生活だと、温度管理や世話の面でどうしても無理が出てきます。
長く家を空けることが多い人は、ペットホテルや預け先を事前に確保できるか、あらかじめ考えておくと安心です。
「いざというとき頼れる場所がある」というだけで、ずいぶん気持ちが楽になりますよ。
また、留守にする前は、ケージの温度が自動で保たれているか、サーモスタットがきちんと働いているかを確認しておくと安心です。
短期の外出なら、出かける前にいつもより少し多めに餌を用意し、帰ってきたら真っ先に様子をチェックする。
この小さなひと手間で、留守番の不安はぐっと減らせます。
賃貸や一人暮らしでも飼えるのか
「賃貸だけど大丈夫かな」「一人暮らしでも飼えるのかな」という不安、よく分かります。
結論から言うと、条件さえ確認できれば、賃貸や一人暮らしでもリクガメと暮らすことは十分可能です。
ここでは、その確認ポイントを見ていきます。
賃貸で飼うときに確認しておきたいこと
まず大事なのが、住まいのルールの確認です。
ペット可の物件でも、飼えるペットの種類やサイズが決められていることが珍しくありません。
「ペット可だから大丈夫」と思い込まず、リクガメ(爬虫類)を飼っていいか、管理会社や大家さんに確認しておくと安心です。
リクガメはケージの中で飼うので、室内を傷つけたり走り回ったりする心配は少なめ。
とはいえ、後でトラブルにならないよう、事前のひと声をかけておくのが大人の付き合い方ですね。
これから物件を探す人は、リクガメを飼いたいと最初に伝えておくと、あとあとスムーズです。
鳴き声や臭いの心配は少ない
賃貸で気になるのが、鳴き声や臭いによるご近所トラブルです。
その点、リクガメはとても静かな生き物。
犬のように吠えることもなく、騒音の心配はほとんどありません。
臭いについても、「飼っていて悪臭を感じたことはない」という飼育者の声が多く見られます。
こまめに糞を取り、床材を清潔に保てば、臭いで悩むことは少ないでしょう。
静かで臭いも控えめという点は、集合住宅で暮らす人にとって大きな安心材料です。
夜中に鳴いて眠れない、といった心配がないのは、忙しい毎日を送る人にとってありがたいですよね。
お部屋の中でのケージの置き場所も、少し意識したいポイントです。
エアコンの風が直接当たる場所や、直射日光で急に暑くなる窓ぎわは避けて、温度が安定しやすい場所に置いてあげましょう。
ケージの重さに耐えられる安定した台の上に置くと、毎日のお世話もしやすく、リクガメも落ち着いて過ごせます。
近くに診てくれる動物病院があるか確かめる
意外と見落とされがちで、でもとても大事なのが、病院の確認です。
リクガメのような生き物は「エキゾチックアニマル」と呼ばれ、どの動物病院でも診てもらえるわけではありません。
体調を崩したときに、近くに診てくれる病院がないと、いざというとき困ってしまいます。
迎える前に、通える範囲にエキゾチックアニマルに対応した動物病院があるかどうかを調べておきましょう。
これができているかどうかで、飼ってからの安心感がまるで違います。
元気なうちに一度受診して、かかりつけにしておくのもおすすめです。
犬や猫ほど頻繁でなくても、年に一度くらいの健康チェックを受けておくと、甲羅や体重の変化など、家では気づきにくいサインを早めに見つけてもらえます。
リクガメは体調が悪くてもじっと我慢してしまうことがあるので、プロの目で定期的に見てもらえる関係をつくっておくと、長い付き合いのなかでとても心強い味方になります。
私は迎える前に、車で30分以内に爬虫類を診てくれる病院があるかを調べました。
1件見つかっただけで、ぐっと気持ちが楽になったのを覚えています。
後悔しないための迎える前チェックリスト
ここまで読んでくださったあなたは、もうリクガメ飼育の現実が、かなり具体的に見えてきているはずです。
最後に、「自分は飼うべきか、今は見送るべきか」を判断するための材料を整理しておきましょう。
ここで大事なのは、優劣をつけることではなく、今のあなたの暮らしとリクガメの相性を見ることです。
当てはまる項目が多いほうを、そっと選んでみてください。
リクガメ飼育に向いている人
こんな人は、リクガメとの暮らしを楽しめる可能性が高いです。
- 長い時間をかけて、ゆっくり関係を育てていきたい人
- 毎日の小さな世話をコツコツ続けるのが苦にならない人
- 室内に飼育スペースを確保できる、住環境が安定している人
- 近くにエキゾチック対応の病院がある人
今は見送ったほうがいい人
反対に、こんな場合は、いったん立ち止まって考えるのがおすすめです。
- 長期で家を空けることが多く、世話を続けるのが難しい人
- 飼えるスペースや住まいのルールがまだ確認できていない人
- 数十年という寿命に、まだ気持ちの準備ができていない人
- 大型種に惹かれているが、広いスペースを用意できない人
「曖昧なまま飼って後悔する」より、「納得して決める」ほうが、あなたにとってもリクガメにとっても幸せな選択です。
今は見送っても、準備が整ったタイミングで迎えれば、それでいいのですから。
迎える前に確認したい項目
最後に、迎える直前にチェックしておきたい項目をまとめます。
- 飼育スペースと、将来の大きさに見合う広さがあるか
- 初期費用(3~5万円目安)と毎月のコストに無理がないか
- 毎日の世話の時間を確保できるか
- 賃貸ならリクガメを飼っていいか確認できているか
- 近くに診てくれる動物病院があるか
- 家族みんなが迎えることに賛成しているか
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- リクガメの後悔は「種類選び」「温度や健康管理」「生活との両立」の3つに集約される
- 後悔の多くは、迎える前に知って準備すれば防げる
- 大きくなる種類を知らずに迎えると、後悔につながりやすい
- 初心者にはヘルマン・ロシア・ギリシャなどの小型種が向いている
- ケヅメリクガメは最大80cm近くになる大型種で、慎重な検討が必要
- 初期費用は設備込みでおよそ3~5万円、電気代は小型種で年間7,000円台~が目安
- 毎日の世話は短時間でも、数十年続けられるかが大切
- 静かで臭いも少なく、賃貸や一人暮らしでも条件次第で飼える
- 迎える前に、エキゾチック対応の動物病院が近くにあるか確認する
- 飼う・見送るどちらも、納得して決めることがいちばん大事
後悔のポイントと避け方が分かった今なら、あなたはもう、感情だけでなく現実も見たうえで判断できます。
可愛さに惹かれた気持ちと、調べて見えてきた現実、その両方を大切にできたこと自体が、いい飼い主さんへの第一歩です。
もし「これなら一緒に暮らしていけそう」と思えたなら、その気持ちを大切に、ゆっくり準備を始めてみるのもいいですよね。
逆に「今はタイミングじゃないかも」と感じたなら、それもまた、あなたとリクガメの両方を思いやれた、やさしい答えだと思います。
あなたが納得して選んだ未来が、いちばん幸せな未来になりますように。
