リクガメは放し飼いできる?室内で安全に歩かせる5つのコツとは?

リクガメをお迎えしようと調べていると、お部屋の中をトコトコ歩く動画を見かけて「うちの子も、こんなふうに放し飼いでのびのび暮らさせてあげられたらいいな」って思いますよね。

ケージの中だけだと、なんだか窮屈そうで「かわいそうかな」と感じてしまう、そのやさしい気持ち、とてもよくわかります。

先に、いちばん知りたいところをお伝えしますね。

一日中ずっとお部屋に放しっぱなしにする「完全な放し飼い」は、正直むずかしい面があります。

でも、ケージをこの子のおうち(基地)にしながら、暖かい時間帯に飼い主さんが見守って歩かせる「部屋んぽ」なら、安全にのびのびさせてあげられます。

つまり「ケージか、放し飼いか」の二択ではなく、両方のいいとこ取りをするのが、いちばん安心で続けやすいやり方なんです。

「なんだ、完全な放し飼いは無理なのか…」と少しがっかりさせてしまったかもしれません。

でも大丈夫。

焦らなくていいんです。

ポイントさえ押さえれば、ケージで安心して暮らしながら、お部屋を探検する楽しい時間もちゃんと作ってあげられます。

この記事を読み終わるころには、「うちの場合はこうしよう」と、自分なりの答えがきっと見えていますよ。

テレビやSNSで見る、お部屋をのんびり歩くリクガメの姿。

あれにあこがれる気持ちは、この子のことを大切に思っているからこそですよね。

その気持ちは、ちゃんと形にできます。

やり方を少し工夫してあげるだけで、安全に、そして無理なく、あの光景に近いひとときを作ってあげられるんです。

この記事でわかること

  • 完全な放し飼いがむずかしい理由と、ケージ+部屋んぽが安心なワケ
  • 室内で起きやすい失敗と、ヒヤッとしやすい場面
  • 安全にのびのび歩かせる部屋んぽの始め方と1日の流れ
  • 放し飼い(部屋んぽ)に向いている子や、うちの住まいでできるかの見分け方
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完全な放し飼いがむずかしくケージと部屋んぽの組み合わせが安心な理由

まず、どうして「完全な放し飼いはむずかしい」のか、ここをやさしくほどいていきますね。

理由がわかると、「じゃあこうすればいいんだ」という対策も自然と見えてきます。

大きく分けると、リクガメには温度・紫外線・安全という3つの大事なポイントがあって、これがお部屋全体だと意外とそろえにくいんです。

ひとつずつ見ていきましょう。

自分で体温を作れないから室温と暖かさの管理が欠かせない

リクガメは変温動物といって、自分の力で体温を作り出すことができません。

まわりの温度に体温をゆだねている、と言うとイメージしやすいでしょうか。

だから飼育では、温度を一定に保ってあげることがとても大切になります。

目安としては、日中はおおむね20〜28℃くらい、夜は20℃前後がひとつのラインとされています(種類や飼い方によっては、日中28〜32℃を目安にする情報もあり、ここは幅があります)。

逆に28℃を超えると暑がってじっとして動かなくなったり、逆に寒すぎると固まったように動けなくなって、食欲や体調を崩しやすくなります。

ケージの中なら、保温器具やヒーターを使って、この温度をコントロールしやすいんです。

ところがお部屋全体となると話は別。

床の近くは私たちが思うよりずっと冷えていますし、冬場のフローリングなんて、ひんやり冷たいですよね。

一日中そこに放しておくと、知らないうちに体が冷えてしまうことがあります(人間でいうと、真冬に薄着で床に寝そべっているようなもの…ちょっと想像すると、つらいですよね)。

だからこそ、暖かい時間帯を選んで、短い時間だけ歩かせる「部屋んぽ」スタイルが理にかなっているんです。

逆に夏は、お部屋が暑くなりすぎることにも気をつけたいところ。

閉め切った部屋は思った以上に高温になりやすく、暑さで弱ってしまうこともあります。

暑い季節は風通しや室温にも目を配って、いちばん過ごしやすい時間を選んであげてくださいね。

お部屋で歩かせるときは、床の近くに温度計をひとつ置いておくと、目で見て安心できます。

私たちの体感と、床のすぐ上の温度は意外とちがうもの。

数字で確認できると、今日は暖かいから少し長めに、今日は冷えるから短めに、と判断しやすくなります。

甲羅や骨の健康を守る紫外線はお部屋全体ではまかないにくい

もうひとつ大事なのが、紫外線です。

とくにUVBと呼ばれる紫外線は、リクガメが体の中でビタミンD3を作り、カルシウムをしっかり吸収するために欠かせません。

これが足りないと、甲羅や骨がうまく育たなかったり、健康を崩す原因になることがあります。

野生のリクガメは太陽の光をたっぷり浴びてこれを補っていますが、おうちの中では、窓ガラス越しの光ではUVBはほとんど届かないとされています。

そこで飼育では、紫外線ライトを使って光を当ててあげるのが基本です。

照射時間の目安は1日およそ8〜12時間(夏は10時間、冬は8時間など季節で調整)とされています。

ここで考えてみてほしいんです。

紫外線ライトは、ケージの上など決まった場所に設置するもの。

お部屋を自由に歩き回っていると、その光の下にずっといるとは限りませんよね。

結局、紫外線をきちんと浴びる時間は、ケージの中で過ごしているからこそ確保できる、というわけなんです。

これも「ケージを基地にする」のが安心な理由のひとつです。

ちなみに、紫外線ライトには寿命があって、見た目は光っていても紫外線の量は少しずつ弱くなっていきます。

半年から1年くらいを目安に交換するとよいとされています。

せっかく当てているつもりでも効果が落ちていた、ということがないように、交換の時期もときどき思い出してあげてください。

お部屋を歩く時間に日なたぼっこのような心地よさはありますが、健康を支える紫外線そのものは、やっぱりケージのライトが頼りになります。

トイレを覚えず誤飲やケガのリスクもあるから見守りが必要

リクガメは、犬や猫のようにトイレの場所を覚えることができません。

歩きながら、その場でしてしまうのが自然な姿です。

さらに、リクガメのおしっこには尿酸という成分が含まれていて、フローリングにそのままにしておくと、白い跡が残ってしまうことがあります。

すぐ拭けば大丈夫なことも多いのですが、放し飼いだと「いつどこでしたか」を見逃しがちなんですよね。

それに、リクガメは見た目ののんびりした印象とちがって、意外なほどよく動きます。

とくに室温が25℃以上あると活発になって、お部屋の隅から隅まで探検します。

その途中で、電気コードをかじったり、落ちている小さな物を飲み込んだり、家具のすき間にはまり込んだりといった事故が起きやすいんです。

だから、歩かせるときは飼い主さんがそばで見守ってあげることが、何より大切。

「ずっと放しっぱなし」だと、この見守りができないんですね。

見守りというと身構えてしまいそうですが、特別なことをするわけではありません。

同じ部屋で家事をしたり、コーヒーを飲みながら眺めたり。

その“ついで”の視線の中で、コードに近づいたら離す、すき間に入りそうなら向きを変えてあげる。

そのくらいの距離感で十分です。

むしろ、歩く姿を眺める時間は、飼い主さんにとってもほっとできるひとときになりますよ。

うちでは冬になると、リビングの床が思った以上に冷たくて。

試しに床のすぐ上に温度計を置いてみたら、お昼でも18℃しかなくて驚きました。

それからは、お部屋を歩かせるのは午後の暖かい時間だけ、と決めています。

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室内でやりがちな失敗と気をつけたい場面

ここからは、実際にお部屋で歩かせるときに「あ、これやりがち」という失敗を具体的に見ていきます。

こわがらせたいわけではなくて、先に知っておけば、ほとんどはちゃんと防げるものばかり。

3つの場面に分けてお話ししますね。

どれも「うっかり」で起きてしまうことばかりで、特別に不注意なわけではありません。

リクガメの行動を知らないと気づきにくいだけなんです。

だから、先回りして知っておくことが、いちばんの予防になります。

電気コードや小物をかじる飲み込んでしまうトラブル

いちばん多いのが、誤飲とかじりです。

リクガメは口に入りそうな物に、けっこう興味を示します。

テレビやスマホの充電コード、延長コード、コンセントまわりは、かじってしまうと感電やケガにつながる危険があるので要注意です。

ほかにも、こんな物が床に落ちていないかチェックしてみてください。

  • 輪ゴム、ボタン、ビーズ、小さなおもちゃなど、飲み込めるサイズの物
  • ビニール袋や食品の包み(においにつられてかじることがあります)
  • 観葉植物(かじると体に良くない種類もあり、鉢を倒すことも)
  • ティッシュやゴミ箱の中身
「ちょっと目を離したすきに、何か口に入れていた」というのが、いちばんヒヤッとするパターンです。

だからこそ、歩かせる範囲には余計な物を置かない、これが基本になります。

もし何か口に入れてしまった場面を見かけたら、あわてて無理に取り上げようとすると、かえって飲み込んでしまうこともあります。

落ち着いて様子を見て、食べてはいけない物を飲み込んだ可能性があるときや、その後ぐったりして食欲が落ちるなど気になる様子があるときは、早めに爬虫類を診てくれる動物病院に相談すると安心です。

ふだんから、近くで診てもらえる病院を調べておくと、いざというときに落ち着いて動けます。

フローリングで滑る家具によじ登って落ちるケガ

つるつるのフローリングやタイルの上は、リクガメにとって歩きにくい場所です。

爪が引っかからず、足が滑ってしまって、うまく踏ん張れません。

この状態が続くと、関節や甲羅に負担がかかってしまうことがあります。

本来リクガメは、土を爪でかいて歩く生き物なので、つるつるの床は苦手なんですね。

そしてもうひとつ、見落としがちなのが「登る」こと。

リクガメは平らな所だけでなく、足をかけられる段差や家具があると、意外とよじ登ろうとします。

本棚の下のすき間、低い段差、クッションの山などに登って、ひっくり返ってしまうと自力で戻れず、長く放っておくと危険な状態になることもあります。

「うちの子は登らないだろう」と油断せず、登れそうな場所はあらかじめふさいでおくと安心です。

ひっくり返ってしまったときに自分で起き上がれるかどうかは、その子の性格や体格によってもちがいます。

見守りながら歩かせていれば、もしものときもすぐに手を貸してあげられます。

これも「そばで見ていること」が大切な理由のひとつなんですね。

寒さで動かなくなるおしっこの跡が床に残る困りごと

さきほどもふれた温度の問題は、失敗例としてもよく出てきます。

「お部屋は暖房で暖かいから大丈夫」と思っていても、床のすぐ近くは冷えていることが多く、長く歩かせていると体が冷えて、だんだん動きが鈍くなっていきます。

動かなくなってきたら、体が冷えてきたサインかもしれません。

早めにケージの暖かい場所へ戻してあげましょう。

そして、おしっこやフンの問題。

トイレを覚えないので、お部屋のどこでしてもおかしくありません。

とくに尿酸の白い跡は、すぐ拭かないと残りやすいので、歩かせている間はこまめに様子を見て、したらサッと拭く、という心づもりが大事です(正直、ここは「かわいい」と「掃除大変」がセットになってくるところ…でも慣れると、これも愛おしいルーティンになりますよ)。

畳のお部屋は跡が残りやすいので、防水性のあるカーペットやマットを敷くと、ぐっと気がラクになります。

フンは比較的かたまっていて片付けやすいことが多いのですが、においが気になるときは、こまめに片付けて風を通すと和らぎます。

汚れ物のお世話はちょっぴり大変でも、それも含めて「一緒に暮らしている」という実感がわいてくる部分。

気負わず、自分のできる範囲で続けていけば大丈夫です。

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安全にのびのび歩かせる見守り部屋んぽのやり方

ここまでで「気をつけること」が見えてきたと思います。

では実際に、どう準備して、どんな流れで歩かせてあげればいいのか。

そのまま真似できるように、具体的な手順をまとめていきますね。

むずかしいことはありません。

ひとつずつ整えていけば大丈夫です。

歩かせる前にすませておきたいお部屋の安全チェック

部屋んぽの前に、リクガメ目線でお部屋を一度見回してみましょう。

低い位置に立って(しゃがんで)見てみると、ふだん気づかない危険が見つかります。

  • 電気コードやコンセントは、束ねる・カバーをする・届かない場所へ移す
  • 飲み込めそうな小物やゴミは片付ける
  • 観葉植物は床から離すか、別の部屋へ
  • 家具の下や物のすき間など、入り込んで出られなくなる場所をふさぐ
  • ストーブやヒーターなど、近づくと危ない熱源のまわりをガードする
最初はちょっと面倒に感じるかもしれませんが、一度「歩かせる部屋」を決めて整えてしまえば、次からはサッと準備できます。

片付けるのが大変な物が多い部屋より、なるべく物の少ない部屋やスペースを選ぶのが、長続きのコツです。

はじめのうちは、歩かせる範囲を思いきって小さくしてしまうのもおすすめです。

「このスペースだけは絶対に安全」と言い切れる場所を作っておけば、毎回の準備もぐっと軽くなりますし、見守りにも余裕が生まれます。

慣れてきたら、安全を確認しながら少しずつ広げていけば大丈夫です。

サークルで範囲を区切り床を整えて滑りと冷えを防ぐ

「部屋じゅう全部を安全にするのは大変…」という方におすすめなのが、サークル(囲い)で歩かせる範囲を区切る方法です。

小動物用やお子さん用のサークル、パネル状の囲いなどを使って、あらかじめ安全なスペースを作ってあげると、見守りもぐっとラクになります。

リクガメは足がかりがあると登ろうとするので、よじ登れない高さ・形のものを選ぶのがポイントです。

サークルがない場合でも、収納ボックスや段ボールをうまく使って囲いを作ることもできます。

大切なのは、すき間からスルッと抜け出さないこと、そして登って乗り越えられないこと。

リクガメは小さな体のわりに力もあって、押して動かせるような軽い囲いだと、すき間を作って出ていってしまうこともあります。

安定して動かないものを選んであげましょう。

床は、つるつるのままにせず、ジョイントマットや防水カーペット、専用の床材などを敷いて、滑りと冷えを防いであげましょう。

爪が引っかかってしっかり歩ける感触だと、リクガメも安心して歩けます。

ここで、ケージ飼育・完全放し飼い・ケージ+部屋んぽの3つを、ざっくり比べてみますね。

飼い方 温度・紫外線の管理 安全面 運動・気分転換
ケージ飼育のみ しやすい 守りやすい 少なめ
完全な放し飼い むずかしい 事故が起きやすい 多い
ケージ+見守り部屋んぽ ケージで確保できる 見守りで守れる しっかり取れる

こうして並べてみると、「ケージ+見守り部屋んぽ」が、いいとこ取りになっているのがわかりますね。

暖かい時間帯に短時間からはじめる一日の流れと冬の工夫

実際の一日の流れは、こんなイメージです。

  • ふだんはケージで、温度と紫外線をしっかり確保してあげる
  • 室温も床も暖かいお昼〜午後の時間帯を選ぶ
  • サークルの中で、まずは10〜20分くらいの短い時間から歩かせる
  • 動きが鈍くなってきたり、満足そうにしたら、ケージの暖かい場所へ戻す
最初から長時間がんばる必要はありません。

短い時間から始めて、その子の様子を見ながら少しずつ慣らしていくのが、いちばん安全です。

冬場は、お部屋をしっかり暖めてから、いちばん暖かい時間に短めに。

寒い日や、その子の体調がすぐれない日は、無理に出さずケージでゆっくりさせてあげましょう。

「今日はやめておこう」と引ける柔軟さも、立派な飼い主さんの判断です。

あわせて覚えておきたいのが、温浴です。

リクガメは週に1回ほど、35℃くらいのぬるま湯に10分ほどつからせてあげると、体が温まって水分補給になり、排泄をうながす助けにもなるとされています。

部屋んぽの前に温浴をはさんでおくと、お部屋でしてしまう回数が減って、掃除がラクになることもありますよ(人間でいう、お出かけ前にトイレをすませておく感覚に近いかもしれません)。

そして何より大切なのが、帰る場所であるケージそのものを居心地よく整えてあげること。

温度と紫外線がきちんと保たれ、隠れられる場所やお気に入りの床材があるケージは、この子にとっていちばん安心できる基地になります。

部屋んぽはあくまで“おでかけ”、ケージが“おうち”。

この役割分担がはっきりしていると、リクガメも落ち着いて過ごせます。

うちは、夕方の暖かい時間に、リビングの一角をサークルで区切って20分ほど歩かせています。

最初の数日はそわそわしていましたが、今ではサークルを出すと自分からトコトコ近づいてきて、決まったコースをぐるぐる。

終わるとケージに戻って、満足そうにお昼寝しています。

放し飼いの前に知っておきたい種類年齢と住まいの相性

最後に、「うちの子・うちの家でできるかな?」という視点で、知っておくと役立つことをまとめます。

種類や年齢、衛生面、そして住まいとの相性。

ここがクリアになると、判断にぐっと自信が持てますよ。

部屋んぽになじみやすい種類と落ち着いてからはじめる目安

リクガメにはいろいろな種類がいますが、初心者に人気で飼いやすいとされるのが、ヘルマンリクガメやロシアリクガメです。

ヘルマンリクガメは丈夫でおとなしく、入門種として知られています。

ロシアリクガメは小型で、扱いやすいとされています。

大きさの目安としては、ヘルマンリクガメで最大甲長およそ20cm、ロシアリクガメで最大甲長およそ27cmくらいとされています。

年齢(成長段階)も大事なポイントです。

小さな幼体のうちは、温度の影響を受けやすく体もデリケートなので、まずはケージでしっかり育てて、ある程度大きく丈夫になってから少しずつ部屋んぽに慣らしていくのが安心とされています。

「すぐに広いお部屋で」ではなく、「育ってから、ゆっくり」が合言葉です。

なお、種類によっては高い湿度や温度が必要で、飼育の難易度が高めのものもいます。

はじめてのお迎えなら、丈夫で情報も多いヘルマンリクガメやロシアリクガメから始めると、部屋んぽも含めて世話の見通しが立てやすく安心です。

どの種類を選ぶ場合でも、まずはケージの中をその子に合った快適な環境に整えること。

そのうえで部屋んぽを少しずつ取り入れる、という順番を意識してみてください。

触れたあとの手洗いなど家族みんなが安心できる衛生のこと

リクガメをはじめ爬虫類は、サルモネラという菌を持っていることがあります。

カメ自身は元気なことがほとんどですが、人にうつると体調を崩すことがあり、とくに小さなお子さんやご高齢の方、体調を崩しやすい方は注意が必要とされています。

とはいえ、難しく考えなくて大丈夫。

いちばん大事で簡単な対策は、カメに触れたあとや、ケージ・床のお掃除のあとに、石けんでしっかり手を洗うこと。

手のひら・手の甲・指の間・爪のあいだ・手首まで、20秒以上を目安に洗いましょう。

歩かせた床も、終わったらきれいに拭いておくと、家族みんなが気持ちよく過ごせます。

お子さんがいるご家庭では、「カメさんを触ったら手を洗おうね」とルールにしておくと安心ですね。

歩かせたあとの床も、気になるときは水ぶきしておくと衛生的です。

とくに小さなお子さんが同じ床ではいはいするご家庭では、部屋んぽのあとのお掃除を習慣にしておくと、みんなが気持ちよく過ごせます。

難しく考えず、触ったら手を洗う、終わったら床を拭く、この2つを押さえておけば十分です。

うちの部屋でもできる?向いている人向いていない人の見分け方

ここまでをふまえて、「向いているかどうか」をかんたんにチェックできるようにまとめました。

次の4つに「できそう」と思えたら、部屋んぽを始めやすい環境です。

  • 歩かせる時間帯、お部屋と床の暖かさを保てる
  • コードや小物など、危険な物を片付けられる
  • 歩かせている間、そばで見守ってあげられる
  • したらすぐ拭く、終わったら掃除する、をこまめにできる
逆に、お部屋にコードや小物がたくさんあって片付けがむずかしい、日中ほとんど留守にしている、お迎えしたばかりの小さな幼体、といった場合は、完全な放し飼いはもちろん、部屋んぽも少しハードルが高めです。

その場合は、まずはケージの中を広く・快適に整えてあげることから始めて、環境や子の成長に合わせて、少しずつ部屋んぽを取り入れていくとよいですよ。

「今はまだ条件がそろわないな」と感じても、がっかりしないでくださいね。

お部屋を片付ける、暖かい時間を作る、サークルを用意する。

ひとつずつ整えていけば、できることは確実に増えていきます。

今日できる小さな一歩から始めれば、それで十分なんです。

リクガメと無理なく続ける放し飼いとの付き合い方

いろいろお話ししてきましたが、ここで判断のものさしを整理しておきますね。

「結局どうすればいいの?」がスッキリすると思います。

完全放し飼いではなくケージと部屋んぽの組み合わせが現実解

あらためてお伝えすると、リクガメを一日中お部屋に放しっぱなしにする完全な放し飼いは、温度・紫外線・安全のどれをとっても管理がむずかしく、あまりおすすめできません。

でも、それは「のびのびさせてあげられない」という意味ではありません。

ケージをこの子の安心できる基地にして、暖かい時間に見守りながら歩かせる「部屋んぽ」を組み合わせれば、健康も安全も守りながら、運動も気分転換もしっかりさせてあげられます。

これが、多くの飼い主さんがたどり着く現実的な答えなんです。

実際、最初は「できるだけ放し飼いに近づけたい」と考えていた方も、暮らしていくうちに、ケージで安心して休んで、決まった時間にお部屋を探検する、というリズムに自然と落ち着いていくことが多いようです。

リクガメにとっても、安心できる基地があって、そこから出かけて戻ってこられる暮らしは、メリハリがあって心地よいのかもしれません。

完全な自由よりも、守られた中での“ほどよい自由”。

それが、この子たちには合っているのだと思います。

あなたの暮らしに合わせて少しずつ広げていく始め方

最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。

まずは、安全なスペースをひとつ作って、短い時間から。

その子が慣れて、あなたも見守りに慣れてきたら、時間や範囲を少しずつ広げていけばいいんです。

住まいや季節、その子の性格によって、ちょうどいい形は一つひとつちがいます。

大切なのは「うちの子とうちの暮らしに合うやり方」を、あなたのペースで見つけていくこと。

その積み重ねが、いちばんの安心につながります。

ちなみに、よくいただく疑問にも軽く触れておきますね。

「放し飼いでトイレは覚える?」
⇒残念ながら覚えないので、こまめな見守りと掃除でカバーします。

「冬でも部屋んぽできる?」
⇒お部屋と床をしっかり暖めて短い時間なら大丈夫。

「留守中も放していい?」
⇒見守れないあいだはケージで過ごしてもらうのが安心です。

どれも、ちょっとした工夫で無理なくクリアできますよ。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • 一日中放しっぱなしの完全な放し飼いは、温度・紫外線・安全の管理がむずかしい
  • ケージを基地にして、見守りながら歩かせる「部屋んぽ」が現実的で安心なやり方
  • リクガメは自分で体温を作れないので、暖かい時間帯に歩かせるのが大事
  • 紫外線(UVB)は健康に欠かせず、ケージのライトで確保するのが基本
  • トイレは覚えず、誤飲やケガのリスクもあるので、そばでの見守りが必要
  • コード・小物・観葉植物・熱源など、危険な物は事前に片付ける
  • つるつるの床は滑って負担になるので、マットなどで滑りと冷えを防ぐ
  • サークルで範囲を区切ると、安全管理も見守りもぐっとラクになる
  • 幼体は無理をさせず、ある程度育ってから少しずつ慣らすのが安心
  • 触れたあと・掃除のあとは石けんで手洗いをして、家族みんなで気持ちよく
「ケージだけだとかわいそうかな」と思っていたあなたの気持ちは、とてもすてきなものです。

その気持ちはそのままに、完全な放し飼いではなく、安全な部屋んぽという形で叶えてあげれば、リクガメもきっとのびのび過ごせます。

まずは暖かい時間に、小さなスペースから。

トコトコ歩くうしろ姿を、となりでゆっくり眺める時間が持てたら、なんだか心がほどけるような、いい時間になりそうですよね。

あなたとこの子のペースで、ゆっくり始めてみてください。

「はじめてのリクガメ飼育|後悔しないために最初に整理したい6つの不安」